東京ゴムは、今月3日に173.8円の安値を付け、昨日204.9円まで上昇したことから、この1ヶ月で安値から31.1円上昇しました。東京ゴムが30円ほどの上昇となれば、かなり大きく上昇したように感じる投資家もおられるのかもしれません。しかし、過去の値動きを振り返ると、それほど大きな上昇とは感じられないようです。東京ゴムの1日の売買高は1~2万枚程度ですが、上海ゴムの売買高は多い時には80~100万枚にまで達しており、いまや世界の天然ゴム市場の中心的市場へと成長しました。また、ドル円がこの2ヶ月間で102円付近から8円ほど円安に進んだことから、世界のゴム市場価格の変化を見る上では、ドル円変動の影響がない分だけ上海ゴム市場のチャートが適しているのかもしれません。

 上海ゴム(当月限)は、先月25日に1万405元の安値を記録し、2008年のリーマンショック後に記録した安値(9565元)に迫る水準まで下落しました。2008年12月当時の東京ゴムが99.8円まで下落しており、当時のドル円が1ドル=90円付近でした。そして上海ゴム(当月限)は、2011年2月に4万2900元の高値を記録し、その後4年間も長期下落トレンドを続け、現在は1万1585元付近で推移しております。上海ゴム(当月限)は、過去10年間で1万元付近まで下落したことがこれで3度目となります。上海ゴムの月足チャートでは、まだ下落トレンド中に見えます。上海ゴム(当月限)の週足チャートでも、まだ下落トレンド中に見えます。しかし、日足チャートでは、先月下旬から安定した上昇トレンドを続けていることが伺えます。上海ゴムは、10限月制ですが、主に売買される限月は1月限、5月限、9月限だけであり、その中で取引中心限月が4ヶ月ごとに移動します。そうした特殊な上海ゴム市場の環境から、週足チャートや月足チャートなど長期間のチャートでは、東京ゴムのような先限つなぎ足ではなく当月限つなぎ足がよく利用されます。

 上海ゴムの月足チャートでは、2005年と2008年、2014年の安値がトリプルボトムを意識させるだけに、この水準で長期的な上昇トレンドに転換する可能性もあります。また、週足チャートでは、先月末からの上げ幅はまだ僅かに上昇したに過ぎず、大きく上昇したようには感じられません。それだけ、これまでの下落幅が大きかったということです。日足チャートでは、今年8月からの急落に対して、ようやく3分の1戻し程度の反発となっております。相場では、「高値覚え」や「安値覚え」という言葉があります。東京ゴムが今月安値から30円ほど上昇した事で高値警戒感を強めている投資家は、今月安値の「安値覚え」を引きずっているからではないでしょうか。もっと視野を大きく持ち、週足ベースや月足ベースでチャートを見れば、「まだ安値から少ししか上昇していない」と感じられるのではないでしょうか。ボックス圏相場が多い銘柄であれば、「高値覚え」や「安値覚え」のように値ごろ感で逆張り的な相場手法も一考かもしれません。しかし、天然ゴム市場のように、これまで大きなトレンドを続けてきた銘柄に「安値覚えからの割高感」は危険かもしれません。上海ゴムは、3年半前の高値から約3万2500元下落しており、1年半前の高値から約1万6000元下落しており、1ヶ月前の安値から約1100元上昇しただけで高値警戒感を強めることはナンセンスではないでしょうか。上海ゴムは、3年半前の高値から4分の1にまで下落しましたが、天然ゴム市場以外でそれほど大きく下落した銘柄は、米国商品先物市場や国内商品先物市場を見渡しても見つかりません。それだけダイナミックな動きを続けてきた天然ゴム市場には、それなりの見方で対処する必要がありそうです。

上海ゴムの月足
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上海ゴムの週足
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上海ゴムの日足
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