タイ政府が天然ゴムの国家備蓄20万トンの売却を承認したことにより、翌26日の東京ゴムがサーキット・ブレーカーを交えて大きく下落しました。この国家備蓄20万トンの売却に関する問題は、昨年から何度も取り沙汰され、そのたびに現地現物市場の重しとなってきました。タイ政府は、2012年~2013年にかけて価格テコ入れのために天然ゴムを農家から買い上げて棚上げし、価格のテコ入れに動きました。その時の備蓄在庫がいつまでも現地現物市場を圧迫する事はよくないと判断し、タイ政府が備蓄在庫売却を承認したようです。しかし、市場価格の下落により政府が買い上げた値段の半値ほどで売却する事となるようです。前回の価格テコ入れ政策実施時から半値近くにまで下落した現在の産地現物価格は、現地農家にとって危機的水準でしょう。備蓄在庫の売却承認に対して農家代表が知事を介して政府に支援を要求。裁判所は、現地現物価格が危機的な低水準にあるとの判断から指示があるまで備蓄在庫の販売を停止することに合意しているが、それでも備蓄在庫の売却に動くのでしょうか。また、タイ政府は、ゴムセクターに、59.34億バーツ(約194億円)の予算を昨日承認しました。この予算は、農民団体や農民団体のためのゴム加工業者に融資されます。タイ政府としては、備蓄在庫の売却を承認した代わりに、ゴムセクターへの予算を承認したというところでしょうか。そうした昨日の予算承認に反応したかのように、今朝からの東京ゴムがやや堅調な値動きとなっております。