4月1日
前場市況2
日本での新型コロナウイルスの感染者数の増加が1日あたり200人を超えたことで、国内でも危機感がかなり高まってきました。2008年のリーマンショックの時は「100年に1度の金融危機」と言われましたが、今回は、状況が全く違います。ロックダウンする都市が世界的に増加したことで、世界経済が停滞するというこれまで経験したことのないパターンの景気後退に直面しております。
3月9日より開始されたイタリアでの外出禁止令は、4月3日に解除される予定ですが、イタリア当局は、「当局は延長する可能性がある」と指摘しております。新型コロナウイルスによる死者数が1万2000人を超えたイタリアでは、死者数の増加ペースは3月27日の「前日比919人増」がピークとなり、29日時点で756人増、30日時点で837人増となりました。死者数の増加ペースが頭打ちとなってきましたが、まだ増加ペースが大幅鈍化した訳ではないので、外出禁止令の解除はしばらく難しそうです。それでも3月9日から続く外出禁止令の効果がこれから現れるものと思われます。
トランプ大統領は昨夜、「非常に厳しい2週間に直面している。痛みを伴う2週間になるだろう。われわれの力と忍耐が試される。」と述べました。そして、昨日になって新型コロナ対策調整官のバークス氏が、「最大限に厳しい公衆衛生規制を30日間延長したとしても最大20万人の死者が出ると予想される.」と述べていたことが明らかとなりました。バークス氏は、「今後数カ月間で死者数が10万~24万人に増える。すぐに効く薬もワクチンも治療法もない。効果があるのは行動のみだ。各人の行動により、今後30日間でこのパンデミックの状況を変えることができる。」と述べ、今後2週間で死者数がピークに達するとの見通しを発表しておりました。このバークス氏の「今後2週間で死者数がピークに達する」との見通しを受けてトランプ大統領胃が昨夜、「非常に厳しい2週間に直面している。痛みを伴う2週間になるだろう。われわれの力と忍耐が試される。」と述べたようです。
イタリアでの新型コロナウイルスによる死者数の増加ペースが頭打ちとなってきましたが、それでも米国での新型コロナウイルスによる死者数がこれから2週間ほど増加を続ける可能性が高いことにより、マーケット全体でリスクオフの流れがより強まる可能性もあります。米疾病対策センターは昨夜、「新型コロナウイルスによる米国内の死者数が前日比455人増の2860人」と発表しましたが、これがこの先2週間ほど更なる増加ペースを続けることを想像すると、マーケット全体がかなりショッキングな反応を示す可能性もあるだけに、これまで以上に警戒する必要がありそうです。