松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

新興国通貨パート2~3

8月14日

新興国通貨パート2

 トルコリラや南アランド、メキシコペソ、豪ドルなど昨日にかけて急落していた新興国通貨の多くが本日15時頃から上げ足を強めております。新興国市場に対するコンテージョン(危機の伝染)が一巡し、市場が再び落ち着きを取り戻しつつあるようです。日経平均株価が470円高となり、15:25時点でNYダウ先物が80ドル高です。先週末より「トルコ危機」というようなニュースが巷で溢れかえっておりました。それだけに、昨日の新興国市場辺りが「陰極まったタイミング」だったのかもしれません。

8月14日

新興国通貨パート3

 トルコの経済各団体は14日の声明で、通貨リラ安定のためには金融引き締めが必要との見解を示すと共に、米国との対立は外交を通じて解決すべきだと訴えました。また、インフレの低下に向けた具体的なロードマップを準備する必要があることも指摘しました。

 本日15時ごろから新興国通貨の多くが上昇に転じてきました。ドル円も15時ごろからの40分間で25銭ほど円安に進みました。日経平均株価が470円高まで急騰し、NYダウ先物も100ドル高付近まで急騰しております。ユーロ圏株価指数(ユーロストック50)も上昇して始まり、独30や英100、仏40などの株価指数もこぞって上昇して始まりました。ここにきて先週末からの「新興国ショック」に対する反動高の動きが強まってきました。


新興国通貨

8月14日

新興国通貨

 トルコ代表団とサリバン米国務長官との会談が8~9日に行われ、トルコ当局による米国人牧師拘束に関する協議が行われましたが、協議は決裂しました。それを受けてトランプ大統領は10日、トルコの鉄鋼やアルミに対する関税を2倍にすることを表明しました。その直後からトルコリラが大暴落しました。

トルコ債を保証するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドが昨日時点で5.82%まで上昇し、トルコのデフォルト・リスクが2008年のリーマンショック時以来の高さとなりました。それを受けて南アランドやメキシコペソ、インドルピーなど新興国通貨の多くが急落しました。2013年にFRBが量的緩和縮小を示唆したことで新興国通貨全体が急落した「テーパー・タントラム」以降で初めての本格的なコンテージョン(危機の伝染)となったようです。それに対してPQグローバルのCEOは「市場参加者が1国の悪いニュースを目にしてはっと気が付き、すべての地域を売りの対象にし始めるという、いつもの典型的な新興国市場のお話だ。」と述べております。

 トルコリラは、昨日13時ごろに1トルコリラ=15.3円まで下落しましたが、トルコ中銀による流動性供給の発表を受けて下落が止まり、その後は1トルコリラ=16円付近で小動きを続けております。しかも、昨日昼頃より上値が切り下がり、下値が切り上がる「三角保合い」の様相を呈してきたので、保合い放れに注目でしょう。

 トルコリラの暴落に追随した南アランドやメキシコペソ、豪ドルなどは、昨日昼頃から緩やかなじり高基調となっております。インドルピーは、先ほどから急伸しました。12:45時点で日経平均株価は250円高、NYダウ先物は33ドル高です。トルコと米国による「トルコ当局による米国人牧師拘束に関する協議」が今回の新興国通貨全体を巻き込んだコンテージョン(危機の伝染)のきっかけとなりましたが、新興国経済自体が悪化している訳でもないので、そろそろ新興国通貨全体の急反発に注目する局面にきているのかもしれません。
トルコリラ・円の60分足

 

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白金市場「買い参入も一考か?」

8月14日

白金市場「買い参入も一考か?」

 昨夜のNY白金は、NY金の急落に追随することになり、794.6ドルまで下落し、今年3回目となる800ドルの大台割れとなりました。それにより、7月3日の安値(796.9)ドルと7月19日の安値(798ドル)と昨夜の安値(794.6ドル)でトリプルボトムを形成する可能性も出てきました。

 インパラ社から今月2日に「2年間で従業員(約4万人)の3分の1にあたる1万3400人を削減し、赤字鉱山シャフトを閉鎖する計画」が発表された直後なだけに、インパラ社のこれからの労使交渉は相当難航することも予想されます。しかも、インパラ社大量リストラ計画を受けて大規模ストライキが発生する可能性もあるだけに、NY白金が800ドルを割り込んだ場面では、東京白金に対する買い参入も一考ではないでしょうか。

 

 

NY白金の週足

 

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天然ゴム市場

8月14日

天然ゴム市場

 タイ・バンコクのRSS3号現物価格は、3ヶ月前よりキロ当たり48バーツを中心に小動きを続けております。キロ当たりの生産コストが51.5抜程度とされており、生産コストを割り込んだ状態を3ヶ月ほど続けております。

 シンガポールゴムRSS3号は、2016年6月の安値が144セント、昨年の安値が144.5セント、7月21日の安値が142.1セントとなり、この2年間ほどは、142~144セント付近が下値抵抗線となっているようです。しかし、142~144セント付近の下値抵抗線を割り込むと、2016年1月の安値(110.0セント)への警戒が高まります。

 タイ・バンコクのRSS3号現物価格やシンガポールゴムRSS3号の値動きからは、底堅さも感じられます。しかし、米中貿易摩擦の高まりを受けて中国の天然ゴム製品の輸出が減少することも考えられます。そして、ここにきて中国経済成長に対する警戒も必要となりそうです。中国の天然ゴム消費が世界全体の約35%を占めるだけに、中国経済の動向と天然ゴム価格の関係は重要です。

 中国人民銀行が昨日発表した7月のファイナンス規模は1兆400億元でした。7月のマネーサプライM2の伸びは前年同月比で8.5%増であり、6月は8%増でした。これにより統計開始後で最も低い伸び率が2カ月続きました。中国の与信の伸び率鈍化により、中国経済成長に対する警戒も高まりそうです。



タイ・バンコクのRSS3号現物価格
シンガポールゴムRSS3号の週足

 

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トウモロコシ市場

8月14日

トウモロコシ市場

 米農務省が昨夜発表しました週間作柄・育成進展状況では、米国産トウモロコシの優と良の占める割合は前週比1%低下の70%となり、前年同期を8%上回っております。ドゥ率は前週比16%上昇の73%となり、前年同期を15%上回っております。デント率は前週比14%上昇の26%となり、前年同期を11%上回っております。

 米国産大豆の優と良の占める割合は前週比1%低下の66%となり、前年同期を7%上回っております。着さや率は9%上昇の84%となり、前年同期を7%上回っております。

 米国産トウモロコシと米国産大豆の作柄が共に豊作だった前年を上回っております。しかも、米国産トウモロコシは、過去最高の単収見通しであり、警戒されていた受粉期の天候も良好であったことから、受粉率もかなり高そうです。そして、受粉期を終えたことにより、草丈もかなり高くなり天候変化に対する耐性もかなり高まってきたので、今後の天候変化はそれほど気になれなくなります。それにより、9月の需給報告発表に向けて天候プレミアムが更に低下していくことも予想されます。

原油市場

8月14日

原油市場

 昨夜のブレント原油は、24時頃からの3時間で72.9ドル付近から71.0ドルまで急落し、その後、再び72.9ドル付近まで戻しました。NY原油もその間に67.4ドル付近から65.7ドルまで下落し、その後、再び67.4ドルまで戻しました。

 昨夜の原油市場では、クッシング原油在庫の増加や新興国通貨全体の急落などが圧迫要因となりましたが、2月頃から続く下値抵抗線を少し割り込んだところでは、テクニカル的な値ごろ買いが活発化したようです。

 米週間石油在庫統計に対する市場予想平均は、原油270万バレル減、ガソリン80万バレル減、ディスティレート90万バレル増です。ジェンスケープの発表では、クッシング原油在庫が前週比170万バレル増となりました。

 OPECが昨夜発表した月報では、OPEC加盟国の7月の原油生産は、サウジアラビアが前月比で日量20万バレル減少したものの、サウジアラビア以外の加盟国で増加し、加盟国全体で前月比4万1000バレル増の日量3232万バレルとなりました。

 米エネルギー情報局(EIA)が昨夜発表した月報では、国内7カ所の主要シェール開発地区による9月の原油生産が前月比で日量9万3000バレル増の日量752万バレルになるとの見通しを発表しました。米国原油生産における割合は、従来型油田(自噴型油田)からが日量347万バレル、シェール油田からが日量752万バレルとなり、シェールオイルの割合が増加の一途を続けております。

 NY原油とブレント原油は、共に2月から続く右肩上がりの下値抵抗線を4営業日連続でわずかに割り込む場面もありましたが、割り込んだところはすぐにテクニカル的な値ごろ買いが活発化しました。

今回の4~6月期決算発表を終えて企業利益が大幅増加したシェールオイル開発企業による設備投資の大幅増加計画が相次ぎました。それだけに、昨年8月から続く原油市場の上昇トレンドもそろそろ力尽きるころかもしれません。しかも、8月はエネルギー需要の最盛期ですが、10月が不需要期のピークであることから、9月~10月の米原油在庫が増加傾向を強めることも予想されているだけに、NY原油やブレント原油が下値抵抗線を割り込むのも時間の問題と考えるべきかもしれません。

 

 
NY原油の日足
ブレント原油の日足

 

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