上海ゴムの取引中心限月である9月限が5.97%高のストップ高となり、80分ほど前からストップ高張り付きが続いております。

 上海ゴムの9月限は、2月末頃から取引中心限月となり、1万2200~1万3600元付近の範囲内での値動きを続けておりました。しかし本日の急騰により1万4195元まで上昇して昨年9月以来の高値となり、一代の最高値である発会日に記録した1万4470円に迫りました。現在値より高い値段が付いたのは、9月限の発会日からの3日間だけです。本日の急騰により買い方のほとんどが値洗いプラスとなり、値洗い的にマーケットの主導権を握ったことになります。また、本日の急騰により売り方のほとんどが値洗いマイナスとなったことで売り方の手仕舞いの買戻しが活発化し、上海ゴムの急騰に繋がった模様。

 スリトラン・アグロインダストリーなどアジアの大手ゴムメーカーは、シンガポールゴム取引所(SICOM)の指標価格付近での価格設定をやめ、大幅な値上げを行う計画があるそうです。そして、今年下半期からシンガポールゴム取引所の先物相場に大幅なプレミアムを乗せた価格を求める予定だそうです。スリトラン・アグロインダストリーの広報担当者は、「シンガポールゴム取引所の相場はもはやゴム生産の実際のコストを反映していない。」と述べ、シンガポールゴム取引所への受け渡しをやめるとも述べております。また、大手ゴムメーカーのハルシオン・アグリもアグロインダストリーと同様の方針をとることを表明しており、他のインドネシアの生産者も両者に足並みを揃えているそうです。この2社で世界のゴム生産の20%近くを占めます。それだけに、この2社に販売価格の大幅な上方修正をされると、世界の天然ゴム市場が大幅高する可能性もあります。


上海ゴム9月限の一代足
上海ゴム9月限の一代足

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