昨日の上海ゴムは、前場で上昇して一時1万5000元台に突入したものの、午後からの中国株の急落を受けて、上げ幅を削りました。その後の夜間取引は、1.4%安と小幅安でした。そうした上海ゴムの失速に昨日の東京ゴムも上げ幅を削りました。

 昨日の上海総合株価指数は、前場で小幅高となって5営業日連続で年初来高値を更新しました。しかし、中国人民銀行が一部の金融機関に対象を絞ってレポを実施し、金融システムから数百億元規模の資金を吸収したことをきっかけに中国株が急落し、上海総合株価指数が6.5%安まで急落して取引を終えました。そうした中国株の急落に昨日の上海ゴムも反応して上げ幅を大きく削りました。中国人民銀行のレポ実施を受けて、一部の証券会社が信用取引融資の条件を厳格化したことにより、中国株の下げ足が早まりました。

中国政府は、昨年末から3度も政策金利を引き下げ、株式投資や不動産投資の規制緩和を行い、度重なる経済刺激策を実施してきました。そして今週25日には、大幅な輸入関税の引き下げによる内需刺激策を発表し、それを受けて中国株の上げ足が速まりました。週明けに内需刺激策を投入したことで中国株の上昇スピードが加速し、それを受けて中国人民銀行が28日にレポを実施して市場の沈静化に努めたようです。昨日の中国株の急落に対して欧州株式市場や米国株式市場がほとんど反応していないことから、それほど警戒する必要がないと受け止められているようです。中国政府が週明け25日に内需刺激策を投入した直後なだけに、中国政府のこれまでの緩和政策路線に変更は無いと受け止める向きが多いようです。ただ、先週より中国株の一部で大暴落する銘柄もあったことから、昨日の中国人民銀行によるレポ実施に警戒が高まったようです。

中国の太陽光発電メーカーである漢能薄膜発電の株価が先週20日に、1時間で47%も大暴落し、取引停止に陥ったことが話題となりました。同社会長の李河君氏は、フォーブス誌で「中国で最もリッチな男」として称えられるほどの人物ですが、同社株価が1時間で47%下落したことにより、「1時間の株価急落で李河君氏が資産を約150億ドル(約1兆8000億円)失った。」と報道され、注目されました。漢能薄膜発電の株価は、この1年間で約10倍にまで上昇していたことから、先週20日の大暴落で半値なったといっても、1年前の約5倍の株価水準を保っております。

週明けからの東京ゴムや上海ゴムの乱高下に対し、産地現物価格はじり高基調を続けており、比較的安定した値動きとなっております。昨日のシンガポールゴムRSS3号が187.5セント、タイのRSS3号オファー価格が189セントです。オファー価格を円換算すると、1.89ドル×123.8円=約234円換算です。オファー価格に対する輸入諸経費をキロあたり5円で計算すれば、輸入採算価格が約239円となります。それに対して東京ゴムの当月限が225円付近で推移していることから、輸入採算価格を14円ほど下回っている計算となります。ここまで大幅割安換算となれば、ちょっとした弾みで急騰する可能性もありそうです。