松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

原油市場パート2「米製油所ストの拡大の影響は軽微」

 全米鉄鋼労組(USW)は1日、石油精製会社との新労働協約について交渉が妥結しなかったことを受けて、米国内の製油所9箇所と化学工場でストに突入しました。その新協約とは、今後3年間の賃金や労働環境、人員についての業界基準であり、全米230カ所の製油所、原油ターミナル、パイプライン、石油化学工場で働く労働者3万人などが対象とされております。

 全米鉄鋼労組によるストは、先週末時点で更に2つの製油所にまで拡大し、現在ストに参加しているのが11の製油所関連施設で5000人以上に達しております。全米鉄鋼労組の代表は、「最も中心的な問題の解決に向けた交渉はほとんど進展していない。交渉は行き詰まっている」と述べております。原油価格の大暴落により石油精製会社としても製油マージンが大幅に縮小していることから、人員削減や予算カットを希望しており、石油精製会社側と労働組合との隔たりが大きくなっているようです。各社を代表して交渉の窓口になっているシェルが先週に提示した6回目の案を労組側が拒否したことから交渉が行き詰まり、ストが拡大したようです。

ストが行われている製油所の大半がこれまでのところ、ガソリン、ディーゼル、その他の燃料精製を続けているものの、カリフォルニア州マーティネズのテソロ工場だけが閉鎖されているようです。同工場は保守作業のために生産が大幅に減少していたことから、ストにより残りの設備も安全確保のために止めただけのようです。全米規模で製油所のストが行われたのは1980年以来のことですが、現在のところ、ストに参加した11の製油所中10の製油所が燃料精製を続けていることから、ストによる石油精製への影響が軽微となっていることは注目でしょう。それだけに、このストが解決しても、原油市場への影響は軽微といったところかもしれません。ただ、現時点ではストによる石油精製への影響が軽微ですが、ストが更に拡大する可能性もあり、もし、石油精製への影響が拡大することとなれば、石油製品の逼迫懸念から米国のガソリンや灯油などが急騰する可能性もあります。

原油市場

 ブレント原油やNY原油の電子取引が今朝から上昇して始まりました。先週末にベーカーヒューズ社から発表された全米オイルリグ数が前週より83基減少の1140基となったことが好感された模様。全米オイルリグ数は、昨年10月10日に1609基まで増加したが、年明けより大幅減少が続いております。最近の全米オイルリグ数の推移は、12月16日1499基、1月2日1482基、9日1421基、16日1366基、23日1317基、30日1223基、2月6日1140基となり、ここに来て減少ペースが加速しております。

 三菱商事や三井物産、伊藤忠、住友商事、丸紅など国内大手商社のエネルギー事業での2015年3月期の減損見通しが5社合計で4500億円に達したことが報告されております。三井物産の岡田CFOは4日の決算会見で、「米シェールガスと北海油田で計480億円の減損を計上した。原油の急落幅は、想定を超えていた。世界中で予測できた人はいないのではないか。」と述べております。三菱商事 の内野CFOは「通期での資源エネルギー関連の減損額は最大700億円に膨らむ可能性がある。資源価格はしばらく低迷した状態が続かざるを得ない。」と述べております。国内大手商社でも今回の原油暴落でこれほどの損失見通しとなっていることから、米シェールオイル関連企業の原油暴落による損失見通しも相当な規模に達していることが想像出来ます。こうしたエネルギー関連企業の業績悪化見通しと全米オイルリグ数の大幅減少が足並みを合わせているように感じられます。こうしたエネルギー関連企業の大幅な業績悪化見通しに伴う大幅な全米オイルリグ数の減少により、供給過剰が供給不足に転じるのにそれほど時間を必要としないのかもしれません。「下げ相場は警戒・悲観・失望・絶望の心理過程を経て底を打つ」という相場格言がありますが、これまでの石油市場はまさに「警戒・悲観・失望・絶望」の心理過程を歩んできたといえるのではないでしょうか。


全米オイルリグ数
2月9日オイルリグ

東京ガソリンの60分足
東京ガソリンの60分足

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原油市場パート3「中東の地政学的リスク」

 ヨルダン軍が5日、イスラム国の本拠地とされているイラク第2の都市モスルやシリア第3の都市ラッカへの大規模な空爆を行いました。ヨルダンのジュデ外相は、空爆はほんの手始めであり、今後報復を拡大し持てる限りのすべてで過激派を追い詰めると述べております。これは、ヨルダン軍パイロットのカサスベ氏殺害を受けた報復措置と見られております。また、米ベイナー下院議長は5日、オバマ大統領が数日以内に議会に対し、イスラム国に対する武力行使を承認するよう求めるとの見通しを示しました。米国は、昨年秋ごろからイスラム国への空爆支援を行っているのですが、武力行使が承認されると、オスプレイなどの投入による前線への物資補給などが実施される可能性が高まります。

昨年から最も増産が目立った産油国は米国ですが、米国の次に増産が目立った産油国がイラクであり、過去最高となる日量400万バレルにまで生産が拡大しております。しかし、今週になりイスラム国がイラクのキルクーク西部の油田地帯を占領するなど、イラク石油地帯の政情悪化が注目され始めました。これからイスラム国の本拠地となるイラクのモスルやシリアのラッカへの本格的な有志連合による攻撃が始まれば、中東の地政学的リスクの上昇が注目され、原油価格の上昇に繋がる可能性も高まります。

米上院外交委員会のボブ・コーカー委員長の側近は、大統領は早ければ来週にも承認の文書を送付するとの見方を明らかにしております。来週の米議会でイスラム国に対する武力行使が承認されることになれば、中東の地政学的リスク上昇に警戒が必要となるのではないでしょうか。

原油市場パート2

 サウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコが3月のアジア向け原油販売価格を前月より0.9ドル引き下げることを発表しました。これでアジア向け石油販売価格のオマーン・ドバイ平均価格に対するディスカウントが2.3ドルとなりました。一方、サウジアラムコは、3月の石油販売価格に対して欧州向けを0.7ドル引き上げ、米国向けを0.15ドル引き上げました。これにより欧州向け石油販売価格のブレント原油加重平均に対するディスカウントが3.95ドルとなり、米国向け石油販売価格のアーガス・クルード・インデックスに対するディスカウントが0.45ドルとなりました。サウジアラビアは、アジア向け石油販売価格を再び引き下げたものの、欧州向けと米国向けの石油販売価格を引き上げたことは注目でしょう。

 JXホールディングと出光興産、コスモ石油の石油元売り大手による2015年3月期の純利益見通しが3社合計で3990億円の赤字見通しとなったことが報告されており、2008年のリーマンショックの時の原油暴落時を上回る見通しとなり、原油暴落の爪あとの大きさが伺えます。

 米チャレンジャー社は昨日、原油暴落に伴うエネルギー業界の人員削減により、1月の米国企業の人員削減数が5万3041人となり、前年同月日で17.6%増加(前月比では63%の増加)したことを発表。5万3041人の人員削減の内、2万193人がエネルギー関連企業による人員削減となり、州別でも産油州となるテキサス州が1万9833人となりました。こうしたエネルギー業界の人員削減の急増を見ても、原油暴落の爪あとの大きさが伺えます。

 国内石油元売り大手がリーマンショック時を上回る赤字見通しを発表していることから、そろそろ原油市場の底固め終了というところかもしれません。そして、米エネルギー業界の大幅な人員削減や、最近の大幅な全米オイルリグ数の減少を考えると、供給過剰が供給不足に転じるのにそれほど時間を必要としないのかもしれません。「下げ相場は警戒・悲観・失望・絶望の心理過程を経て底を打つ」という相場格言がありますが、これまでの石油市場はまさに「警戒・悲観・失望・絶望」の心理過程を歩んできたといえるのではないでしょうか。


全米オイルリグ数
2月2日オイルリグ

原油市場

 昨日15時半からブレント原油とNY原油が3ドルほど上昇。両原油市場は、1月29日から2月4日早朝にかけて10ドルほど急騰したが、4日夕方から急落し、そして昨日5日の夕方から上昇に転じました。両原油市場が1月29日からの3連騰により安値から20%強の上昇となって強気相場入りとなったことから、2月4日の急落は、良いタイミングで押し目形成となり、「初押しは買い」の相場格言通りの展開といったところでしょうか。「下げ相場は警戒・悲観・失望・絶望の心理過程を経て底を打つ」という相場格言がありますが、これまでの石油市場はまさに「警戒・悲観・失望・絶望」の心理過程を歩んできたといえるのではないでしょうか。「強気相場は、悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成長し、幸福の中で消えていく」という相場格言もありますが、少し前までの石油市場は悲観に包まれていたのではないでしょうか。NY原油とブレント原油が強気相場入りしたことから、ここは相場格言で言うところの「若い相場は目をつむって買え」というところかもしれません。

 全米オイルリグ数は、昨年1月10日に1609基まで増加したが、10月31日から1月30日まで14週連続で全米オイルリグ数の減少が続いており、しかも年明けからの減少ペースが徐々に拡大していることに注目する必要がありそうです。今回の米エネルギー関連企業による第4四半期決算では、その多くの企業から設備投資の大幅削減や人員削減などが発表されたことから、ベーカーヒューズ社から本日発表される全米オイルリグ数も前週同様に大幅減少する可能性が高そうです。今夜の発表でも全米オイルリグ数の大幅減少が発表されることとなれば、「ブレント原油とNY原油が強気相場入り」と「初押し完了」により、原油市場が更に堅調さを示すこととなるのではないでしょうか。



全米オイルリグ数
2月2日オイルリグ

東京ガソリンの60分足
東京ガソリンの60分足

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ゴム市場「春節と3カ国協議を睨んで」

 本日の東京ゴムは、原油市場が大幅安したわりに小幅安にとどまっており、地合いの強さを感じさせます。まさに「サヤの変化は相場の変化」といったところでしょうか。
 今月のゴム市場の注目は、中国の春節と産地の3カ国協議となりそうです。もちろん東京ゴムのサヤの変化や原油市場の動向も気になるところでしょうか。
 中国の春節は2月18日から2月24日までとなります。特に注目は、産地での中国勢による買い付けが春節前に活発化するが、春節中は閑散となることでしょうか。春節前の中国勢の買いつけにより、産地価格が2月17日ごろまでは堅調に推移することが予想されます。しかし、春節の2月18~25日は、中国勢の買い付け低下により産地価格が軟調に推移する可能性もあります。しかし、2月26日の春節明けから中国勢の買い付けが復活することで、産地価格も再び堅調に推移する可能性があります。中国は、天然ゴムの世界生産の34%ほどを輸入していることから、中国市場の長期休暇に対する対策は重要となります。
 注目は、今月の産地での3カ国協議となります。昨年11月21日の3カ国協議では、天然ゴムの輸出削減策が合意されました。2015年に改めて3カ国協議を開催し、「天然ゴムの輸出削減策」に対する実施時期や規模などを話し合う予定になっております。そして今月。。。。。。。。この続きは、会員の皆様に限定してメールにてお送りしております。会員の皆様は、お送りしたメールの内容を参考にしてください
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