昨夜のブレント原油は、全米原油在庫の増加を嫌気して一時58.6ドル付近まで下落したが、サウジアラビア石油相発言を受けて安値から3ドル強の急騰となりました。米エネルギー情報局(EIA)が発表した全米石油在庫統計では、原油が840万バレル増、ガソリンが310万バレル減、ディスティレートが270万バレル減となり、この3つの合計は260万バレル減と小幅減でした。原油在庫が市場予想の2倍ほどの急増となったものの、製油所稼働率の低下によりガソリンとディスティレートの在庫が減少する内容となりました。米国金融大手のゴールドマン・サックスやバンク・オブ・アメリカなどが先週に原油市場に対する弱気見通しを発表しており、両行は共に全米原油在庫の増加傾向を指摘しておりました。しかし、季節的要因やストライキにより米国の製油所稼働率が低下し、それに伴い全米原油在庫が増加傾向を続けているものの、その一方で製油所稼働率の低下によりガソリンやディスティレートが減少していることにも注目する必要がありそうです。

サウジアラビアのナイミ石油相は昨夜、「原油市場は落ち着いており、需要は拡大している」と述べ、この発言をきっかけに安値からブレント原油が3ドル強、NY原油が2ドル強の急伸となりました。昨年11月6~7日に開催された石油業界の国際会議の際に、サウジアラビア石油相が「サウジアラビアには減産の予定はない」との発言を行ったことにより、「OPEC総会で減産は行われない」との見方が広がり、ブレント原油が83ドル付近から急落をはじめ、同月28日のOPEC総会で減産が見送られたことで原油の下げ足が更に早まりました。昨年11月上旬からサウジアラビア石油相が一貫して弱気な見方を示唆する発言を繰り返し、それにクェートやUAE、イラクなどの石油相も同様な発言を繰り返したことで市場関係者に動揺が走り、それが原油下落の大きな要因でもありました。しかし昨夜、これまでと一転して強気な見方を示唆する発言を行ったことで、原油市場の雰囲気が一変しました。

 ブレント原油は、1月13日に45.19ドルまで下落して6年ぶりの安値を記録しましたが、2月2日に安値から20%以上の上昇となる強気相場入りとなりました。そして、2月17日に安値から約30%上昇となる63.0ドルまで上昇しました。しかし、「3割高に向え」という相場格言があるように高値警戒により高値から5ドルほど下落しました。しかし昨夜のブレント原油が61.7ドルまで上昇した事で、2月17日に記録した年初来高値にあと1.3ドルほどに迫っております。これにより、強気相場入り後の初押し完了となる可能性もあります。


ブレント原油の日足
ブレント原油の日足

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