松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

原油市場パート2

 イランと欧州6カ国との核協議は、当初は3月31日が合意期限とされていたものの、期限を1日延長しても合意できず、とうとう期限を2日延長することとなりました。ドイツ外相は今朝、協議が物別れになる可能性を示唆する発言をしました。また、フランス外相は今朝、「ゴールまで僅かな距離にある。しかし、最後の部分が最も困難だ。」と述べております。当初は、米国が合意に向けて前向きな姿勢を見せていたものの、ここに来て米国の姿勢が少し変化してきたようです。ホワイトハウスの報道官は、「合意が実現しなかった場合の外交上の方策として、経済制裁の強化や、軍事行動、6月30日に設定されている最終合意期限の延長などが考えられる」と述べており、オバマ大統領は協議が行き詰まり状態を打開できないならば、交渉を打ち切る意向を示しているということも伝わっております。ここにきて米国が協議決裂後の対策を模索し始めたようにも感じられます。共和党のマケイン上院議員とグラハム上院議員の共同声明では、「イランが何十年にもわたり持ち続けている暴力と恐怖による地域支配の野望を、核に関する交渉によって諦めさせられるというのは妄想にすぎない」と指摘しております。イランとの核協議が合意されれば、同国からの石油輸出が増加するとの思惑が最近の原油市場を圧迫していただけに、協議決裂による原油上昇に注目するところに来ているのかもしれません。


ブレント原油の週足
ブレント原油の週足

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ゴム市場

 本日の東京ゴムは、原油高や上海ゴム高を背景に上昇。非鉄金属銘柄を中心とした上海期貨交易所銘柄が全面高となり、上海総合株価指数が年初来高値まであと0.12ポイントにまで迫っており、本日の中国市場全体が堅調に推移しております。上海ゴムも1%高付近まで上昇しております。

 中国人民銀行と住宅・銀行規制当局は今週30日の共同声明で、2軒目の住宅を購入する場合の最低頭金比率を従来の60%から40%に引き下げることを発表しました。また、不動産保有者が住宅を売却する場合、2年以上保有してからの売却に対して取引税が非課税となり、従来の5年以上から修正されました。更に、初回住宅購入者が積立基金から融資を受ける場合の最低頭金比率が従来の30%から20%に引き下げられました。その後、翌31日に中国当局は、長く待ち望まれていた預金保険制度を5月1日に導入する方針を発表しました。また、預金保険制度を設立し50万元(約980万円)までの預金を保護する考えを明らかにしました。

中国人民銀行が昨年末より2回にわたる利下げを実施し、中国政府が全人代後に新たな政策を発表しました。そして今週になり住宅取引規制の緩和や預金保険制度の導入など、中国政府や中国人民銀行による経済対策が連続して打ち出されました。こうしたことを背景に中国株の上昇が続いており、非鉄金属銘柄なども上昇基調に転じ始めております。そして昨日発表された中国のHSBC製造業PMI(3月)が大方の予想に反して改善となり、景気分岐点とされる50ポイントを上回りました。中国の天然ゴム輸入は、世界全体の約34%に達することから、中国経済の改善が今後の天然ゴム市場を堅調にすると見るべきかもしれません。また、天然ゴムの主生産地が減産期入りとなったことから、今後の産地現物価格も堅調に推移する可能性があります。


東京ゴムの日足
東京ゴムの日足

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原油市場

 昨夜の原油市場は、中東の地政学的リスクの上昇やイランとの核協議の難航、米国シェールオイルの生産減少などを背景に上昇しました。イエメンのイスラム教シーア派系武装組織の「フーシ派」は、バブルマンデブ海峡の近くにあるバブルマンデブ軍事基地を制圧し、基地周辺に対空砲を配備し始めました。スエズ運河を航行する石油タンカーは、バブルマンデブ海峡を通過することになり、重要な原油輸送ルートの緊張が高まっているようです。また、イランと欧州6カ国との核協議は、当初は3月31日が合意期限とされていたものの、期限を1日延長しても合意できず、とうとう期限を2日延長することとなりました。

 昨夜発表されたEIA週間石油在庫統計は、原油480万バレル増、ガソリン430万バレル減、ディスティレート130万バレル増でした。原油在庫が市場予想平均を60万バレル上回ったものの、ガソリン在庫が市場予想平均を340万バレル下回りました。年明けから全米原油在庫が増加傾向を続けているのですが、全米ガソリン在庫が2月13日から減少を続けております。しかも製油所稼働率が4週間連続で上昇しているものの、それでもガソリン在庫の減少傾向が止まらないことから、春のドライブシーズンを前にガソリン在庫の減少傾向が懸念され始めました。また、米国のシェールオイル生産がようやく減少基調に転じたことも、昨夜の原油市場の上昇要因となりました。


全米原油在庫
全米原油在庫

全米ガソリン在庫
ガソリン在庫

金市場

 昨夜のNY金は、弱い米国経済指標の発表を背景に上昇。ADP雇用統計(3月)は、市場予想平均の22.2万人増に対して18.9万人増となり、前月の21.2万人増から低下しました。また、米ISM製造業景気指数(3月)も市場予想平均の52.5ポイントに対して51.5ポイントとなり、前月の52.9ポイントから低下しました。

米国に記録的な寒波が1月と2月に到来したものの、それでも2月の米雇用統計が大幅な改善発表となったことから、今週末発表予定の米雇用統計発表では、季節的な調整が行われる可能性が高まりそうです。そして、米ISM製造業景気指数が5ヶ月連続で低下し、景気分岐点とされる50ポイントにまであと1.5ポイントに迫ったことから、今月中旬~下旬に発表が集中する米国企業の2015年第1四半期(1~3月期)決算が悪化する可能性も高まっております。米国企業決算が悪化することとなれば、ドル売りが進み、ドルの代替銘柄としての金買いが注目される可能性もあります。また、米国経済成長の鈍化により米国株が下落基調となり、リスクヘッジの金買いも注目される可能性があります。

米ISM製造業景気指数は、昨年8月に88.1ポイントまで上昇したものの、昨年11月から5ヶ月連続して低下を続けており、1ヶ月平均で1.28ポイントの低下ペースとなっております。このままのペースで低下を続ければあと1ヶ月強で景気分岐点とされる50ポイントを下回り、「米国の景気後退入り」が叫ばれることになります。同景気指数が低下を続けている要因は、「9ヶ月間も続いた強力なドル高基調」のようです。「強力な円高基調が9ヶ月間も続けば、日本企業の業績はどうなるのか?」ということを考えれば、今の米国経済の状況が理解できるのではないでしょうか。一方、ドル高の影響を受けて強力なユーロ安が9ヶ月も続きました。その結果、ユーロ圏総合株価指数(ユーロストック50)が昨年9月頃の1940ポイント付近から3650ポイント付近まで90%ほどの大幅上昇を記録しました。また、ドイツ総合株価指数(ドイツ50)も昨年9月の5000ポイント付近から12000ポイント付近まで2.4倍にまで大暴騰しました。強力なユーロ安が9ヶ月間も続いたのですから、ユーロ圏株価指数の大暴騰も頷けるのではないでしょうか。特に7ヶ月間で2.4倍にまで大暴騰したドイツ総合株価指数は、「バブルの可能性がある」と指摘され始めております。バブル化が懸念され始めたユーロ圏株価を沈静化させ、景気後退入りも意識され始めた米国経済成長を回復させるためには、ドル安とユーロ高がしばらく続く必要がありそうです。そしてドル安がしばらく続くこととなれば、金相場が上昇を続ける可能性もあります。

今月8日のアルコア決算発表を皮切りにS&P500採用企業の決算発表シーズンを迎えます。アルコアは、世界最大のアルミ精製会社であり、アルミ価格の大幅下落により業績の悪化が予想されております。エネルギー関連企業なども、原油価格の暴落を受けてかなり悪化する業績発表が予想されます。そして9ヶ月間も続いた強力なドル高基調がどれほど米国企業の業績を圧迫したかに注目が集まりそうです。米国企業の四半期決算は、2009年頃から良好な回復基調を続けてきたものの、米ISM製造業景気指数が景気分基点とされる50ポイントまであと1.5ポイントにまで迫っていることから、これからは「リスク回避の金買い」がしばらく注目を集めることになるのではないでしょうか。


米ISM製造業指数
ISM製造業指数


ユーロドルの週足
ユーロドルの週足

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白金市場パート2「白金急落の原因」

 NY金が1月21日に1303ドル付近まで上昇しましたが、その後、2ヶ月間で150ドルほど急落したことを受けて、NY白金も2ヶ月間で200ドルほどの急落となりました。これまで複数の専門機関から「2015年の世界の白金需要が供給不足に転じる」との見通しが発表されているだけに、NY金よりNY白金の下げ幅が大きくなった理由は、「NY金の強気派ファンドがNY白金に対してヘッジ売りを進めた」ということ以外に考えられるでしょうか。

 NY金におけるファンドなど大口投資家による買いこし枚数は、1月に19万枚近くにまで膨れ上がり、過去1年間で最高の買いこし枚数を記録しました。しかし、その2ヵ月後に買いこし枚数が5万枚付近まで減少し、過去1年間で最低の買いこし枚数付近まで激減しました。しかもその期間がたった2ヶ月間ですから、かなり壮絶なファンドの手仕舞い売りが続いたことになります。そのことは、添付しているグラフにも示されております。そうしたファンドの壮絶な手仕舞い売りが続いたことから、NY金の買い方ファンドが苦し紛れにNY白金に対してヘッジ売りを進めた事も容易に想像できるのではないでしょうか。総取組高は、NY金が約43万枚、NY白金が約7万枚となります。NY金の買い方ファンドの一部がNY白金にヘッジ売りを仕掛けると、市場規模の違いからNY白金の下げ幅が大きくなったとも考えられます。NY金が1月から3月にかけて急落を続けたのですから、NY金の買い方ファンドとしては、NY金の手仕舞い売りを進めるのか、同じ貴金属銘柄であるNY白金にヘッジ売りを仕掛けるしか選択肢がなかったのではないでしょうか。

NY金における大口投資家の買いこし枚数が、1月27日終了週の18万8925枚から3月17日終了週の5万3093枚まで大幅な減少となりました。しかし、3月24日終了週が小幅増加に転じたことから、ファンドの手仕舞い売りが一巡した可能性もあります。そして、オバマ大統領は31日、今後10年間の温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みの詳細を国連に提出しました。その内容は、「発電所の排出規制と自動車の燃費規制を通して削減目標の大部分の達成を目指す。発電所の二酸化炭素(CO2)排出量削減を義務付ける新規制は今夏までに成立する見込みで、2030年の同業界の排出量は05年比で30%減少する。」という内容でした。また米政府は、中大型車を対象とする新燃費規制を来年3月までに導入する計画や、建物などの省エネ化を進める方針も打ち出しました。

NY金のファンドの手仕舞い売りが一巡した可能性もあり、3月26日からのサウジを中心とする湾岸諸国によるイエメンへの軍事介入にNY金が反応して上昇に転じております。そして、米国での触媒規制の強化が示されたことにより、白金の触媒需要が増加する可能性も高まってきました。このような状況となれば、これまでNY白金へのヘッジ売りを進めていたファンドは、手仕舞いの買戻しを強いられると考えるべきかもしれません。そうした観点からこれからの白金市場に対して強気な見方も一考ではないでしょうか。


NY金の建玉明細
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NY白金の建玉明細
白金CFTC明細

原油市場パート2「バブルマンデブ海峡の緊張高まる」

 イエメンのイスラム教シーア派系武装組織の「フーシ派」は3月31日、バブルマンデブ海峡の近くにあるバブルマンデブ軍事基地を制圧したことが伝えられております。そしてフーシ派は、基地周辺に対空砲を配備し始めたようです。スエズ運河を航行する石油タンカーは、バブルマンデブ海峡を通過することになり、重要な原油輸送ルートとされております。中東の地中海方面からアジア方面に石油を輸送する場合、バブルマンデブ海峡の航行が出来なくなると、アフリカ大陸を回る航路となり、1万キロほど余分に航行することになります。フーシ派がバブルマンデブ軍事基地を制圧して、基地周辺に対空砲を配備し始めたことから、原油市場に対する地政学的リスクが高まりそうです。

 サウジアラビア政府軍とフーシ派は31日、両国国境地帯の複数の地域で激しい砲撃戦を繰り広げているようです。3月26日からサウジアラビアを中心とした空爆が続いております。イエメン外相は、サウジアラビアなどアラブ諸国に一刻も早い地上部隊の投入を求めております。既にフーシ派がイエメンの大部分を占拠していることから、アラブ諸国による空爆だけではフーシ派打倒は難しいのかもしれません。サウジアラビアとしては、同国の北に隣接するイラクのイスラム国勢力の打倒も急務であり、同国の南に隣接するイエメンのフーシ派打倒も急務といったところでしょうか。有志連合によるイラクのティクリート奪還作戦が成功したと伝えられており、次はイスラム国の本拠地とされるイラクのモスルを奪還する動きとなりそうです。中東の地政学的リスクが高まっており、特に重要な原油輸送ルートであるバブルマンデブ海峡が緊迫してきたことに、今後の原油市場が反応すると考えるべきかもしれません。


ブレント原油の日足
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