NYダウが今朝から堅調に推移し、25ドル高付近まで上昇。NYダウは、先月中旬に1万7000ドル台に突入して最高値を記録したものの、先月下旬ごろから急落となり、今月8日に1万6210ドル付近まで下落。その後はじり高を続け、現在のNYダウの電子取引が1万6825ドル付近で推移しており、先月下旬ごろからの急落に対してV字回復中。こうした米国株の上昇を中心としたリスクオンの流れに反して下落を続けている原油市場の地合いの悪さが気になるところかもしれません。その一方で、そうした株高を中心としたリスクオンの流れでも1300ドル前後で小動きを続けている金相場は、やや堅調地合いといえるのかもしれません。また、ユーロ圏経済成長の鈍化懸念からユーロ売りが続いており、7月上旬ごろから対ユーロでのドル高が続いているものの、それでもドルの代替銘柄としての金相場が1300ドル前後で小動きを続けている事も、金相場の底堅さを物語っているのかもしれません。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は14日、4~6月期の世界の金需要が964トンとなり、前年同期の1148トンから16%減少した事を発表。中国とインドの4~6月期の金購入量はそれぞれ193トン、204トンと、前年同期から大幅に減少した事が、金需要低下の主原因となった模様。しかし昨年4~6月期と言えば、金相場が4か月間で400ドルほどの大暴落を演じた直後となり、それにより上場投資信託(ETF)から大量の資金が流出した一方で、金現物買いが記録的に増加した時期なので、昨年4~6月期から世界の金需要が幾分低下したとしても自然なことかもしれません。世界的に著名なファンドマネジャーであるスチュワート・ウォールトン氏は、「材料に対するマーケットの反応」が、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析と同様に重要であることを述べており、私もその考え方に共感しております。そうしたことを参考にすれば「株高を中心としたリスクオンの流れ+対ユーロでのドル高の流れ」という金相場の弱材料のダブルパンチでも、1300ドル前後の値動きを繰り返す金相場の地合いは、堅調と言えるのではないでしょうか。先週末のウクライナ情勢の緊張でも小幅上昇に留まった原油市場と、弱材料が続く中で堅調地合いを続ける金相場とでは、材料に対する反応が対照的に感じられます。今後の金相場の注目点は、2週間ほど前からやや下げ渋りの様相を呈してきたユーロ・ドルが上昇に転じる可能性や、今月8日から急上昇を続けるNYダウがどの辺りで上昇にブレーキがかかり始めるかというところかもしれません。今は材料的に逆風が吹いているような金相場ですが、今後の風向き変化のタイミングを探すのも一考ではないでしょうか。