東京ゴムは、先週20日に年初来安値に迫る水準まで下落したものの、翌21日に急騰となり、22日と23日が小幅高となり、本日27日に再び急騰しました。最近のゴム市場に対し、「タイ政府の買い上げにも限界」とか、「供給過剰だから上がれない」というコメントを多く見かけます。しかしこうした弱気一色な雰囲気だからこそ上昇に転じたのかもしれません。

NY原油が40ドル前半にまで下落した今年1月や3月の時は、ゴールドマンサックスやシティバンクなど多くの金融機関から弱気見通しが発表されました。それを受けて多くのアナリストからも原油に対する弱気コメントが多く発表されたものの、その時の水準が底値となり、その後、NY原油は安値から20%以上の上昇となる強気相場入りとなりました。ゴム市場においても今年1月頃から需給面での弱気コメントが多く見られました。東京ゴムは、この1年間で50円ほど下落しており、この2年間で130円ほど下落しております。こまでの下落要因が「供給過剰」によるものであり、もはや現水準では「供給過剰」も既に織り込み済みということではないでしょうか。また、NY原油に対するアナリストコメントの大半がそうであったように、ゴム市場においてもアナリストの弱気コメントが多い時ほど、その後の反発に注意すべきかもしれません。そして、NY原油がこの1ヶ月ほどで安値から約36%も上昇しており、それに伴い石油から精製される合成ゴム価格も大幅上昇となりました。合成ゴムの大幅上昇により、天然ゴムの割安感が高まっていることも注目でしょう。また、上海ゴムが年初来高値を更新し、昨年9月以来の高値まで上昇したものの、東京ゴムは、まだ年初来高値を10円ほど下回っていることも注目でしょう。


東京ゴムの日足
東京ゴムの日足

上海ゴム9月限一代足の日足
上海ゴムの日足

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