ブレント原油やNY原油の電子取引が今朝から上昇して始まりました。先週末にベーカーヒューズ社から発表された全米オイルリグ数が前週より83基減少の1140基となったことが好感された模様。全米オイルリグ数は、昨年10月10日に1609基まで増加したが、年明けより大幅減少が続いております。最近の全米オイルリグ数の推移は、12月16日1499基、1月2日1482基、9日1421基、16日1366基、23日1317基、30日1223基、2月6日1140基となり、ここに来て減少ペースが加速しております。

 三菱商事や三井物産、伊藤忠、住友商事、丸紅など国内大手商社のエネルギー事業での2015年3月期の減損見通しが5社合計で4500億円に達したことが報告されております。三井物産の岡田CFOは4日の決算会見で、「米シェールガスと北海油田で計480億円の減損を計上した。原油の急落幅は、想定を超えていた。世界中で予測できた人はいないのではないか。」と述べております。三菱商事 の内野CFOは「通期での資源エネルギー関連の減損額は最大700億円に膨らむ可能性がある。資源価格はしばらく低迷した状態が続かざるを得ない。」と述べております。国内大手商社でも今回の原油暴落でこれほどの損失見通しとなっていることから、米シェールオイル関連企業の原油暴落による損失見通しも相当な規模に達していることが想像出来ます。こうしたエネルギー関連企業の業績悪化見通しと全米オイルリグ数の大幅減少が足並みを合わせているように感じられます。こうしたエネルギー関連企業の大幅な業績悪化見通しに伴う大幅な全米オイルリグ数の減少により、供給過剰が供給不足に転じるのにそれほど時間を必要としないのかもしれません。「下げ相場は警戒・悲観・失望・絶望の心理過程を経て底を打つ」という相場格言がありますが、これまでの石油市場はまさに「警戒・悲観・失望・絶望」の心理過程を歩んできたといえるのではないでしょうか。


全米オイルリグ数
2月9日オイルリグ

東京ガソリンの60分足
東京ガソリンの60分足

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