SP500は0.1ポイント高の2000.12ポイントとなり、大台乗せによる達成感から、前日までの上昇基調が感じられない値動きでした。良好な第2四半期決算や複数の経済指標を背景に前日まで上昇を続けていたものの、ここにきて更なる上昇に対するファクター不足というところでしょうか。ユーロドルがようやく上昇に転じました。ジャクソンホールでのドラギECB総裁の演説から、ECBの追加緩和策が意識されたことでユーロ売りに弾みがついたものの、ロイター通信から、「29日発表の8月のインフレ率によってユーロ圏がデフレに向かって進んでいることが示されない限り、ECBは来週の政策委員会で新たな措置を打ち出す公算は小さい」と報じられたことを受けて、追加緩和策期待が後退し、ユーロが買い戻される値動きとなりました。明日のユーロ圏の消費者物価指数(8月)が注目されそうです。8:50時点での外電換算は、東京金8円安、東京白金17円安、東京ガソリンはブレント原油で140円高、NY原油で140円安、東京とうもろこしは前日比変わらずです。本日は、米国の第2四半期GDPの発表が予定されております。

 NY金の電子取引は、昨日15:30比2ドル安付近で推移。ホットマネーが米国株式市場に集中していることから、対ユーロでのドルがやや下落に転じても金相場の上昇につながらなかった模様。原油市場が2ヶ月間で15ドルほど下落し、米穀物市場が3ヶ月ほど前から大きく下落したことにより、今月発表された米消費者物価指数が市場予想を下回る低調な伸びとなったことから、「インフレヘッジの金投資」の魅力が薄れているようです。現在の低調なインフレ率の伸びにより商品市場全体への魅力も低下しており、それに経済指標と決算発表が良好な内容とくれば、投資家の視線が米国株式市場に向いてしまうのは仕方がないことなのでしょう。米国株の上昇により、株式の時価総額が66兆ドルを突破して過去最高となっているものの、米国株が調整を入れることになれば、これまで株式市場に向かい続けたホットマネーが「リスクヘッジの金市場」へ流入することも考えられることから、金相場としても、今後の米国株式市場の動向が気になるところでしょうか。

 NY原油は、94.2ドル付近まで上昇したが、クッシング在庫の増加発表を受けて一時93.4ドル付近まで下落し、現在の電子取引では93.7ドル付近で推移。EIA週間石油統計では、原油在庫が予想されたほど減少せず、クッシング原油在庫が4週連続で増加となりました。