米大手投資銀行であるゴールドマン・サックスが、翌年の金融市場予想に基づく8つの投資アイデアを発表しました。これは毎年恒例の発表であり、今年もその季節となりました。ちなみに昨年末は、ゴールドマンが6つのアイデアを発表したが、「4つが当たり、1つが外れ、1つがどちらでもない」という結果となりました。
下記の8項目が今年の「翌年の金融市場予想に基づく8つの投資アイデア」です。
1. ユーロのさらなる下落に備えよ
(ゴールドマンは、1ユーロ=1.15ドルまでの下落を予想)
2. 10年物米国債は利回り3%以上で買い、2%以下では買わない
(現在利回りが2.3%。ゴールドマンは、来年6月には利回りが3.0%か、それ以上と予想)
3. ユーロ・ストックス50のブル・コール・スプレッドを買い持ちする
(ユーロ圏株価指数であるユーロストック50は、今年6月に6年ぶりの高値を記録したが、その後はやや軟化しております。)
4. 米国の高利回り債の信用リスクには強気の姿勢をとる
(ゴールドマンは、米国の高利回り債の最近のアンダーパーフォーマンスを過度的なものとみております。)
5. 新興市場の原油輸入企業の株式バスケットは買い持ちする
(ゴールドマンは、原油の値下がりにより、これら企業に利益をもたらすと見ております。)
6. スイス・フランを売り、スウェーデン・クローナを買う
(ゴールドマンは、両国の金融政策にばらつきが生まれると見ております。)
7. 銅を売り、ニッケルを買う
(ニッケルは、生産国であるインドネシアの輸出禁止規制維持が今週決まったことから、「銅売り、ニッケル買い」はごく当然な選択かもしれません)
8. ドルを買い持ちし、南アフリカ・ランドとハンガリー・フォリントのバスケットを売り持ちにする
(ドル買い継続は、それほど新鮮味が感じられない提案かもしれません)
上記がゴールドマンにより「翌年の金融市場予想に基づく8つの投資アイデア」です。カッコ内は参考コメントです。
サクソバンクなども毎年恒例の「大胆予想」を年末に発表します。サクソバンクの「大胆予想」は、あまりにもかけ離れているように感じられるが、もしかしたら当たるかもという予想であるのに対し、ゴールドマンの「翌年の金融市場予想に基づく投資アイデア」は、実践的であるように感じられます。このゴールドマンの発表を見ると、年末になったという実感が沸きます。