中国農業省当局者から口頭で通知を受けた関係者らによると、中国農業省が米国の遺伝子組み換えトウモロコシの輸入解禁を認めたことが伝えられております。これまで中国は、米国から輸入されたとうもろこしに非認可とされている「MIR162」が含まれていたとして、米国産遺伝子組み換えトウモロコシの輸入を拒否していました。米農務省の予測によると、2015年9月までの穀物年度の中国のトウモロコシ輸入は200万トンと、4年ぶりの低水準となる見込みです。しかし、遺伝子組み換えトウモロコシの輸入が解禁されれば2倍の400万トンに膨らむ可能性もあるだけに、とうもろこし市場にとってサプライズとなりそうです。

上記は、昨日製作した「後場市況1」のコメントの一部です。

 

中国の検疫当局は、「DDGS」と呼ばれる飼料用原料に対して今年6月に米国からの輸入を禁止しました。その理由は、中国当局が認可していない遺伝子組み換えトウモロコシである「MIR162」が含まれている可能性が高いということが原因とされております。中国は、米国に次ぐ世界第2位のとうもろこし消費国であり、年間約700万トンのとうもろこしを輸入しております。

シカゴコーンは、豊作観測により今年5月頃から下落に転じました。そして6月になり中国の輸入禁止の影響を受けて下げ足が早まりました。シカゴコーンは、6月頃の4.5ドル付近から9月末に3ドル付近まで下落しました。しかし、米国産とうもろこし飼料用原料の輸入禁止を実施した中国では、翌7月から大連とうもろこしが上昇に転じ、2290元付近から8月になると2400元付近まで上昇しました。その後も高値で推移していたことから、中国がここに来て米国産とうもろこし飼料用原料の輸入解禁に踏み切った模様。「下落を続けるシカゴコーンに対し、高騰する中国とうもろこし」という構図と、シカゴコーンと大連とうもろこしの価格差拡大を考えると、今後、中国による米国産とうもろこし飼料用原料の輸入が加速し、シカゴコーンが上昇を続ける可能性もあるのではないでしょうか。


シカゴコーンの日足
シカゴコーンの週足

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