本日の上海ゴムの日中取引が5.97%高となる今年最大の上げ幅を記録し、保合い上放れの様相を呈してきました。「大上放れ、大下放れは相場に付け」や「保合い放れにつけ」という相場格言もある事から、本日の上海ゴムの保合い上放れは注目でしょう。また、上海ゴムが今月9日の安値から約16.3%の上昇となり、強気相場入りとされる「安値から20%以上の上昇」まであと3.7%に迫りました。しかし、昨年12月9日に記録した安値(9月限で1万1620元)から本日の急騰により約23.6%の上昇となり、上海ゴムの取引中心限月がテクニカル的に強気相場入りしたことになります。「上昇に転じた相場は上昇を続け、下落に転じた相場は下落を続ける」という格言もあり、強気相場入りした上海ゴム市場に追随することも一考でしょう。

 最近のゴム市場に対し、アナリストによる弱気コメントも目立つように感じます。先週20日の東京ゴムが年初来安値に迫ったことで、市場の雰囲気が弱気一色に変化したのかもしれません。しかし、「千人が千人ながら弱き日には買え、万人強き日には売るべし」という相場格言もあり、「買いにくい相場は高い、買いやすい相場は安い」という相場格言もあり、多くのアナリストが弱気に傾いた時は、相場上昇のサインかもしれません。「強気相場は、悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成長し、幸福の中で消えていく」という相場格言があるように、強気相場の初期は、弱気一色で悲観に包まれている雰囲気の時ではないでしょうか。

 上海ゴムが本日の急騰により、昨年12月の安値から23.6%上昇となる強気相場入りとなったものの、東京ゴムは昨年12月の安値から13%ほどしか上昇しておりません。また、上海ゴムが本日の急騰により、2月下旬や昨年末の高値を上回り、昨年9月以来の高値まで上昇しました。しかし東京ゴムは、2月下旬の高値を13円ほど下回っているようです。また東京ゴムのテクニカルでは、昨年11月頃から190~195円付近で4回も下げ止まりとなり、底固めを繰り返してきたようにも感じられます。相場は、需給関係だけで動くわけではありません。相場は、時としてテクニカルを優先し、時として人気が優先される時もあります。そして今の上海ゴムのテクニカルや人気が大きく変化し始めていることに注目ではないでしょうか。相場を需給面でしか判断しないようでは、見えてこないことも多いように思います。

東京ゴムの日足

東京ゴムの日足

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