NYダウは10ドル安の1万7078ドル。ウクライナ首相とプーチン大統領による電話会談が昨日行われ、ウクライナ東部での停戦に向けた措置で合意したことが伝えられると、ユーロ圏株やロシア株、NYダウの電子取引などが上昇し、ユーロドルも上昇しました。昨日15時ごろから「ウクライナの停戦合意」にマーケットが広範囲に反応したものの、ユーロドルは昨日18時ごろに高値をつけ、現在は昨日の昼ごろの水準まで下落しております。ユーロ圏株価指数(ストック50)も昨日15時から17時にかけて上昇したものの、その後はやや軟調な展開となりました。

昨日のウクライナとロシアとの電話による首脳会談後、ウクライナ政府から「ウクライナ東部での紛争解決に向け、長期的停戦に合意した」と発表されたものの、プーチン大統領からは、「週内にもウクライナ東部での紛争解決に向けた合意に到達する可能性がある」と述べると共に、ウクライナ政府から発表された長期的停戦に合意したことについて否定する発言をしております。マーケットは、「停戦合意」に反応したものの、その後の両国の会見内容の違いに警戒するような値動きとなったようです。

ウクライナの首相は先日、「ロシアがこれまでの合意をすべて無視、あるいは大胆にも違反した」と、プーチン大統領を非難する発言をしておりました。以前、ロシア軍がウクライナとの国境近くに集結した際に、ウクライナ国境近くからロシア軍を撤退させることでプーチン大統領が合意したものの、その後もロシア軍が国境近くに居座り続けました。今週4~5日にオバマ大統領をはじめ28カ国の首脳が集まり、NATO首脳会談が行われます。その会談に向けてNATO高官からは、「新設する部隊は、NATOの1旅団(3000~5000人)程度の規模になり、ロシアの動きをにらみながら2日間で展開可能な体制が構築出来る体勢を目指す」と述べており、NATO軍のウクライナ関与が決定する可能性が高まっているようです。ロシア側は、そうしたNATO首脳会談を警戒して、急遽、ウクライナとの電話会談行ったのではという疑惑的な見方もあるようです。欧州訪問中のオバマ米大統領は昨日、バルト3国防衛に対してNATOの支援を確約し、ロシアの侵略姿勢に対する結束を呼びかけております。昨日のロシアとウクライナとの停戦合意への疑惑的な見方もあるだけに、本日から2日間の日程で行われるNATO首脳会談の行方が注目されるところでしょうか。