NYダウは、中盤で1万7000ドル付近まで失速する場面もありましたが、42ドル安の1万7079ドルで取引を終えました。ドル円は小動きとなり、ユーロドルは下落しました。S&P500は1996.74ポイントで取引を終え、大台の攻防が続いている模様。米第2四半期GDP(改定値)が市場予想の3.9%を上回る4.2%となり、速報値の4.0%を上回りました。米国株は、GDPや週間新規失業保険申請件数などの経済指標を好感したものの、ウクライナ情勢の緊張に圧迫された模様。ウクライナのポロシェンコ大統領は28日、親ロシア派を支援するため、ロシア軍部隊がウクライナ領内に進入したとして激しく非難しました。NATOからは、1000人以上のロシア兵がウクライナ領内で活動しているとの見解を発表しております。ロシアとウクライナの首脳会談を終えたばかりですが、再びウクライナ情勢の緊張が高まりました。こうしたウクライナ情勢の緊張にNY金やNY原油も反応。

NY金は、ウクライナ情勢の緊張に反応してNY市場の取引開始前に一時1297ドル付近まで上昇しましたが、その後、対ユーロでのドル高が進み、ドル高圧力により失速し、現在の電子取引では昨日15時半比2ドル高の1291ドル付近で推移。

原油市場では、NY原油が上昇した反面、ブレント原油が小幅下落しました。NY原油は、米GDPの改善やウクライナ情勢に反応して上昇。一方、ブレント原油は、ウクライナ情勢の緊張が好感されたものの、冴えないユーロ圏経済指標に圧迫されたようです。

本日の注目は、ユーロ圏消費者物価指数(8月)の発表となりそうです。ジャクソンホールでのドラギECB総裁の演説でユーロ圏の追加緩和期待が高まったものの、今週になり、ロイター通信からの報道で追加緩和期待が後退する動きがありました。今週27日にロイター通信から、「29日発表の8月のインフレ率によってユーロ圏がデフレに向かって進んでいることが示されない限り、ECBは来週の政策委員会で新たな措置を打ち出す公算は小さい」と報じられたことを受けて、追加緩和策期待が後退しただけに、今夜の発表が注目されております。特にドル相場の影響を受けやすいとされる金相場などは、今夜の発表が気になるところでしょうか。