東京ゴムの昨日の日中取引は、2回目のサーキット・ブレーカーが発動し、年初来最大の上げ幅を記録しました。その後の夜間取引も更に上昇し、本日の日中取引も大幅高で取引が始まりました。昨日朝からの突然の暴騰により、売り方の踏み上げが加速しているようです。昨日の暴騰により、高値警戒を高めている投資家も多くなってきたのではないでしょうか。しかし、現在の産地価格や近年の大幅な円安進行を考慮すれば、高値警戒を感じなくなるのかもしれません。

 シンガポールゴムRSS3号の月足チャートを添付しております。チャートに記載している赤い横線は、150ドルラインです。テクニカル的には、2006年11月と2008年12月、2014年12月の安値で三尊底(トリプルボトム)を形成しております。2008年の安値が低く、2006年と2014年の安値が同水準であることから、かなり綺麗な三尊底の形といえます。上海ゴムの月足チャートでは、2014年12月の安値から僅かにしか上昇しておらず、高値警戒を感じるほどの水準でもないようです。しかし、東京ゴムでは、高値警戒感を感じる投資家も増えてきたようです。産地価格と東京ゴムとの値ごろ感の違いは、大幅な円安進行が原因となっているようです。今のドル円(1ドル=123円付近)が、昨年秋の1ドル=100円付近まで戻ると、東京ゴム(現在の先限が232円付近)は、232円÷123円×100円=約188円換算となります。東京ゴムが188円であれば、割安を感じる投資家も多いことでしょう。東京ゴムの6年ぶりの安値が昨年9月の173.8円ですから、ドル円が昨年9月から動かなければ、東京ゴムは、昨年秋に記録した6年ぶりの安値(173.8円)から15円ほどしか上昇していない計算となります。昨年秋からの大幅な円安進行を考慮すれば、東京ゴムの値ごろ感が違ってくることでしょう。

東京ゴムや上海ゴムが今月上旬から下旬にかけてじり安基調を続けたものの、それでもシンガポールゴムRSS3号が180セントを割り込みませんでした。仮に180セントを円換算すれば、1.8ドル×123円(ドル円)=約221円換算となります。ちなみに現在の東京ゴム当月限は220円付近で推移しております。東京ゴム当月限が昨日から暴騰しましたが、それでも上海ゴムの今月安値まで達していない計算となることは注目でしょう。昨年秋からの大幅な円安進行を考慮して東京ゴムを分析すれば、産地価格の現状が見えてくるのではないでしょうか。


シンガポールゴムRSS3号の月足
シンガポールゴムの月足

ドル円の週足
ドル円の1週足

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