松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

原油市場

4月3日

原油市場

 アゼルバイジャンのエネルギー相が、「OPECプラスは、6日にオンラインで会合を開く。」と発表しました。それを受けてブレント原油がこの1時間半で28.5ドル付近から31.6ドル付近まで急伸し、17時時点で東京ドバイ原油が600円高となりました。サウジアラビアの要請でOPECプラスによる緊急会合が開催されることになりました。そして、ロシア側も原油価格の安定化への協力を望んでいることが伝えられているだけに、「OPECプラスによる協調減産」が復活する可能性もかなり高まってきました。

原油市場の総括

本日製作しました週間レポートの一部をご紹介します。参考にどうぞ。



原油市場の総括

 トランプ大統領は昨夜、自身のツイッターで「ロシアのプーチン大統領と会談した。そして、サウジアラビアのサルマン皇太子に話を聞いたところである。彼らは1000万バレル、もしくはそれ以上の減産をするというし、期待している。実現すれば石油・ガス業界に朗報だ。」とコメントし、その直後にも「1500万バレルになる可能性もあるらしい.皆にグッドニュース、大ニュースだな。」とコメントしました。これを受けてブレント原油が昨日23時半ごろに26.6ドル付近から瞬間的に一時35.99ドルまで暴騰し、その後は30ドル付近で推移しております。

 OPECプラスが日量1000万バレルの減産をすることになれば、OPECプラス全体の原油生産が4分の1ほど減少する事になるだけに、現実味は全くありません。一方、OPECプラスが1週間当たり1000万バレルの減産をするのであれば、日量142万バレルの減産となるので、現実味はあります。トランプ大統領が昨夜コメントした「1000万バレルもしくはそれ以上の減産」というのが日量なのか1週間当たりなのかが不明です。しかし、サウジアラビアがOPECプラスによる緊急会合の開催を要請したことも伝わっているので、「OPECプラスによる協調減産」が復活する可能性が高まってきました。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2月24日からNYダウが下落トレンドに転じ、それと共にNY原油も2月24日から下落基調に転じました。そして、3月6日の産油国会合で大方の予想に反してOPECプラスによる減産協議が決裂し、原油価格の下げ足が速まりました。原油市場にとっては、「コロナショック」と「減産協議の決裂」というダブルパンチで大幅下落することになりました。

 3月6日に開催されたOPECプラスによる減産協議では、サウジアラビアなどOPEC諸国が、「協調減産の延長」と「追加減産」の合意を求めましたが、それに対してロシアは、これまで通りに「協調減産の延長」には賛同したものの、「追加減産」に反対したことで、減産協議自体が決裂し、2017年1月から延長され続けてきた「協調減産」まで決裂することになり、「ロシアとサウジアラビアとの増産合戦」に突入しました。

 しかし、新型ウイルスによる予想を上回る感染拡大を受けて世界の原油需要が大幅減少しましたので、いくらサウジアラビアとロシアが増産しても、両国の原油輸出量を増加させること自体が困難となりました。それどころか、世界の原油需要の大幅減少を受けて、両国の原油輸出が以前より減少する可能性さえ高まってきました。こうなると、「ロシアとサウジアラビアとの増産合戦」自体が無意味となってきましたので、両国がここにきて急に協調減産に協力する姿勢を示し始めたようです。

3月6日の減産協議では、ロシア側が、「ロシアの財政均等価格が原油価格で42ドル付近なので、追加減産する必要はない」との意向を示したことで、サウジアラビアの反感を買いました。当時のブレント原油は52ドル付近で推移しておりましたが、現在のブレント原油は30ドル付近まで下落しているので、ロシアの財政収支が大幅赤字となる可能性が高まってきました。ロシア政府の歳入の5割弱が石油・天然ガスで占められており、現在の原油価格がロシア政府の財政均等価格の半値近くまで下落している状態ですから、ここにきてロシア政府がOPEC諸国や米国との協調体制に賛同し始めたことも納得できます。

一方、サウジアラビアの財政均等価格は、原油1バレル=60ドル付近とされているので、サウジアラビアの今年の財政悪化はかなり深刻な状態となりそうです。サウジアラビアのGDP成長率は、原油価格が暴落したことで2009年と2017年にマイナス成長に転落した経緯があり、今年はかなり大きくマイナス成長に転じることが予想されているだけに、サウジアラビアが減産合意に動く可能性はかなり高そうです。

 米シェールオイル生産のホワイティング・ペトロリアムは1日、米連邦破産法第11条(民事再生法に相当)の適用を申請し、今回の原油価格の暴落で初めてとなる原油生産に関する上場企業の経営破たんとなりました。これには、米シェール油田が集中する米中部や米南部を支持基盤としているトランプ大統領の再選が危ぶまれます。トランプ大統領は、3月31日、ロシアのプーチン大統領とサウジアラビアのサルマン皇太子に対して、「ロシアとサウジアラビアとの増産合戦」を停戦するようにテレビ会談を行いました。それに対してロシアとサウジアラビアは、協調体制を強める賛同する姿勢を示しました。そして、トランプ大統領は、米大手石油会社の首脳陣と3日に会談を行い、独立系石油会社の幹部とも3日か4日に会談することを明らかとしました。この会談がうまくいけば、新たに米国が加わって「OPECプラスによる協調減産」が復活する可能性も高まります。特に、サウジアラビアは、「米国を含む世界の主要産油国すべてが減産に同意しない限り、世界市場を供給であふれさせる方針は撤回しない」と主張してきましたので、米国が新たに「OPECプラスによる協調減産」に賛同する可能性が出てきました。それを占う上でも本日3日に予定されている「トランプ大統領と米大手石油会社の首脳陣との協議」に注目でしょう。ここにきてOPECプラスによる協調減産が復活する可能性も高まってきただけに、原油市場がしばらく底堅く推移しそうです。


トウモロコシ市場パート1~2

4月3日

トウモロコシ市場

国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)と世界貿易機関(WTO)の3機間のトップが4月1日、共同声明で「現在進行中の新型コロナウイルス危機に当局が適切に対応できなければ、世界的な食料不足が発生する恐れがある。」と警告しております。更に、「食料品の入手可能性への懸念から輸出制限のうねりが起きて国際市場で食料品不足が起きかねない。」とも警告しております。リーマンショック後には、コメの生産国であるインドとベトナムがコメの国内価格の上昇を避けようと輸出を規制した結果、コメの国際価格が急騰して一部の発展途上国で暴動が起きたこともありました。そして、ロシアは、小麦の国内価格の上昇を防ぐためすでに備蓄の放出に踏み切っており、輸出規制も検討している状態です。

米国での新型ウイルスの感染拡大を受けて、メキシコの複数の地域が国境の検問を封鎖する動きも報告されております。以前はトランプ大統領が「メキシコとの国境封鎖」を支持しておりましたが、今ではメキシコ側から「米国との国境封鎖」の動きがあるようです。米国ではメキシコからの季節的農業労働者の不足で多くの作物の生産がリスクにさらされております。また、欧州でも北アフリカと東欧からの労働者の不在により、同様の結果を招きかねない状態です。国連食糧農業機関と世界保健機関と世界貿易機関の事務局長らは、共同声明で「食料品のサプライチェーンに直接関わる人とそれ以外の人両方の健康を守り、食料品のサプライチェーンを維持する上で、食料の生産・加工・流通に携わる労働者を保護する必要がある。」と指摘しております。これから米や大豆、トウモロコシの作付け作業が本格化するだけに、今回の新型コロナウイルスの感染拡大が世界の穀物生産に悪影響を及ぼす事となれば、「世界的な食糧危機」が警戒されます。そうなれば、現時点でも世界的な問題となっている「ロックダウンに伴う世界的な食料品の買いだめ」が更に拡大し、深刻な食糧不足に陥る可能性もあります。それにより穀物価格が急騰する可能性もあるだけに、今のうちに東京トウモロコシに対して値ごろ買いも一考かもしれません。

4月3日

トウモロコシ市場パート2

 世界のトウモロコシ生産の35%が米国、23%が中国、9%がブラジル、6%がEUとなっておりますので、東京トウモロコシ市場にとって米国産トウモロコシの育成状況が特に重要となります。そして、中国のとうもろこし生産もかなり重要となってきます。

すでに中国の複数の地方政府は農民に対し、穀物生産用の農地を確保して水田には稲しか植えられないようにし、作付けが終わった稲以外の作物はすべて掘り起こして代わりに稲を植えるように通達しております。2020年の中国での穀物生産量は5億5400万トンとなる見通しですが、中国国内での穀物消費量が7億トンに達する見通しとなっており、1億4600万トンほど不足する見通しです。それにコロナウイルスの感染拡大による影響や、サバクトビバッタによる蝗害の影響が加わる可能性もあるだけに、中国では穀物の増産が急務となってきました。

農業害虫であるツマジロクサヨトウが雲南省や四川省など中国の8省228件で発生し、約1億ムー(約667万ヘクタール)の農地が脅威にさらされています。そして、サバクトビバッタの大群が、雲南省やウルグル自治区に迫っております。新型コロナウイルスやサバクトビバッタ、ツマジロクサヨトウなどの影響で中国の穀物生産が減少する可能性も高まってきました。それに加えて、欧米諸国でも、新型コロナウイルスによる影響で穀物生産が減少する可能性も指摘され始めております。これから米や大豆やトウモロコシの作付け作業が本格化する時期を迎えるだけに、欧米でのロックダウンによる農作物生産への影響は心配です。

 

 

 


トウモロコシ市場の総括

本日製作しました週間レポートの一部をご紹介します。参考にどうぞ。



トウモロコシ市場の総括

 世界のトウモロコシ生産の35%が米国、23%が中国、9%がブラジル、6%がEUとなっておりますので、東京トウモロコシ市場にとって米国産トウモロコシの育成状況が特に重要となります。また、世界生産の23%が中国産なので、中国産トウモロコシへの蝗害にも警戒が必要です。米国産トウモロコシは、4月下旬から作付けが開始されます。

 2月下旬からの株式市場の大暴落と共に東京商品市場銘柄の値動きが大きくなり、大商いを続ける銘柄が続出しました。しかし、今週になって出来高が激減する銘柄が続出しており、東京工業品市場への参加をためらう投資家がかなり増えてきたようです。イタリアでの新型ウイルスによる死者数の増加ペースが頭打ちとなってきましたが、それでも高水準を続けております。米国やイギリスの新型ウイルスによる死者数の増加ペースは、2週間後にピークに達するとの見方も出てきましたが、それもまだ確証は持てません。新型ウイルスによる今後の世界経済に対する影響が不透明となっていることが、景気敏感銘柄である原油などの工業品銘柄への市場参加をためらわせているようです。そうした工業品銘柄に対する新型ウイルスによる不透明感に警戒するよりも、景気にあまり左右されない穀物市場に注目することも一考かもしれません。

 世界最大のトウモロコシ生産量を誇る米国では、4月下旬から作付けが開始されます。それにより4月中旬になれば「先付け時期の天候」への注目が高まり、天候相場の序盤戦が開始します。それと共に天候プレミアムが高まり、シカゴコーンの下値が引き上げられることも考えられます。米国産トウモロコシ生産では、天候が数日間よくても豊作は決定しませんが、天候が数日間悪化して不作が確定することはあります。作付け後の低温障害や洪水、ハリケーンなどは要注意です。また、開花期の高温障害で受粉率が大幅低下することもあります。そうしたことを背景に天候プレミアムが上昇する時期をこれから迎えます。そうした天候プレミアムの上昇前に東京トウモロコシの安値拾いも一考かもしれません。

米国産トウモロコシは昨年まで5年連続で豊作となりましたが、それでも5年連続で6~7月頃にその年の高値を記録していることは注目でしょう。一方、不作相場の時は、8月頃にその年の高値を記録する傾向もあります。そうしたトウモロコシ市場の季節的傾向を考えれば、そろそろ東京トウモロコシの安値拾いも一考かもしれません。

 米農務省が昨3月31日に発表した今年の米国産トウモロコシの作付面積見通しは、9432万8000エーカー予想に対して9690万エーカーとなり、2012年以降で最大となる見通しとなりました。それでも同日のシカゴコーンがほとんど下落しなかったことは注目でしょう。米国産トウモロコシの作付面積は過去30年間で35%ほど増加しており、世界需要の増加と共に増え続けていますので、今年の作付面積が前年より増えたことにあまり固執する必要もなさそうです。また、そうした作付面積見通しを受けて現在の値段が形成されていることに注目するべきかもしれません。

 今年のシカゴコーンの単収が昨年と同様の1-エーカーあたり166ブッシェルとなり、1エーカーあたりの維持コストを683.88ドルで計算すれば、1ブッシェル当たりの生産コストが約411セントとなります。それに対して現在のシカゴコーンが340セント付近で推移しているので、割安感がかなりあります。新型ウイルスの影響で今後の世界経済の動向がかなり不透明となってきただけに、これからは、「景気変化にあまり影響を受けない穀物市場」に注目するべきかもしれません。

そして、今回の新型ウイルスの陰に隠れてあまり話題視されておりませんが、東アフリカで発生したサバクトビバッタの大群が偏西風に乗って中東やパキスタン、インドを経由して中国国境近くにまで迫ってきたことは注目でしょう。パキスタンでは、既に4割の農作物が被害を受けたそうです。4000億匹にまで増加した幅40km、長さ60kmに及ぶサバクトビバッタの大群が、トウモロコシ生産世界第2位の中国に侵入するのは時間の問題との見方も高まってきました。国連や中国当局は、サバクトビバッタが6月頃までに現在の500倍にまで膨れ上がる可能性があると指摘しているほどです。過去最大級の蝗害がトウモロコシ生産量世界第2位の中国に迫ってきましたので、東京トウモロコシに対してこれから2~3カ月ほどの中期的な強気な見方に注目することも一考かもしれません。


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天然ゴム市場

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4月2日

天然ゴム市場

 上海ゴムの当限の安値は、2008年12月が9565元、2015年11月が9150元、2016年1月が9255元、2018年6月が9855元であり、今年の安値が昨日記録した8935元となり、上場来安値を昨日記録しました。一方、上海ゴムの取引中心限月の上場来安値は、3月23日に記録した9300元であり、次いで本日朝方に記録した9360元です。ここにきて上海ゴムが記録的な安値を記録しております。

 明日予定されているトランプ大統領と米大手石油会社の首脳陣との会談で、米国も減産威参加することが決定すれば、OPECプラスによる協調減産が復活する可能性も高まります。

 米シェールオイル生産のホワイティング・ペトロリアムは1日、米連邦破産法第11条(民事再生法に相当)の適用を申請しました。今回の原油価格の暴落で初めてとなる原油生産に関する上場企業の経営破たんです。ホワイティング・ペトロリアムの経営破たんは、米シェール油田が集中する米南部や米中部が支持基盤であるトランプ大統領の再選に影響します。そうしたことを背景としてトランプ大統領は3月31日、ロシアのプーチン大統領とサウジアラビアのサルマン皇太子に対して、「ロシアとサウジアラビアとの増産合戦」を停戦するようにテレビ会談を行ったようです。ここで米国が新たに参加してOPECプラスによる協調減産が復活する可能性も出てきただけに、原油の値動きに敏感な天然ゴム市場に対しても、短期的な強気な見方も一考かもしれません。


上海ゴム(当限つなぎ足)の月足
上海ゴム5月限(取引中心限月)の日足

みんコモコラムアワード2015
ColumnAward 2015特別賞

「特別賞」を受賞しました

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