NYダウは60ドル高の1万7039ドルとなり、1か月ぶりに1万7000ドル台に回復。S&P500は0.3%高の1992ポイントと最高値を更新し、2000ポイントの大台に迫った。週間新規失業保険申請件数が前週の31.1万件から29.8万件へと減少し、市場予想平均の30.0万件を下回った。フィラデルフィラ連銀製造業景気指数(8月)が前月の23.0ポイントから28.0ポイントへ大幅上昇となり、市場予想平均の19.5ポイントを大きく上回った。米中古住宅販売件数(7月)が前月の504万件から515万件へと増加し、市場予想平均の502万件を上回った。7月の米景気先行指数(総合)が前月の0.3%から0.9%へと上昇し、市場予想平均の0.6%を上回った。米経済指標の多くが市場予想を上回る内容となり、マーケット全体がリスクオンの流れとなりました。

 金市場は、リスクオンの流れに圧迫されて失速し、2か月ぶりの安値を付けた。ドル高によるドルの代替銘柄としての金投資の魅力が後退する流れに、株高を中心としたリスクオンの流れが加わり、金市場を圧迫し続けております。しかし、ドルの相対力指数(14日)では、対円で76ポイント、対ユーロで75ポイントにまで上昇しており、最近のドル高ペースに警戒感も高まっているようです。また、S&P500が最高値を更新して1992ポイントにまで上昇しており、2000ポイント到達となれば、達成感から米国株式市場への利益確定の流れにも警戒が必要かもしれません。ドル高と株高という逆風が吹き続けている金市場ですが、早すぎるドル高や株高のペースに警戒感が高まっている事は注目かもしれません。

 NY原油市場は、前場の取引で2ドルほど上昇し、後場から50セントほど失速。複数の米経済指標が予想以上に良好な内容となった事や、S&P500が最高値を更新した事から、リスクオンの流れに乗って原油市場も上昇。

 本日は、イエレンFRB議長がワイオミング州ジャクソンホールで開かれている年次シンポジウムで労働市場について講演します。ただ、前日のFOMC議事録(7月29~30日分)でFRB議員の一様な意見が伝わっているだけに、今夜のイエレンFRB議長の演説に新鮮味が感じられないかもしれません。