松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

白金市場

6月17日

白金市場

 南ア白金鉱山最大の労働組合であるAMCUは、今回の労使交渉で南ア大手白金鉱山会社に対して、最低所得者の平均基本給を現状の月額1万1500ランド(約8400円)から月額1万7000ランド(約12万4000円)への賃上げ要求を決定しました。労使交渉に先立ってAMCUは、2017年以降のパラジウムとロジウムの価格が大幅に値上がりしたことを指摘し、「住居、積立金、交通機関、医療補助などの規定の変更」を要請することも決定しました。それにより労働者一人当たりの年間賃金引き上げ額は3万ランド(約22万円)としました。これに対して今回のロンミン社との合併で世界最大の白金生産会社となったジバニエ・スティルウォーター社は、「AMCUの要求は非現実的かつ手に負えない」としてAMCUの賃上げ要請を棄却しました。

 AMCUは、3年前と6年前の労使交渉で、最低所得者の月額基本給を1万2500ランドに引き上げることを目標とておりました。しかし、今回は、最低所得者の平均基本給を月額1万7000ランドに引き上げることを要求したので、ジバニエ・スティルウォーター社が「MCUの要求は非現実的かつ手に負えない」として棄却したことも頷けます。今回のAMCUの賃上げ要請に対して現地アナリストは、「AMCUの労使交渉のオープニングでの賃上げ要請は、通常のオープニングでの駆け引きだ」と指摘しております。AMCUは、最初は高い金額の賃上げを要請し、今後の労使交渉で徐々に会社側との妥協点を探る構えのようです。これからAMCUは、ジバニエ・スティルウォーター社やアングロ・プラチナ社、インパラ社を含めた南ア白金鉱山大手7社との労使交渉を本格化させます。今回の労使交渉を前にAMCUの組合長は、「白金鉱山会社との労使交渉に関して不平等があるので、私たちが持っている唯一の頼みはストライキする権利です」と述べております。AMCUは

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6月17日
白金市場パート2

南ア白金鉱山で最大の労働組合であるAMCUは、南ア大手白金鉱山会社に対して最低所得者の平均基本給を現状の月額1万1500ランド(約8400円)から月額1万7000ランド(約12万4000円)への賃上げ要求を決定しました。これは47%の賃上げ要請となります。AMCUは、3年前の労使交渉でも、労使交渉のオープニングで47%の賃上げを要請しましたが、最終的に12.5%の賃上げで合意した経緯がありますので、3年前と同様の「労使交渉のオープニング」となったようです。

 南アフリカのインフレ率は4.4%程度まで低下しましたがそれでもまだ高水準なインフレ率です。それにより、10%の賃上げが合意されたとしても、実質的な賃金引き上げ額は5.6%となります。しかも、白金価格が低迷している反面、ロジウムやパラジウムなど白金以外の白金族金属が高騰を続けたことで、南ア白金鉱山会社の多くが黒字を拡大させていることを指摘し、AMCUが大幅な賃金引き上げを要請しております。3年前の労使交渉の時より黒字を拡大させている白金鉱山会社が多いだけに、AMCUは徹底した大幅賃上げにこだわる可能性もあります。今回の大幅賃上げ要請に対してジバニエ・スティルウォーター社は、「AMCUの要求は非現実的かつ手に負えない」としてAMCUの賃上げ要請を棄却しました。しかし、MCUの組合長は、「白金鉱山会社との労使交渉に関して不平等があるので、私たちが持っている唯一の頼みはストライキする権利です」と述べており、労使交渉の難航に対してストライキで応じる構えを見せております。

ワールド・プラチナ・インベストテンカウンシル(WPIC)は先月、今年の世界の白金需給を、前回見通しの「68万オンスの供給過剰」から「37万オンスの供給過剰」へと変更しました。一方、今年2月には、南アフリカ国営電力会社のエスコムで5日連続での大規模停電が発生し、それを受けてアングロ・プラチナ社が同社の年間生産の1%にあたる1万4000オンスの白金生産を失いました。これが大停電ではなく大規模ストライキでも相当な白金生産を失ったはずです。南ア白金生産が7~8%程度減少すれば、今年の白金需給が、供給過剰見通しから需給ひっ迫見通しに変化する計算となります。

 世界第3位の白金生産を誇るロンミン社がジバニエ・スティルウォーター社に合併されたことを受けて、ロンミン社の採算の低い鉱山閉鎖と共に、ロンミン社の従業員3万2000人に対して1万2459人を3年間でリストラすることになりました。そして、今年後半だけで4100人がリストラされることになりました。また、インパラ社でも大規模な白金鉱山労働者のリストラ計画を表明しております。こられの大規模リストラ計画が今後の労使交渉を難航させる要因となりそうです。

AMCUの大幅賃上げ要請を受けて、。。。。。。。。。。。。。。この続きは、会員の皆様に限定してメールにてお送りしております。

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原油市場「中東の地政学的リスク」

6月17日

原油市場「中東の地政学的リスク」

ホルムズ海峡に近いオマーン沖で6月13日、石油タンカー2隻が攻撃を受けました。それに対してポンペオ米国務長官は13日、「オマーン沖で発生した攻撃について、米政府はイランが攻撃の背後にいたと判断している。機密情報、使用された武器、こうした攻撃の実施に必要な手腕、イランによる船舶に対する類似した攻撃に加え、この海域で活動するいかなるグループもこのような高度な攻撃を実施する能力は備えていないとの事実を踏まえ、米政府はこのような判断を下した。」と述べました。これを受けて緊張が高まり、原油価格が急騰しました。

しかし攻撃されたタンカーを運航する海運会社である国華産業の堅田豊社長は14日、記者会見で、「2発目の攻撃の際に乗組員が飛来物を目撃しており、間違いなく機雷や魚雷ではない。タンカーはパナマ国旗を掲げていたことから、日本だから攻撃したとは考えていない。」と述べました。そして、攻撃を受けた箇所は、1発目が船の後部、2発目が中央部付近で、いずれも右舷側で海面より上だと述べております。攻撃を受けたのがいずれも「海面より上」であれば、魚雷による攻撃でなかったことも納得できます。しかも、攻撃の際に乗組員が飛来物を目撃しているのであればなおさらです。

当初は「魚雷による攻撃」と報道されたので、イラン政府が攻撃に関与した可能性は高まりました。しかも、ポンペオ米国務長官が「米政府はイランが攻撃の背後にいたと判断している。」と述べたのでなおさらです。しかし、攻撃されたタンカーの運営会社の社長の記者会見コメントでは、魚雷ではなくロケット砲だったようです。ロケット砲であれば、テロリストやホルムズ海峡付近の海賊がよく使用する武器ですので、イランが関与したとは言いきれません。

イラン外務省のムサビ報道官は14日、「われわれはホルムズ海峡の安全維持を担当しており、攻撃を受けたタンカーの乗組員を即座に救助した。ポンペオ米国務長官によるイランへの非難は憂慮すべきことだ。言うまでもないが、こうした不審で不幸な出来事でイランを非難するのは、ポンペオ米国務長官ら米政府当局者にとって、最も簡単で最も便利な方法だ。」と述べており、ポンペオ米国務長官発言を非難しております。

一方、ポンペオ米国務長官は16日、タンカー2隻が攻撃された先週の事件について、「イランに責任があることに疑いの余地はない。そのために米国は外交的手段やその他の措置など、必要なあらゆる行動を確実に取っていく決意だ。」と述べました。そして、イランの責任だと米国はどのくらい確信しているのかとの質問に対して、「何が起こったかは明白だ、過去40日に世界中で起こった他の攻撃についてもイランが背後にいることを強く確信している.」と述べました。 

サウジラビアのムハンマド皇太子は16日、先週のタンカー攻撃に対して「イランの責任だ。タンカー攻撃に加えサウジの石油施設やアブハ空港への攻撃を踏まえ、国際社会はイランに厳しい態度で臨むべきだ。」と述べております。サウジアラビアは、イランが武器提供しているとされるイエメンのフーシ派がサウジアラビアの石油パイプラインやアブハ空港を攻撃したことにたいしても、「イラン責任」と非難しております。そしてポンペオ米国務長官も、タンカー攻撃に対して、「イランの関与が明白だ」と指摘しております。

イランとの核合意から米国が離脱して以降、イランと米国との対立が強まっております。そして、3年程前からイランが武器提供しているとされるイエメンのフーシ派とサウジアラビアの戦闘が続いており、フーシ派はこれまで200発以上のミサイルをサウジアラビアに発射しており、サウジアラビアもアラブ連合によるフーシ派に対する空爆を続けてきました。それを受けてサウジアラビアとフーシ派に武器提供しているとされるイランとの対立が強まっております。そして、米国は、サウジラビアに武器提供を続けてきました。こうした背景を受けて米国とサウジアラビアが協調して対イランへの対立を強めております。

イラン原子力庁は本日。。。。。。。。。。。。。。この続きは、会員の皆様に限定してメールにてお送りしております。
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金市場 

6月14日

金市場 

 NYダウは、6月11日が14ドル安、12日が43ドル安、13日が101ドル高となり、本日12時半時点のNYダウ先物が10ドル高です。昨日の米国市場では、中東の地政学的リスクの高まりを受けて原油価格が上昇し、それを受けてエネルギー関連銘柄も上昇してNYダウが小幅高となりました。しかし、NYダウは、11日から小動きを続けており、先週末までの急反発で上値警戒感が高まったようです。一方、NY金は2日続伸となり、月初から続く上値抵抗線付近まで上昇しました。

NY金は今月4日より1325~1350ドル付近でのボックス圏相場を続けており、1350ドル付近が上値抵抗線となっているようです。そして、NY金の電子取引が本日12時半時点で1351ドルまで上昇し、月初から続く上値抵抗線にまで上昇しました。

NY金は、2月20日の高値(1344ドル)と6月7の高値(1347ドル)でダブルトップも意識される展開となっておりますが、本日のNY金の電子取引が先ほど1351ドルまで上昇しており、月初からのボックス圏相場に対する「保合い上放れ」が意識される展開となってきました。

クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は昨夜、月末の米中通商協議に対して、「トランプ大統領は会談への強い意欲を表明したが、会談はまだ正式には準備されていない。会談が実現しない場合には重大な結果に直面する可能性がある。」と述べております。中国側は、G20開催中に行う米中通商協議への出席を正式に回答していない状態です。更に同氏は、中国がバランスのとれた合意を目指している点について、「いわゆるバランスのとれた合意があり得ないのは、米中関係が非常にバランスを欠いているからだ。われわれは既存のアンバランスに対する是正や改善を求めている。」と述べております。こうした発言からも、今後の米中通商協議の難航が予想されます。

中国政府がこれまでの米国との合意内容7項目すべてに修正案を提示したことを受けて、5月9~10日に開催された米中通商協議が決裂しました。そして、トランプ大統領は、ファーウェイへの圧力を強め、「3000億ドル規模の中国製品に対する関税引き上げ」の検討を始めたことを公表しました。それに対して中国政府は6月4日、供給確保のための措置を概説した商務省報告書の公表し、レアアースの輸出規制案を検討していることを公表しました。それを受けてトランプ大統領は6月12日「中国の習近平国家主席がG20での会談に応じない場合、中国からの輸入品への関税率を引き上げる。中国からの輸入品3000億ドル相当に25%もしくは25%よりはるかに高い関税を賦課する可能性がある。」と述べ、中国への通商協議に向けた圧力をさらに強めました。ここにきて米中貿易戦争がヒートアップしてきただけに、今月28~29日のG20に向けてリスクオフの流れが強まる可能性は高そうです。それにより、「リスクヘッジの金投資」への注目を今後も続ける必要がありそうです。

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原油市場

6月14日

原油市場

 ブレント原油は、中東の地政学的リスクの高まりを受けて昨日15時半ごろに一時62.6ドルまで急騰しましたが、その後失速し、本日12時時点で61.2ドルです。東京ドバイ原油は、12時点で400円高です。ホルムズ海峡付近で石油タンカー2隻が魚雷攻撃を受け、それに対してポンペオ米国務長官は、「機密情報、使用された武器、こうした攻撃の実施に必要な手腕、イランによる船舶に対する類似した攻撃に加え、この海域で活動するいかなるグループもこのような高度な攻撃を実施する能力は備えていない事実を踏まえ、米政府はこのような判断を下した。」と述べ、緊張感が高まりました。それでも現在の東京ドバイ原油は小幅高です。

5月12日に発生した石油タンカー4隻に対する攻撃に加えて、サウジアラビアの石油パイプラインがフーシ派によるドローン攻撃を受け、それによりブレント原油が営業日で3ドルほど上昇しましたが、その後の12営業日で13ドルほど暴落しました。それがあるだけに、今回の石油タンカー2隻が魚雷攻撃を受けたことに加えて、サウジアラビアのアブハ空港が2度もフーシ派によるミサイル攻撃を受けたことに対して、市場の反応が限定的となっているようです。地政学的リスクが高まったとしても、それが原油供給に影響を及ぼさない程度のニュースであれば、原油市場の戻り売りのタイミングを提供するだけかもしれません。

白金市場

6月13日

白金市場

南ア白金鉱山で最大の労働組合となるAMCUは、3年間の賃金契約を南ア大手白金鉱山会社3社に対して明日提示するそうです。それを受けて白金市場の緊張が一気に高まる可能性もあります。

AMCUの6月4日の会合では、最低賃金を現在の月額1万800ランド(約7万8520円)から月額1万2500ランド(約9万880円)まで1700ランド(約1万2360円)引き上げる計画だと公表しておりました。最低賃金を月額1700ランド引き上げるということは、15.7%の賃金引き上げになります。

 オルタナティブ情報開発センターのエコノミストは、「AMCUは、白金鉱山会社の業績が好調であることを知っています。それにより、白金鉱山会社が経営悪化を訴えることは難しいでしょう。」と指摘しております。白金価格が生産コスト割れでも、パラジウムやロジウムなど白金以外の白金族金属が高騰しております。南アフリカの白金鉱山の多くでは、白金を採掘する時に白金とほぼ同量のパラジウムも採掘できます。それにより南ア大手白金鉱山の多くが好調な業績となっております。

 南アフリカの5%ほどのインフレ率を考慮し、実質的な賃上げを2~3%とするならば、7~8%程度の賃金引き上げが妥当なところだと思われます。しかし、今回の労使交渉でAMCUが最低賃金を月額1万2500ランドへと15.7%の賃上げ要請をすれば、労使交渉は平行線を続けるだけとなり、それを受けてAMCUが大規模ストライキ入りする可能性も高まります。

 キャピタル・マーケット・リミテッドのアナリストは、「白金鉱山会社が4%~5%の賃上げを与えたとすれば、私が株主であるならば非常に動揺してしまうでしょう。なぜ労働者は、多くの資本を提供している株主より平等でなければならないのでしょうか。」と述べております。

 白金以外の白金族金属の高騰を受けて労働組合は大幅賃上げを求める可能性が高まってきました。しかし、南ア大手白金鉱山会社側は、株主への配当などを考慮すれば大幅賃上げには応じることは出来ません。それを解決するには、労働組合が大規模ストライキを実施して白金価格が高騰し、その高騰した高値で南ア大手白金鉱山会社が十分なヘッジ売りを仕掛けることが出来れば「可能」かもしれません。以前にも同じようなパターンで白金価格が高騰したことで労使交渉が解決したことは何度かあります。これから多くの南ア大手白金鉱山会社で3年ぶりに労使交渉が本格化します。今回の労使交渉は難航が予想されるだけに、白金市場に対して強気な見方も一考かもしれません。

みんコモコラムアワード2015
ColumnAward 2015特別賞

「特別賞」を受賞しました

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