3月8日時点での総取組高に対するファンドなど大口投資家の買い玉総数の占める割合は、NY金で約50%、NY原油で約29%、シカゴ日経225で約21%、IMM日本円で約32%です。こうして見比べると、NY金におけるファンドの買い玉総数の占める割合が圧倒的に高いことに気付きます。それにより、「ファンドが最も買い進んだところ」がNY金の高値となり、「ファンドが最も買い玉を減少させたところ」がNY金の安値となる傾向も他銘柄に比べて顕著となります。
NY金におけるファンドの買い越し枚数は、2015年12月1日に9750枚まで減少して近年最低枚数を記録し、それとともにNY金が1050ドル付近まで下落して6年ぶりの安値を記録しました。その後、ファンドの買い越し枚数が増加を続け、2016年3月8日に17万4810枚まで増加しました。それにより、昨年1月に記録した18万8925枚の買い越し枚数まであと1万4115枚に迫りました。
NY金におけるファンドの買い越し枚数は、2014年の最高が14万枚台であり、2015年の最高が18万枚台です。ファンドの買い越し枚数が17万枚を突破したのは、過去2年間で今回が2回目です。それだけファンドが大幅に買い進んだのですから、「過去2年間で2番目の高値警戒」も必要となるのかもしれません。
そして注目は、ファンドの買い越し枚数が昨年12月1日からの3か月間ほどで16万5060枚も急増したことです。これほど短期間でファンドの買い越し枚数が大幅増加としたことは、過去2年間の取引では初めてのことです。それだけ近年稀に見るほどのファンドの大量買い進みが実施された直後ですから、そろそろ「ファンドの手じまい売り」が本格化するころかもしれません。