天然ゴム価格の一般的な下値のメドが「産地の1キロ=1.5ドル以下での安値非売運動」であれば、上値のメドは、タイ政府が10月中旬に発表した「2ヶ月以内に生産コストとされる1キロ=60バーツまで現物価格を引き上げる」という政府目標でしょうか。

国内現物価格の下値のメドとして、産地現物価格の1キロ=1.5ドルと仮定すれば、輸入諸経費を1キロ=8円で計算すると、1.5ドル×115.3円(現在のドル円換算)+8円(輸入諸経費)=約181円という計算になります。それに対して上値のメドを1キロ=60バーツと仮定すれば、輸入諸経費を1キロ=8円で計算すると、60バーツ×3.5081円(現在のバーツ円換算)+8円=約218円という計算になります。東京ゴムの当月限価格は、国内現物価格に近いことから、当面の当月限価格の予想水準が181~218円というところかもしれません。そして、東京ゴムの先限が減産期限月であることから、しばらく当先の価格差が10円程度で安定すると見るならば、東京ゴム先限の予想水準は191~228円の範囲内というところでしょうか。

ただ、タイ政府が「2ヶ月以内に1キロ=60バーツまで現物価格を引き上げる」という政府目標を掲げているだけに、12月中旬までに産地現物価格が60バーツ付近まで上昇する可能性もあります。そうなれば東京ゴムの先限で228円付近をトライする可能性に注目することも一考かもしれません。今後の天然ゴム市場の注目は、今月20~21日に天然ゴム主要生産国による3カ国協議が予定されていることや、来月中旬にタイ政府が掲げた「2ヶ月以内に60バーツまで引き上げる」という政府目標の期限が迫っていることでしょうか。また、タイ政府が200億バーツの予算で国家備蓄天然ゴム在庫の積み上げに10月22日から動き出していることも注目でしょう。


東京ゴムの日足
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