松永総研

北浜の虎と呼ばれた男

トウモロコシ市場パート2「利益確定も一考か?」

 ウエザーニュースによるシカゴの14日予報では、10日まで降水確率が全て20%以下となっており、トウモロコシの作柄改善が予想されます。また、降水確率が50%を超えるのは14日中1日です。12日ごろから雨がちな天候も予想されておりますが、それまでは発育に適した天候となりそうです。

 昨夜のシカゴコーンが年初来安値から21.7%の上昇となり、強気相場入りとなりましたが、ここに来て天気予報が大きく改善しており、修正安に警戒するところかもしれません。来週6日に米農務省から「5日終了週の育成進度報告」が発表されます。天候の改善を背景に作柄が少し改善する可能性もあるだけに、6日発表の育成進度報告を警戒して利益確定も一考ではないでしょうか。そして、来週10日に米農務省による需給報告が控えていることから、来週6日の育成進度報告発表後に再び買い場探しも一考かもしれません。

東京とうもろこしの日足
東京とうもろこしの日足

本画面に掲載されている情報の著作権は、インベステック及び各情報提供会社に帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、インベステック及び各情報提供会社は一切の責任を負いません。


原油市場

 昨夜のNY原油は、全米オイルリグ数の増加に圧迫されて下落しました。ベーカーヒューズ社から昨夜発表された全米オイルリグ数は、前週比12基増の640基となり、昨年12月5日以来の増加となりました。今週の原油市場は、EIA原油在庫が大方の予想を覆す増加発表となり、全米オイルリグ数も7ヶ月ぶりの増加となりました。60ドル付近まで原油価格が上昇すると、シェールオイル生産が増加するとの思惑が原油市場を圧迫しているようです。目先的には、来週7日に最終合意期限を迎える先進6カ国とイランとの核協議の行方が注目されるところでしょうか。


全米オイルリグ数
オイルリグ数

NY原油の日足
NY原油の日足
本画面に掲載されている情報の著作権は、インベステック及び各情報提供会社に帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、インベステック及び各情報提供会社は一切の責任を負いません。

トウモロコシ市場

 昨夜のシカゴコーンは、422セントまで上昇して昨年12月29日の高値(417セント)を超えました。それにより次の高値のメドは、昨年5月の519ドルとなる模様。また、6月15日の年初来安値(346.75セント)から21.7%の上昇となり、強気相場入りとなりました。

 欧州の広範囲に熱波が到来し、最高気温が40度を超える国も続出しました。フランスでは、68年ぶりに最高気温が40度を超えました。また、英国で開催されているウインブルドンテニス選手権では、セット間の休憩時間のルールが変更され、試合中の気温が大会史上最高となる35.7度を記録したようです。インドやパキスタンに続いて欧州にも熱波が到来しており、エルニーニョ現象に伴う異常気象が注目されるところでしょうか。

 9:15時点での外電換算値は、東京とうもろこしが170円高、東京一般大豆が80円高です。それに対して現在の東京とうもろこしが60円安、東京一般大豆が20円高付近で推移。

シカゴコーンの日足
シカゴコーンの日足

シカゴコーンの週足
シカゴコーンの週足

本画面に掲載されている情報の著作権は、インベステック及び各情報提供会社に帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、インベステック及び各情報提供会社は一切の責任を負いません。

トウモロコシ市場パート4「今後のエルニーニョ現象の行方」

 世界のトウモロコシ生産(2013~2014年度見通し)は、1位が米国の3億5533万トン、2位が中国の2億1100万トン、3位がブラジルの7000万トン、4位がEUの6528万トンとなります。トウモロコシ市場は、米国と中国を中心とした世界の穀倉地帯の天候に注視する必要があります。

 今年の世界の天候は、5月下旬頃からインドで記録的な熱波被害が発生し、6月中旬からパキスタンで記録的な熱波被害が発生しました。タイの干ばつ被害は、30年ぶりとも50年ぶりともいわれております。タイ以外の東南アジアの複数の国からも干ばつ被害が報告されております。北朝鮮や韓国の干ばつ被害は、「過去100年間で最悪」といわれており、かなり深刻なものです。また、オーストラリアの干ばつ被害も気になります。そして、5月下旬頃からの米中西部穀倉地帯での雨がちな天候も気になります。これらの異常気象は、春以降に発生しており、エルニーニョ現象発生のタイミングと重なります。

気象庁が6月10日に発表したエルニーニョ監視速報では、エルニーニョ監視海域の海面水温の5ヶ月移動平均が4月頃から上昇に転じ、年末に向けて上昇を続けるとの見通しを発表しております。添付しておりますグラフは、気象庁ホームページのエルニーニョ監視速報に掲載されている「エルニーニョ監視海域の海面水温(5ヶ月移動平均)」のグラフです。このグラフは、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値(指数)の推移を示しております。3月までの経過(観測値)を折れ線グラフで、エルニーニョ予測モデルによる予測結果(70%の確率で入ると予想される範囲)を黄色のボックスで示しております。指数が赤/青の範囲に入っている期間がエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生期間です。このグラフを見る限り、年末にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が上昇を続けることを示しており、現在発生しているエルニーニョ現象が更に発達することを示しております。それにより、世界的な異常気象が更に拡大することも予想されます。気象庁から6月10日に発表されたエルニーニョ監視速報では、「5月の太平洋赤道域の海面水温は、日付変更線付近から南米沿岸にかけて平年よりかなり高かった。エルニーニョ現象時の特徴を前月より明瞭に示しており、エルニーニョ現象が強まりつつある。今後、冬にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い。東南アジアの高温・少雨と米国西部の低温がエルニーニョ現象時の天候の特徴と一致していた。」と指摘しております。今年の穀物市場は、「エルニーニョ現象による世界的な異常気象」に注目して、年末に向けての強気な見方も一考ではないでしょうか。
エルニーニョ監視海域の海面水温の予測(5ヶ月移動平均)
グラフ名
エルニーニョ監視海域の海面水温の予測(5ヶ月移動平均)

グラフの出典:気象庁ホームページ 

http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/elnino/kanshi_joho/kanshi_joho1.html

トウモロコシ市場パート3

 14:40時点のシカゴ穀物市場の電子取引による外電換算値は、東京とうもろこしが260円高、東京一般大豆が210円安です。それに対して現在の東京とうもろこしが130円高、東京一般大豆が110円安付近で推移。米農務省による四半期在庫と作付面積の発表を受けて6月30日のシカゴコーンとシカゴ大豆が大幅高となりました。翌1日は、シカゴコーンが小幅高となり、シカゴ大豆が小幅安となりました。そして今朝からの電子取引でもシカゴコーンが小幅高、シカゴ大豆が小幅安で推移しております。この違いは、今年の天候相場を「過去5年間で最低の作付面積で挑むシカゴコーン」と、「過去最高の作付面積で挑むシカゴ大豆」の違いかもしれません。

 今週30日に米農務省から発表された作付面積と四半期在庫は、大方の予想を大幅に覆す内容となり、シカゴコーンやシカゴ大豆、シカゴ小麦がパニック的な大幅上昇となりました。それにより、米農務省から来週10日に発表される「需給統計」の「生産高見通し」や「期末在庫見通し」がこれまでの予想から大きく変化すると考えるべきかもしれません。また、最近のトウモロコシや大豆の作柄悪化が反映され、来週10日発表の「需給統計」によりシカゴ穀物市場が本格上昇開始となる可能性もあります。

東京とうもろこしは、2ヶ月前の安値から3770円の上昇となり、1枚3万円の証拠金(7月1日からは4万500円に変更)に対して18万8500円の値洗いが動いた計算となります。それでもシカゴコーンは、安値から2割程度しか上昇しておりません。現在の4ドル付近で推移しているシカゴコーンが2011年や2012年、2013年のように8ドル付近まで上昇すれば、東京トウモロコシがどれだけ上昇するかを想像することも面白そうです。


シカゴコーンの月足
シカゴコーンの月足

本画面に掲載されている情報の著作権は、インベステック及び各情報提供会社に帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、インベステック及び各情報提供会社は一切の責任を負いません。

トウモロコシ市場分析2「来週の展望」

 来週の穀物市場は、6日の米農務省による育成進度報告や10日の米農務省による需給報告などが注目されます。特に毎月10日前後に発表される「米農務省による需給報告」は、穀物市場に最も大きな影響を与える発表の1つです。米トウモロコシの収穫期が10月中旬~11月中旬となることから、収穫期までの天候相場期間での「米農務省による需給報告」は、7月発表と8月発表、9月発表、10月発表の計4回だけです。この4回の発表がとても重要となります。

「米農務省による需給報告」の月ごとの注目点は、下記の通りです。

1月―需給予想(前年の最終確定生産高の発表)

3月―作付け意向面積調査結果

5月―新穀の需給予想

6月―確定作付面積の発表

7月―需給予想(確定作付面積に基づく生産高見通し)

8月―8月1日現在の実地調査に基づく単収予想

9月―需給予想

10月―需給予想

11月―需給予想

来週10日に発表される「米農務省による需給報告」では、「生産高見通し」が注目されます。6月28日終了週のトウモロコシの優と良の占める割合が前年同期を9%下回り、シルキングが平年を4%下回っていることに加えて、作付面積が過去5年間で最低水準と発表されていることから、トウモロコシの強気派は、「平年以下の生産高見通し」に期待するところかもしれません。6月の需給報告では、2015~16年度の単収が1エーカー当たり166.8ブッシェル、2014~15年度の単収が171.0ブッシェルでしたので、現在の作柄を参考にすると、2015~16年度の単収が162ブッシェル付近まで低下し、期末在庫が4%強低下する可能性もあります。また、アジア圏の複数の国から深刻な熱波被害や干ばつ被害も報告されていることから、アジア圏の穀物生産高見通しの下方修正により米国のトウモロコシ輸出見通しが増加し、それを受けて米国の期末在庫予想が低下することも予想されます。
 シカゴコーンのファンドなど大口投資家のポジションが1年3ヶ月ぶりに今年5月から売り越しに転じております。また、東京トウモロコシ市場のファンド系機関店とされるN社の大幅売り越しも気になります。ファンドが売り越しポジションを構築しているところに「平年以下の生産高見通し」が発表されることになれば、「ファンドによる手仕舞いの買戻し」が強制される展開となり、「ファンドによるドテン買い」でシカゴコーンが本格上昇に転じる可能性もあります。
 シカゴコーンは、6月15日の安値(346.75セント)から7月1日の高値(417セン)まで20.26%の上昇となっていることから、更に小幅高となるだけで強気相場入りとなります。シカゴコーンの電子取引では、6月15日の安値から22.9%の上昇となり、強気相場入りとなっております。シカゴコーンはシカゴ・ボード・オブ・トレードで取引され、シカゴコーンの電子取引はCMEグローベックスで取引されます。
 米農務省から「7月5日終了週の育成進度報告」が来週6日に発表されます。これまでの育成進度報告は、雨がちな天候により3週連続で作柄が悪化しました。来週6日の発表では、現在の天気予報を参考にすれば作柄改善され、「優と良の占める割合が1~2%程度の上昇」となる可能性もあります。ウエザーニュースによる天気予報では、来週5日にかけての降水量がかなり低く、3日~5日は晴れの予報です。そうした意味では、シカゴコーンにとって週明けの育成進度報告がマイナス要因となる可能性もあります。「上げ相場の悪材料は買い」という相場格言もあり、育成進度報告で売られたところは、良い買い場となるのかもしれません。

東京とうもろこしの日足
東京とうもろこしの日足2

本画面に掲載されている情報の著作権は、インベステック及び各情報提供会社に帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、インベステック及び各情報提供会社は一切の責任を負いません。


みんコモコラムアワード2015
ColumnAward 2015特別賞

「特別賞」を受賞しました

詳細はこちら
重要事項
通常取引を始めるにあたって
スマートCXを始めるにあたって
重要事項説明
取引開始基準
契約締結前交付書面
金融商品取引法に基づく開示
勧誘方針
個人情報保護法
反社会勢力へ対する基本方針
免責事項
*掲載される情報はサンワード貿易株式会社(以下弊社)が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、弊社は保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
*弊社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
*本ブログに掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または減少することもあり、価値を失う場合があります。
*本ブログは、投資された資金がその価値を維持または増大を保証するものではなく、本ブログに基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの損害が発生した場合でも、弊社は、理由のいかんを問わず、責任を負いません。
*投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。
以上の点をご了承の上、ご利用ください
最新記事