松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

ゴム市況「合成ゴムを下回った天然ゴム価格」

 タイのゴム農家をまとめているタイゴム協会の今月1日時点のコメントでは、ゴム研究所によると、現在の生産コストがRSS3号でキロ=64.14バーツと記載されております。しかし、現在のタイの現物価格がRSS3号で55バーツ付近まで下落しております。キロ=64.14バーツを円換算すると、209円70銭となり、ドル換算すると、2.001ドルとなります。下記のチャートは、シンガポールゴムRSS3号のチャートであり、先月よりコストラインとされる200セントラインを大きく割り込んでおります。特に注目すべきは、今年2月ごろから4回ほど200セント付近で上昇に転じており、生産コストとされる水準が意識され続けてきたことでしょう。しかし、タイ政府が政府備蓄20トンの放出を決定したことで、先月よりゴム価格がコストラインを大きく割り込んで急落したようです。

本日のタイゴム協会のホームページでは、国際ゴム公社(IRCO)の最高経営責任者からの報告として、天然ゴム価格が合成ゴム価格を下回ったことが掲載されております。合成ゴムは、石油から精製されます。ブレント原油価格が2011年ごろから100~120ドル付近での上下動を繰り返しており、比較的高値を維持し続けていることから、合成ゴム価格もその影響を受け続けております。その反面、シンガポールゴムは、2011年11月に648セントまで上昇したものの、現在は177セント付近まで下落しております。産地ゴム価格が3年前の高値の4分の1程度の水準まで下落してきたことにより、比較的高値を維持してきた合成ゴム価格を下回ったようです。

 先月より天然ゴム価格が生産コストを大幅に下回り始めたことに加え、ここに来て天然ゴム価格が合成ゴム価格を下回り始めたことから、このあたりが天然ゴム価格の下値の限界となるのかもしれません。



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金市場

 昨日夕方のロシアとウクライナとの電話による首脳会談により、「停戦合意」が伝えられると、NY金の電子取引が30分間で7ドルほど下落したものの、その3時間後には、安値から10ドルほど上昇しました。結局、NY金の電子取引は、昨日夕方の停戦合意が伝えられる直前の水準より上昇しております。素直に考えれば、「停戦合意=地政学的リスクの低下=金相場の下落」と考えられるものの、金相場を取り巻く複雑な環境が、金相場を難しくしているようです。一方、オバマ米大統領は昨日、バルト3国防衛に対してNATOの支援を確約し、ロシアの侵略姿勢に対する結束を呼びかけていることから、ロシアとNATOとの対立の構図に金相場が少し反応したのかもしれません。

 昨日夕方に停戦合意が伝えられると、NY金が瞬間的に下落する場面もありましたが、「停戦合意によるユーロ買い」が進み、対ユーロでのドル安が、ドルの代替銘柄としての金買いにつながったのかもしれません。しかし、ユーロドルも昨日夕方に一時的な上昇を見せたものの、現在は、昨日昼ごろより安い水準まで下落しております。このことから、「停戦合意=ユーロ買い」という素直な反応ではないようです。4日にECB理事会、5日に米雇用統計が控えていることから、ユーロやドルに対する不透明感も高まっているように思われます。

先月26日のジャクソンホールでのイエレンFRB議長演説により、米国の早期利上げ懸念が浮上し、ドル買いが加速しました。それと同時に同ジャクソンホールでのドラギECB総裁演説により、ユーロ圏の追加緩和策観測が浮上してユーロ売りを加速させました。そうした先月下旬ごろからの背景を考えれば、本日のECB理事会での追加緩和策に対する姿勢、明日の米雇用統計で市場予想通りに雇用改善となるのかなどへの注目が高まっているようです。そうしたことから、ECB理事会や米雇用統計により、ユーロとドルの値動きが急変する可能性もあるだけに、「ドルの代替銘柄としての金投資」という側面から、金相場の動向がこの2日間で急変する可能性もあります。それに加えて、今日と明日のNATO首脳会談で、ウクライナ情勢に対してどのような決断を下すかも、金相場に影響を及ぼす可能性があります。このように週末にかけてビッグイベントが目白押しとなっており、金相場を取り巻く環境をより複雑にしているようです。

原油市場「ウクライナ停戦合意に反応」

 ウクライナ首相とロシア大統領による電話会談が昨日行われ、昨日15時ごろに長期的停戦に合意したことが伝わると、NY原油とブレント原油の電子取引が上昇を開始し、今朝3時ごろまで上昇を続けました。「停戦合意」となれば、素直に考えれば地政学的リスクの低下により、原油市場へのマイナス要因と思われるかも知れません。しかし、ウクライナ問題が解決に向かうと、ユーロ圏経済の活性化につながり、ユーロ圏でのエネルギー消費拡大につながると見る向きが多いようです。

NY原油は、6月23日に107ドル付近まで上昇しましたが、8月21日に92ドル付近まで下落しており、2ヶ月間で15ドルほどの今年最大のダウントレンドを形成しました。米国の良好な経済指標や四半期決算を背景に米国株が最高値を更新するほどの状況に反して、米国景気に敏感なはずのNY原油市場が下落を続けたことに違和感を抱いた方も多いのではないでしょうか。また、ウクライナ情勢が緊張を高める中で、6月下旬から原油市場が今年一番のダウントレンドを形成したことに違和感を抱いた方も多いのではないでしょうか。これまでの原油市場の重石は、米国や大西洋周辺国の高水準な原油在庫に加え、ウクライナ情勢の緊張によるユーロ圏経済への圧迫でした。6月下旬から8月下旬にかけてウクライナ情勢が緊張を高め続けたものの、その間に原油市場が15ドルも下落していることから、「停戦合意=ユーロ圏のエネルギー消費の拡大」と受け止める方が適切かもしれません。

昨日のウクライナとロシアとの「停戦合意」への疑惑的な見方も多く、本日から2日間の日程で行われる北大西洋条約機構(NATO)首脳会談の行方が注目されております。オバマ大統領をはじめ28カ国の首脳が集まり、ウクライナ問題が話し合われることになりますが、NATO軍がウクライナへの関与を強めることとなれば、再びウクライナ情勢の緊張が高まることも予想されます。さりとて、これまでもロシア側が、ウクライナ情勢に関する合意案に反する行動が指摘されてきたことから、NATOがそのあたりをどのように捉えるかが注目されるところでしょうか。そうした意味でも、ロシアの今後の行動や、NATOのウクライナに対する体制などを見極めながら原油市場を分析する必要があるのかもしれません。

海外市況「ウクライナ情勢」

 NYダウは10ドル安の1万7078ドル。ウクライナ首相とプーチン大統領による電話会談が昨日行われ、ウクライナ東部での停戦に向けた措置で合意したことが伝えられると、ユーロ圏株やロシア株、NYダウの電子取引などが上昇し、ユーロドルも上昇しました。昨日15時ごろから「ウクライナの停戦合意」にマーケットが広範囲に反応したものの、ユーロドルは昨日18時ごろに高値をつけ、現在は昨日の昼ごろの水準まで下落しております。ユーロ圏株価指数(ストック50)も昨日15時から17時にかけて上昇したものの、その後はやや軟調な展開となりました。

昨日のウクライナとロシアとの電話による首脳会談後、ウクライナ政府から「ウクライナ東部での紛争解決に向け、長期的停戦に合意した」と発表されたものの、プーチン大統領からは、「週内にもウクライナ東部での紛争解決に向けた合意に到達する可能性がある」と述べると共に、ウクライナ政府から発表された長期的停戦に合意したことについて否定する発言をしております。マーケットは、「停戦合意」に反応したものの、その後の両国の会見内容の違いに警戒するような値動きとなったようです。

ウクライナの首相は先日、「ロシアがこれまでの合意をすべて無視、あるいは大胆にも違反した」と、プーチン大統領を非難する発言をしておりました。以前、ロシア軍がウクライナとの国境近くに集結した際に、ウクライナ国境近くからロシア軍を撤退させることでプーチン大統領が合意したものの、その後もロシア軍が国境近くに居座り続けました。今週4~5日にオバマ大統領をはじめ28カ国の首脳が集まり、NATO首脳会談が行われます。その会談に向けてNATO高官からは、「新設する部隊は、NATOの1旅団(3000~5000人)程度の規模になり、ロシアの動きをにらみながら2日間で展開可能な体制が構築出来る体勢を目指す」と述べており、NATO軍のウクライナ関与が決定する可能性が高まっているようです。ロシア側は、そうしたNATO首脳会談を警戒して、急遽、ウクライナとの電話会談行ったのではという疑惑的な見方もあるようです。欧州訪問中のオバマ米大統領は昨日、バルト3国防衛に対してNATOの支援を確約し、ロシアの侵略姿勢に対する結束を呼びかけております。昨日のロシアとウクライナとの停戦合意への疑惑的な見方もあるだけに、本日から2日間の日程で行われるNATO首脳会談の行方が注目されるところでしょうか。

ゴム市場分析

 世界の天然ゴム市場では、圧倒的な市場規模の大きさから、中国市場が特に注目されております。世界の天然ゴムの輸入割合は、中国32%、米国10%、ユーロ圏9%、日本7%となります。以前は、東京ゴムが世界のゴム市場の中核的市場とされておりました。しかし、国内タイヤメーカーの多くが中国などに生産拠点を移す動きが続き、日本の天然ゴム輸入量が減少。次第に中国市場への注目が高まることになりました。1日あたりの出来高を比べると、1万枚を割り込むことも多くなった東京ゴムに対し、80万枚を上回ることもある上海ゴムです。また、上海ゴムは、上海期貨交易所の花形銘柄でもあり、同取引所の大半が非鉄金属銘柄となることから、同じ工業原材料銘柄として上海ゴムが上海非鉄金属銘柄の値動きに左右されることも多いようです。

 12:30時点で東京ゴムが0.6円安、東京ガソリンが520円安、東京金が35円安となり、他の工業品銘柄に対して東京ゴムの下げ幅の小ささがやや目立ちます。昨夜の米国市場でNY原油やNY金が大幅下落となったものの、それでも昨日の上海非鉄金属銘柄の夜間取引が全面高となりました。また、上海総合株価指数が7月下旬ごろから年初来高値付近で高止まりを続けていたものの、先週末より4連騰となりました。今週1日に中国の国家統計局とHSBCから発表された8月の製造業購買担当者数(PMI)が共に前月値や市場予想平均を下回ったにもかかわらず、中国株や上海非鉄金属銘柄全体が連騰となりました。中国の予想を下回る経済指標により、政府による追加緩和策期待が高まったことが、中国株や上海非鉄金属銘柄を押し上げた模様。一方、本日発表されたHSBCサービス業購買担当者指数(PMI)8月は、前月の50ポイントから54.1ポイントまで上昇。また、8月のHSBC中国総合PMIも、前月の51.6ポイントから52.8ポイントにまで上昇。1日に発表された製造業指数の低下とは対照的な結果となり、生産主導の経済成長モデルから移行しつつある状況が示唆されたと受け止められているようです。中国株や上海非鉄金属銘柄が1日発表の低調な経済指標でも上昇し、本日発表の良好な経済指標でも上昇していることから、地合いの強さを感じさせるような値動きを示しております。そうした中国の株式市場や非鉄金属市場の変化から、上海ゴムを取り巻くマーケットの変化に注目することも一考ではないでしょうか。

金市場「上昇の可能性」

 東京金が10:10時点で前日比40円安となり、円安に進んだものの、NY金の大幅安の影響を受けました。東京金は、6月下旬ごろから4300円付近を中心とした上下動を繰り返しております。しかしNY金は、6月下旬ごろから50ドルほど下落しております。ドル円がこの2ヶ月間で4円ほど円安に進んだことで、東京金とNY金との値動きの違いの原因となっております。NY金は、昨夜の急落により先月21日の安値を割り込んだことから、6月上旬の1240ドル付近の安値が意識されるところかもしれません。しかし、短期的な下値警戒感や、明日のECB理事会によるユーロドルの反応なども気になるところではないでしょうか。

NY金の電子取引は、昨日23時ごろに1263ドル付近まで下落し、その後は1264~1268ドル付近での小動きを続けております。NY金は、7月10日に1346ドル付近まで上昇したものの、その後は、上下動を繰り返しながら徐々に水準を切り下げております。そして、昨夜の大幅安により、この2ヶ月間での右肩下がりとなる下値抵抗線が気になる水準まで下落してきたことから、短期的な下値警戒感を意識する方が得策かもしれません。

 明日のECB理事会次第では、ユーロドルが上昇に転じることでドルの代替銘柄としての金相場が上昇に転じる可能性もありそうです。ドルインデックスの構成割合を見ると、ユーロ57.6%、 円13.6% 、英ポンド11.9% 、カナダドル9.1% 、スウェーデンクローネ4.2% 、スイスフラン3.6%となり、ユーロの割合が大きく、円の割合が小さいことから、金相場では、主に「ユーロに対してのドル」に注目する必要があります。ユーロドルが5月上旬の高値となる1ユーロ=1.4ドル付近から4ヶ月かけて1.31ドル付近まで下落し、1年半ぶりの大きなダウントレンドを形成しております。特に先月18日ごろから下げ足が早まったものの、今週になり1ユーロ=1.31ドル付近で小動きを続けており、下げ渋りの様相を呈してきたのかもしれません。

先月26日のジャクソンホールでのイエレンFRB議長演説により、米国の早期利上げ懸念が浮上し、ドル買いが加速しました。それと同時に同ジャクソンホールでのドラギECB総裁演説により、ユーロ圏の追加緩和策観測が浮上してユーロ売りを加速させました。しかし明日のECB理事会では、追加緩和策観測が沈静化する事になるのかもしれません。ロイター通信から先週、「8月29日発表の8月のインフレ率によってユーロ圏がデフレに向かって進んでいることが示されない限り、ECBは来週の政策委員会で新たな措置を打ち出す公算は小さい」と報じられております。先週29日に発表されたユーロ圏の消費者物価指数(8月)は、前月の0.4%に対して0.3%となり、市場予想通りの発表となりました。この発表を見る限り、インフレ率が前月よりわずかに低下しただけですから、ECBが明日の理事会で新たな措置を打ち出す公算が小さいと考えるべきかもしれません。また、穀物価格や原油価格などがここにきて下げ止まりの様相を呈してきたことも、消費者物価が更に低下するという懸念を和らげているように思われます。ユーロドルは、5月上旬からほぼ一本調子に下落を続けており、1年半ぶりの大きなダウントレンドを形成しているだけに、明日のECB理事会で新たな措置を打ち出さずに追加緩和策観測が後退することとなれば、ユーロドルが上昇に転じる可能性もあります。そうなると、対ユーロでのドル安によりNY金が上昇基調に転じる可能性が高まります。NY金の短期的な下値警戒感も高まっているだけに、明日のECB理事会を睨んで金相場に注目することも一考ではないでしょうか。




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