年末に原油価格が暴落したことにより、米国やカナダの石油生産大手各社が2015年の設備投資削減を相次いで発表しております。米石油大手のシェブロンは17日、カナダ北極圏ボーフォート海での原油掘削計画を取りやめる方針を表明。シェブロンは書簡で、ツクトヤクツクの北西約250キロにある鉱区での掘削計画を無期限に延期すると発表しております。米石油開発大手のマラソン・オイルは17日、2015年の設備投資額を前年比で20%削減することを発表。カナダの石油大手企業のハスキー・エナジーとMEGエナジー、ペン・ウエスト・ペトロリアムは17日、2015年の設備投資予算削減を表明。これまでセノバス・エナジーやトルマリン・オイル、カナディアン・オイル・サンズ、ホワイトキャップ・リソーシズなども設備投資削減を表明しております。

 新たな油田採掘には莫大な資金が必要であり、現在の石油価格では設備投資に対するリスクが高すぎるようです。WTI原油が56ドル台では、米シェールオイルの井戸元価格が45ドル前後にまで低下していることから、現在の原油価格では米シェールオイル油田の大半が生産コスト割れとなっている状態です。ここに来て米国やカナダの石油生産大手が2015年の設備投資削減を相次いで発表していることから、今後発表される石油生産見通しの下方修正が予想されます。年末になり相次いで石油生産大手が設備投資削減を表明していることから、原油価格の急反発に注意するところに来ているのかもしれません。


NY原油の週足
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ブレント原油の週足
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