松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

原油市場&金市場

8月10日

原油市場&金市場

 ブレント原油は、昨日23時頃に一時72.9ドルまで上昇しましたが、その後は下落を続け、今朝9時頃に712.8ドルまで下落し、現在は72.1ドル付近で推移しております。ブレント原油は、昨年8月から続く右肩上がりの下値抵抗線を今週7日に割り込み、今年の2月から続く右肩上がりの下値抵抗線上付近まで下落しております。ブレント原油が71ドル付近まで下落すると、今年の2月から続く右肩上がりの下値抵抗線をかなり明確に割り込んだことになり、テクニカルが大幅に悪化します。

 S&P500種株価指数は、昨日23時頃に2862.48ポイントまで上昇し、現在は2853.50ポイント付近で推移しております。昨夜のS&P500種株価指数があと0.4%程度上昇すれば最高値更新となりましたが、3日連続で最高値まであと0.4%高程度の水準で足踏みをしております。

 現在の米中貿易摩擦の高まりや、トランプ大統領が11月の米中間選挙に向けて更に「アメリカ・ファースト」的な姿勢を強めることを考えると、S&P500種株価指数が最高値を更新して更に上昇基調を続けることは難しいと考えるべきかもしれません。

 添付しているS&P500種株価指数の週足には、米大統領選のタイミングを赤い丸印、米中間選挙のタイミングを青い丸印で示しております。米大統領選や米中間選挙などの「選挙前に米国株が下落し、選挙後に米国株が上昇する傾向」があるようです。これは、選挙という不透明要因を前に米国株への利益確定の動きが強まり、選挙後は、勝利した政権への期待先行で米国株が買われる傾向があるようです。しかも、現在のS&P500種株価指数が1月に記録した最高値とダブルトップを形成する可能性も高まっております。それにより、これからは、リスク志向の原油市場に対して弱気し、リスクヘッジ志向の金相場に対して強気するなど、今後の米国株の動向を予想したポジションが必要かもしれません。

S&P500種株価指数の週足
ブレント原油の日足

 

※チャートの情報提供元は(株)みんかぶです。チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、株式会社みんかぶは一切の責任を負いません。


メキシコペソ

下記のコメントは、今週7日に配信しました過去記事です。参考にどうぞ。


8月7日
メキシコペソ
 メキシコペソ・円は、6月15日に1ペソ=5.26円付近まで下落しましたが、8月6日時点で1ペソ=6.03円付近まで上昇し、4月中旬からの下落基調に対する「V字回復」となりました。しかし、ここにきて7営業日連続で高止まりしており、2カ月弱続いた上昇トレンドが終了する可能性も出てきました。 ゴールドマン・サックスのレポートでは、メキシコペソに対して「上昇後もまだ過小評価されている。」と指摘し、「慎重な中央銀行の下で収まりつつあるインフレ、ロペスオブラドール次期大統領の抑制の効いた論調、NAFTA交渉の進展」などを理由に、今年の11月には1ドル=18.5ペソを目指すと指摘し、メキシコペソに対する強気推奨しております。 一方、モルガン・スタンレーのレポートでは、メキシコペソのコロンビア・ペソやインド・ルピーに対する売りを推奨しております。そして、メキシコペソに対して、「当社のモデルはペソの売りシグナルを出す段階に極めて近い。NAFTAに関する良いニュースはおおむね織り込み済みで、現時点でリスクはアンダーパフォームの方に傾いている。」と指摘しております。 メキシコの経済相は今月3日、NAFTA再交渉の閣僚協議を8月8日か9日に再開することを明らかにしました。明後日から始まるNATFA再交渉を控えて、メキシコペソの強気ポジションを利食いするべきか、強気継続すべきか迷うところにきているように感じられます。 ゴールドマン・サックスのレポートでは、「今年の11月には1ドル=18.5ペソを目指す」と指摘しておりますが、昨日時点で1ドル=18.46ペソまでペソ高が進んでいることを考えると、ゴールドマン・サックスの目標値段の水準までペソ高が進んだことになります。それならば、モルガン・スタンレーのレポートを参考に、そろそろメキシコペソに対する利益確定のタイミングを探すべきかもしれません。

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金市場

8月9日

金市場

 S&P500種株価指数は、今週7日に2863ポイントまで上昇し、1月に記録した最高値(2872ポイン)まであと9ポイントに迫りました。翌8日にも一時2862ポイントまで上昇し、最高値まであと10ポイントに迫りました。S&P500種株価指数は、この4カ月半で12%ほど上昇しましたが、最高値を前にして2日連続で足踏みしているようです。

 米国が中国に対する制裁関税の第2弾を8日に発表すると、同日に中国も米国に対する報復関税の第2弾を発表しました。ここまで米中貿易摩擦が高まると両国の経済成長にも影響を及ぼしそうです。しかも、トランプ大統領は、11月の中間選挙に向けて「アメリカ・ファースト」的な姿勢をさらに強めることも予想されます。こうした状態でS&P500種株価指数が最高値付近まで上昇しているので、1月に記録した最高値(2872ポイント)と今週の高値でダブルトップを形成する可能性もあります。S&P500種株価指数がテクニカル的なダブルトップを形成して下落に転じれば、米国株を中心とした世界的な株安により、「リスクヘッジの金投資」が再び注目される可能性もあります。

 米国株は、2016年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利してから1年3か月も上昇トレンドを続け、S&P500種株価指数が今年1月に最高値を付けました。そして、ここにきて再び最高値まで迫ってきました。ここで注目は、2016年11月8日の米大統領選までの3カ月間の米国株が下落基調を続けてたことかもしれません。2016年8~10月は、「2016年11月の米大統領選」という不透明要因を前に投資家の株式市場に対する利益確定の動きが高まったようです。それにより今回も、「2016年11月の米中間選挙」という不透明要因を前に投資家の株式市場に対する利益確定の売りが高まる可能性もあります。しかも、S&P500種株価指数が1月の最高値と今週の高値でテクニカル的なダブルトップを形成する可能性もあるだけに、更に利益確定の動きが高まりそうです。それだけにここは、「リスクヘッジの金投資」に注目し、東京金に対する強気な見方も一考ではないでしょうか。

S&P500種株価指数の週足

 

※チャートの情報提供元は(株)みんかぶです。チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、株式会社みんかぶは一切の責任を負いません。

原油市場パート3「四半期決算と原油市場の関係」

8月9日

原油市場パート3「四半期決算と原油市場の関係」

 今回の4~6月期決算では、原油価格の高騰を受けて企業利益が大幅増加したエネルギー関連企業が続出しております。それを受けて、設備投資や生産目標の増加計画を発表するエネルギー関連企業が続出しております。それにより、1年間続いた原油市場の上昇トレンドが下落トレンドに転換する可能性が出てきました。

 今後の原油市場の動向は、今回のエネルギー関連企業の好決算と正反対となるNY原油が26ドル付近まで下落した2016年1月当時のエネルギー関連企業の決算発表が参考になりそうです。当時のエネルギー関連企業の決算内容は極めて悪く、設備投資や生産目標の大幅削減を発表する企業が続出しました。まさに今回のエネルギー企業の好決算と正反対の内容でした。下記の記事は、NY原油が26ドル付近まで下落した2016年1月に私が製作した過去記事です。参考にどうぞ。

 

2016年1月28日(過去記事)

原油市場パート4「来週に向けての注目点」

米国の大手シェールオイル企業3社は25日、市場予想を大幅に上回る設備投資の削減計画を発表しました。それによると今年の設備投資をヘスが40%、コンチネンタル・リソーシスが66%、ノーブル・エナジーが50%の削減をそれぞれ発表しました。この3社は、2年連続での設備投資の大幅削減となります。コンチネンタル・リソーシスのハムCEOは今週、「米シェールオイル企業が市場回復まで減産すれば、現在の原油過剰は年内に大幅に緩和される。米国の産油量は足元で減少しているが、多くの投資家が予期していたほど速いペースではない。しかし、そうした事態はもうすぐ終わる。残念ながら供給不足へと向かっている。今年後半には非常に懸念すべき事態になるだろう。」と述べており、原油価格が2016年末に60ドルまで上昇するという見通しを述べました。それでもコンチネンタル・リソーシスは、財政悪化により設備投資の大幅削減計画を発表するしかなかったのかもしれません。ホッジズ・キャピタル・マネジメントの石油企業アナリストは、「設備投資予算を60%削減すると、掘削する油田は40%減少し、石油生産量は大幅に減少することになる。」と述べております。

世界最大の資産運用会社であるブラックロックのフィンク会長は1月27日、「原油価格について、エネルギー関連企業が債務を履行するのに十分な水準でなく、400社もの企業が存続できない恐れがある。」と述べております。バーンスタイン・エナジーは、シェールオイル企業の今年の設備投資削減率を38%と予想しております。シェール油田の寿命は3年程度とされており、生産開始から1年半で生産当初の半分ほどに生産量が低下するといわれております。それに加えて今回の決算発表でシェールオイル企業の多くから設備投資や人員の大幅削減計画の発表が相次ぐことになれば、「米国の原油生産量は、時間経過と共に減少を続ける。」という見方が市場のコンセンサスとなるのかもしれません。

S&P500種指数構成企業の10~12月期の決算は、本日からの7営業日で約300社から発表される予定です。特に28~29日の2日間だけで120社ほどの決算発表が予定されております。来週にかけての大量な決算発表を手掛かりにNY原油が32ドル台付近の上値抵抗線を突破して上昇基調を強めることも考えられます。

 

上記のコメントは、2016年1月28日に発行しました私の過去記事です。原油価格の暴落を受けてエネルギー関連企業の多くが設備投資や生産目標の大幅削減計画を発表し、その後の原油価格が1年間ほど上昇トレンドを続けることになりました。それに対して今回の4~6月期決算では、好決算を受けて設備投資や生産目標の拡大計画を発表するエネルギー関連企業が続出しております。それにより今後の原油市場は、「2016年1月からの上昇トレンド」と正反対となる下落トレンドを形成する可能性も高そうです。

原油市場パート2

8月9日

原油市場パート2

パイオニア・ナチュラル・リソーシスやパースリー・エナジー、コンチネンタル・リソーシズなどの米大手シェールオイル開発企業は8日、設備投資の大幅増額や生産目標の大幅増加計画を相次いで発表しました。また、英石油大手のBPが発表した4~6月期決算では、企業利益が前年同期比で4倍にまで大幅増加しました。そして、石油大手の米エクソン・モービルの4~6月期の設備投資&調査支出は、前年同期比68.8%増の66億2700万ドルとなりました。更に、米石油大手のシェブロンの4~6月期決算は、純利益が前年同期の2.4倍となる34億900万ドル(約3800億円)となりました。

米大手シェールオイル開発企業の多くは、原油価格の高騰とシェールオイル生産コストの低下を受けて、4~6月期の企業利益が過去最高に達した企業が続出したようです。4~6月期のS&P500種採用企業の1株利益予想は、セクター全体の平均では20%増ですが、エネルギー・セクターは132%増であり、他のセクターを圧倒する増益見通しです。

NY原油が100ドル付近で推移していた2011~2013年当時のシェールオイルの1バレル当たりの生産コストは80ドル付近でした。それにより、生産高コストと製品価格差の差が20ドルほどありました。しかし、2014~2015年の原油価格の大暴落を受けて、シェールオイルの生産コストが大幅に低下しました。原油暴落によるシェールオイル開発企業の生き残り競争により、掘削技術が一新され、生産高コストが大幅低下しました。それにより、現在の1バレルあたりの生産コストが43ドル付近まで低下しているので、生産コストと製品価格との差が25~27ドルほどあるのですから、シェールオイル開発企業の多くが過去最高の企業利益となった事も納得できます。

米国の1バレルあたりの原油生産コストは、36.2ドル(2016年時点/EIA発表値)程度ですが、シェールオイルの現在の生産コストは1バレル当たりの43ドル付近です。米国の原油生産の6割強がシェールオイルであり、3割強が従来型油田(自噴型油田)から生産された原油です。ちなみに従来柄原油生産に依存するサウジアラビアの原油生産コストは9.9ドル、イラクは10.7ドルです。また、メキシコで29.1ドル、ノルウェーで36.1ドルです。ノルウェーの北海油田の1バレル当たりの生産コストが36.1ドル程度ですから、北海油田で原油生産をしている石油メジャーの企業利益もすさまじいものがありそうです。今回の4~6月期決算発表を受けて設備投資の大幅増額や生産目標の大幅増加計画を発表するエネルギー関連企業が急増しているだけに、1年間続いた原油市場の上昇トレンドが下落トレンドに転換する可能性も高まってきたように感じられます。
1株利益予想

みんコモコラムアワード2015
ColumnAward 2015特別賞

「特別賞」を受賞しました

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