米金融大手のバンク・オブ・アメリカやゴールドマン・サックスなどが改めて原油市場に対する弱気見通しを先週発表しました。それらの弱気見通しでは、供給過剰や全米原油在庫の増加傾向、米原油貯蔵能力の限界などを指摘しておりました。バンク・オブ・アメリカは、「全米原油在庫が過去最高を更新し、米国内の原油貯蔵能力の限界に近づいていることにより、生産者が原油のディスカウントに迫られる。」と指摘しております。こうした「米国の原油貯蔵能力の限界に近づいている」というフレーズは、原油に対する弱気派金融機関からのレポートで多く引用されております。今週発表されたEIA全米原油在庫が前週比840万バレル増の4億3400万バレルとなり、過去最高在庫となりました。しかし、米エネルギー情報局(EIA)から発表されたレポートは、多くの原油市場に対する弱気派金融機関に対して一石を投じるような内容となったのかもしれません。EIAは、米国の原油貯蔵能力が5億2100万バレルとなる推計を発表しました。現在の全米原油在庫が4億3400万バレルですから、原油貯蔵能力の83%程度しか使用していない計算となります。EIAの石油供給統計担当マネジャーは、「一見するとシェールブームによる供給増で原油在庫は貯蔵能力の上限に達しそうだ。しかし、パイプライン内部とリースタンクの貯蔵分を考慮して修正すれば、貯蔵能力の約60%を利用していることになる。」と述べております。パイプライン内部や油井周辺の報告されていない貯蔵能力を考慮すれば、米国の原油貯蔵能力にまだ大量な余力があると考えるべきかもしれません。「米国の原油貯蔵能力が限界に近づいている」ということを理由に弱気している投資家にとって失望するようなEIAの発表だったのかもしれません。