これまでの大きな流れは、NY金が7月上旬から下落トレンドを続け、その影響でNY白金も下落を続けておりました。しかし、9月上旬からNYパラジウムが暴落となり、同じ白金系金属としてNY白金の下げ足が早まりました。

NYパラジウムは、ウクライナ問題が深刻化し、ロシアへの経済制裁を受けて、ロシアからのパラジウム供給に対する不安が高まり、6月頃から100ドルほど上昇しました。世界生産に対するロシアの生産量は、パラジウムが約40%、白金が約14%ですから、NYパラジウムが大きく反応することになりました。しかし、ウクライナ情勢が沈静化しはじめると、それまで買われていた反動により、9月上旬からNYパラジウムが暴落し、その影響をNY白金も受けることになりました。

今年7月上旬には、NY金とNY白金の価格差が170ドルほどありましたが、今週6日時点の電子取引では、価格差が8ドル程度にまで縮まりました。この価格差を見るだけでも、NY白金の今回の急落がいかに凄かったかが伺えます。しかし、現在の電子取引では、価格差が57ドルほどにまで拡大しており、6日からNY白金の上昇力が高まってきました。

NY金とNY白金の価格差を利用したスプレッド取引を取引しているファンドも多いようです。久しぶりにNY金とNY白金の価格差がほとんどなくなったのですから、今年7月ごろから有効とされてきた「NY白金売り、NY金買い」のスプレッド取引の利益確定の動きが今週になって高まったと推測されます。更に、久しぶりにNY金とNY白金との価格差がほとんど無くなったことから、今後は、「NY白金買い、NY金売り」のスプレッド取引が活発化することも予想されます。そうしたことから、NY白金が今後堅調地合いを続ける可能性に注目することも一考ではないでしょうか。


NY白金の日足
1008nypara

NYパラジウムの日足
1008nyparajium

NY金の日足
1008nygold

情報提供 : (株)インベステック
※本画面に掲載されている情報の著作権は、インベステック及び各情報提供会社に帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、インベステック及び各情報提供会社は一切の責任を負いません。