松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

円相場「黒田日銀総裁による2発目のバズーカ砲の効力」

 今朝発表された日銀金融決定会合の議事要旨(10月6~7日開催分)では、複数の委員が、消費低迷が物価の下押し要因となっている可能性を指摘していたことが示されております。それにより日本への緩和政策の長期的な必要性が高まり、それに円相場が反応した模様。ドル円は、この1時間で30銭ほど円安に進み、昨日高値を更新し、1ドル=115円付近まで上昇しました。

先週31日朝に発表された9月の全国消費者物価指数(生鮮食料品を除く)が前年同月比3.0%となり、前月から低下しました。消費税引き上げ分の2%を差し引くと、実質的な物価指数が1%となることから、物価指数の低下を重く見た日銀がその発表の数時間後に追加緩和策決定を発表したとの見方もあります。今朝の日銀議事要旨で示されたように、日本の消費低迷が続くことで、緩和政策が長期化する可能性もあることから、今後も円売り圧力が続くと考えるべきかもしれません。相場格言では、「政策に売りなし」という格言もあり、新たな政策の発表で相場が動き出したときには、その動きに逆らわないほうがいいのかもしれません。

日銀は先月31日、長期国債の購入規模を年30兆円増額し、計80兆円とすることを発表しました。日銀が先週31日に追加緩和策決定を発表したことで、「黒田日銀総裁による2発目のバズーカ砲」と称するアナリストが多く見かけられました。では、「1発目のバズーカ砲」の時にドル円がどのような値動きをしたかを思い出す必要があるのかもしれません。

2012年12月26日に第2次安倍内閣が誕生しました。また、白川前日銀総裁が任期途中で退任し、黒田新日銀総裁が選出されました。そして、2013年に安倍政権からアベノミクスと称される政策が発表されました。その時に日銀は、2%の物価目標を2年程度で実現するために、日銀が供給するマネタリーベース(資金供給量)を2年間で2倍にするなど大胆な金融緩和策を発表しました。それが「黒田日銀総裁による1発目のバズーカ砲」と称されております。それを受けてドル円が1ドル=78円付近から半年間で104円付近まで上昇しました。

今回の「黒田日銀総裁による2発目のバズーカ砲」によりドル円が1ドル=109円付近から6円ほど上昇しました。「黒田日銀総裁による1発目のバズーカ砲」と称されているときにドル円があまりにも大きく上昇しただけに、ここは「政策に売りなし」という相場格言どおりに、「黒田日銀総裁による2発目のバズーカ砲」により動き出した円相場の値動きに逆らわないほうが得策かもしれません。



ドル円の週足
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原油市場

 米銀大手のバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は、先月23日のレポートで、WTI原油が短期的に75ドルまで下落する可能性があるとの見通しを発表しました。そして、大手投資銀行のゴールドマン・サックス・グループ も先月27日のレポートで、WTI原油の価格見通しを、従来の90ドルから75ドルへと引き下げました。NY原油の電子取引は、先月23日時点では82ドル付近で推移していたが、今月になって下げ足を早め、今週4日19時ごろに75.9ドル付近まで下落しました。しかし、翌5日の米国市場で上昇に転じ、現在は78.8ドル付近で推移しております。先月下旬にバンカメやゴールドマンがそろってWTI原油が75ドルまで下落するという見通しを発表し、その後のWTI原油が下げ足を早めることとなったものの、4日に75ドル台にまで下落したことで、バンカメやゴールドマンの価格見通しに対する達成感が広がった可能性もあります。

 バンカメやゴールドマンがそろって75ドルの価格見通しを発表した理由は、シェールオイルの生産コストが75ドルとなっているからかもしれません。最大手コンサルタントのウッド・マッケンジー社は、米国のシェールオイル埋蔵量の7割以上が、1バレル=75ドルで利益が出るとの分析を発表しております。米国のシェールオイル生産は、2007年の日量約30万バレルから、現時点で日量約350万バレルにまで増加し、シェールオイル生産が米国石油生産全体の4割ほどを占めるほどにまで至っております。NY原油の2011年以降の安値が75ドル付近である理由は、米国石油生産の4割をシェールオイル生産が担っていることから、シェールオイル生産コストが下値抵抗となり続けていると考えるべきかもしれません。NY原油がこの4ヶ月間で32ドルほど下落し、3年ぶりの安値にまで下落しました。そして、バンカメやゴールドマンの価格見通しの水準まで下落すると共にシェールオイル生産コストとされる水準まで下落した事から、ここは東京ガソリンに対して強気な見方も一向かもしれません。


NY原油の週足
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とうもろこし市場「-7℃に警戒」

 シカゴコーンは、10月1日に3ドル18セントの安値を付け、その翌日からじり高基調を続け、10月30日に一時3ドル80セント付近まで上昇しました。その後は下落に転じ、昨日18時ごろに3ドル59セント付近まで下落。そして昨夜のシカゴ市場取引時間で急伸し、現在は3ドル70セント付近で推移しております。

 米国とうもろこしの収穫作業は、10月27日時点で収穫進展46%となり、過去5年平均の65%を大きく下回りました。しかし、11月2日時点で収穫進展が65%にまで大きく進んだが、前年同期の71%を下回っている状態です。今年の米国とうもろこし生産は、過去最大級の作付け面積と好天に恵まれ、過去最大級の収穫高が予想されております。それにより2011年から2013年にかけて6~8ドル付近の高値で推移していたシカゴコーンは、今では3ドル台にまで急落しました。しかし、今年の収穫作業の遅れが目立っており、ここに来て低温警戒が高まりそうです。

 ウエザーサービスによるシカゴの週間予想では、最低気温が6日1℃、7日-1℃、8日-3℃、9日-3℃、10日0℃、11日-7℃、12日-6度となっております。霜の発生条件は、「5℃以下、晴天、無風」ですが、特に冷え込みが厳しい予報である11日と12日が晴れの予報となっており、早霜警戒が高まりそうです。例年に比べて収穫作業が遅れているだけに、ここで最低気温が-7℃にまで下がれば、早霜被害を受ける可能性が高まります。


シカゴコーンの日足
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東京とうもろこしの日足
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上海ゴム市場「非鉄金属銘柄の急落に上海ゴムが反応」

 上海ゴムの1月限(取引中心限月)が15時過ぎにストップ安(5%安)にまで下落し、その後もストップ安が続きました。本日の上海ゴムは、10限月中6限月がストップ安で取引を終えました。

本日の上海ゴムが急落した要因は、上海期貨交易所銘柄全体が急落した影響を受けた模様。上海非鉄金属銘柄の中心的銘柄でもある上海銅や上海亜鉛が2~3%ほどの大幅下落となりました。また、上海鉛や上海アルミも1.5~1.8%ほど下落した事から上海非鉄金属銘柄が全面安となり、上海ゴムの下げ足が早まったようです。

昨夜のNY市場やロンドンLME市場の非鉄金属銘柄が全面安となったことを受けて、本日の上海非鉄金属銘柄も全面安となりました。昨夜のNY銅が2ヶ月ぶりの大幅下落となりました。また、昨夜のロンドンLMEの銅相場(3カ月物)が1.1%安となり、ニッケルが3%安となり2ヶ月ぶりの下げ幅を記録し、アルミ、鉛、亜鉛、スズも下落し、ロンドンLMEの非鉄金属銘柄が全面安となりました。

欧州委員会がユーロ圏成長率見通しを下方修正したことで、ユーロ圏の工業用金属の需要見通しが悪化したことにより、昨夜の米国市場やロンドン市場の非鉄金属銘柄が下落し、その流れが本日の上海非鉄金属銘柄の急落を誘ったようです。上海期貨交易所銘柄の大半が非鉄金属銘柄であるだけに、上海非鉄金属銘柄の全面安が上海ゴムの急落を誘ったようです。

昨夜の米国市場やロンドンLME市場での非鉄金属銘柄の全面安が本日の上海ゴムの急落を誘ったことを考えると、天然ゴム産地の情勢を無視するかのような本日の上海ゴムの急落に対し、反動高に警戒する必要があるのかもしれません。上海期貨交易所銘柄の中で上海ゴムが最も値動きが大きく投機的な値動きをする傾向もあることから、上海非鉄金属銘柄の全面安に過敏に反応してしまったのではないでしょうか。

円相場 

 ドル円は、10月15日に1ドル=105円付近まで下落したが、その後はじり高基調を続け、31日10時時点で109円40銭付近まで上昇しておりました。しかし、日銀が31日に大方の予想に反して追加緩和策決定を発表したことを受けて同日昼ごろからドル円が急騰し、3日に一時114円21銭にまで上昇しました。日銀は、長期国債の購入規模を年30兆円増額し、計80兆円としました。米国の利上げ時期が注目を集める一方、日本が追加緩和策を決定したことで、ドル円の上昇が加速しました。

日銀の追加緩和策決定の発表を受けてドル円が31日から4日にかけて5円近くも急騰し、テクニカル的に急騰に対する過熱感が感じられるところかもしれません。CFTC発表によるIMM日本円のファンドなど大口投資家のポジションは、10月28日時点で売りこし枚数が4週連続で減少し、過去2年間での最低売りこし枚数付近まで減少したことから、28日時点での円売り圧力がかなり低下していたことが伺えます。しかし、大口投資家による売りこし枚数が大幅に増加したことが予想されます。ただ、28日時点で大口投資家による売りこし枚数が6万7399枚まで減少していたことから、この1週間で売りこし枚数が大きく増加していたとしても、9月末時点の12万枚付近や昨年末の14万枚付近の売りこし枚数まで増加したとは考えにくく、まだファンドによる円売り圧力の過熱感はそれほど高まっていないのかもしれません。

大方の予想に反して日銀が追加緩和策決定を発表したことでドル円が思わぬ大幅上昇となりました。しかし、日銀が追加緩和策決定を発表した数時間前に発表された日本の消費者物価指数(CPI)が予想外に低下していたことが日銀を動かしたという意見もあります。先週31日8:30に発表された全国消費者物価指数(9月)が前年同月比3.2%となり、市場予想平均や前月発表値の3.3%を下回りました。ここで問題は、消費税率引き上げによる押し上げ分の2%を差し引くと、実質的な数値が1.0%となってしまうことです。黒田日銀総裁が同指数に対して「1%は下回らない」と発言していただけに、同指数の実質数値が1%にまで低下したことで、日銀が追加緩和策決定に動く必要性が高まったとの意見もあります。同指数の実質数値が3ヶ月連続で低下していただけに、ここで同指数の実質数値の低下を食い止めなければ、日銀への不信感が高まることも考えられることから、日銀は動くべきタイミングで追加緩和策決定に踏み切ったとの意見もあります。相場格言では、「政策に売りなし」という相場格言もあることから、ここは、円安の流れに逆らわないことがいいのではないでしょうか。


IMM日本円の大口投資家の買いこし枚数
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ドル円の60分足
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後場市況1「天然ゴム産地で3カ国協議による協調介入の可能性」

 NYダウの電子取引は、今朝から50ドルほど上昇。ドル円は、今朝から1ドル=113円60銭前後での小動きを続けており、昨夜の米国市場での流れを引き継いでいる模様。ブレント原油やNY原油の電子取引も今朝から小動きです。NY金の電子取引がこの2時間で5ドルほど下落しました。12:45時点で東京金2円安、東京白金17円安、東京ガソリン800円安、東京ゴム5.2円安、東京とうもろこし220円安付近で推移。上海ゴムの取引中心限月である1月限が570元安(4.4%安)にまで大きく下落して前場の取引を終えたことにより、東京ゴムも大きく下落したようです。

 週明けより上海ゴムが3日続落となり、東京ゴムが先週30日の高値から10円ほどの下落となりました。しかし、今月に産地で3カ国協議が予定されていることに注意が必要かもしれません。今月20~21日にタイ、インドネシア、マレーシアによる3カ国協議が予定されていることがタイ農業相から伝えられております。またタイ農業相から、「3カ国協議では、協調介入について、詳細な部分の詰めの協議を行う見通し」とも伝えられております。もし3カ国協議により協調介入が行われることとなれば、天然ゴム価格の大幅上昇の可能性が高まります。世界生産の7割を占める主要生産国である3カ国が集い、今後の天然ゴム市場に対する対応が話し合われます。現在の産地現物価格が生産コストとされる水準を大きく割り込んでいることから、ここで天然ゴム価格が再び下落するようでは、3カ国協議でそれ相応の対策が講じられる可能性が高まります。。。。。。。。。。この続きはメール会員限定です。

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東京ゴムの30分足
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