東京ゴムは、今月3日に173.8円の安値を記録し、その後は上昇を続けているものの、ドル円が6日から15日にかけて5円ほど円高に進み、その後2週間で4円ほど円安に進んだことで、東京ゴムの月初からの上昇スピードに多少のばらつきがあるようです。しかし、上海ゴムやシンガポールゴムが月初より安定した上昇を続けており、産地現物価格も安定した上昇を続けております。特に産地現物価格であるタイの11~12月積みFOBオファー価格は、今月3日に5年ぶりの安値となる148セントを記録したものの、その翌日から上昇を続けており、今月3日以降で下落に転じた日は1日もないほど安定した上昇基調を続けていることは注目でしょう。これほどまでに産地現物価格が安定した上昇を続けている理由は、生産国での安値非売運動の広がりだけではなく、タイやインドネシアやマレーシアの政府が、天然ゴム農家への支援策を決定したことにより、生産者の売りしぶりが出始めていることも原因となっております。また、天然ゴム価格が生産コストを大きく割り込んだことで、収穫作業(タッピング)を放棄する生産者が増えてきたことも、産地現物価格の上昇に繋がっているようです。

本日のタイゴム協会のホームページでは、天然ゴム価格が生産コストを大きく割り込んだことで、収穫作業(タッピング)を放棄した生産農家が増え、いくつかの契約ゴム貨物が遅れている記事が記載されております。インドネシアのメダンや北スマトラ州のトレーダーからは、収穫作業を放棄する生産農家が増えてきたために、集荷不足に陥っていることが報告されております。また、ジャカルタのトレーダーからは、集荷不足は、メダンだけではなく、パレンバン、パダン、パンジャン、ジャカルタにまで拡大していることも報告されております。インドネシアは、タイと並ぶ世界最大の天然ゴム生産国です。天然ゴム価格が生産コストとされる水準を2割近くも割り込んだことで、収穫作業を放棄した生産農家が増えてきたことから、この水準が天然ゴムの下値の限界点となるのかもしれません。

商品相場では、生産コストを割り込むこともありますが、生産コストを大きく割り込み、生産を放棄する生産者が増加すれば、そうした水準が底値となる傾向があります。その反対に、青天井のような上昇を続けても、いずれ消費者が買い控えるほどの水準に達すれば、天井となる傾向もあります。物の値段では、上げ過ぎれば消費者の消費意欲の限界点があり、下げ過ぎれば生産者の生産意欲の限界点があり、そうした消費意欲と生産意欲の限界点が商品相場の天井や底を形成するのではないでしょうか。インドネシアで収穫を放棄するゴム生産者が増えてきたことは、3年半も下落を続けた天然ゴム相場の下落トレンドの終焉を示しているのではないでしょうか。


東京ゴムの日足
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シンガポールゴムの日足
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上海ゴムの日足
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