先週発表された米国トウモロコシの作物進度は、作付け95%(前週92%、前年94%、平年94%)。発芽が84%(前週74%、前年77%、平年79%)。作柄状況良以上が74点(前週74点)です。当初は、5月25日ごろに作付けが完了するとの見通しでしたが、作付けペースは例年並みとなりました。天候は、良好な日々が続いております。発芽状況は極めて良好です。先週発表で発芽が84%ですから、現時点でしたら発芽がほぼ完了したところでしょう。今の畑は、新芽が青々と広がっており、そろそろ「青田誉め」の時期を迎えそうです。「青田誉め」は、穀物相場特有の用語であり、まだ田畑が青い段階に、天候が良好で豊作が予想されることです。穀物相場では、青田誉めで売られたところは、目先の底となる傾向があります。シカゴコーンが昨年12月の4ドル台から5月28日の3ドル48セントまで下落しており、そろそろ十分に下げきったところかもしれません。また、ファンドなど大口投資家による買い越し枚数が昨年12月に28万枚付近まで膨らみましたが、この半年間の下落トレンドでファンドの買いポジションが玉整理され、5月5日から売り越しに転じました。買い方ファンドの玉整理が十分に進んだことから、そろそろ反発に注目するところかもしれません。

 昨年のIMM日本円におけるファンドなど大口投資家による売り越し枚数は、6万枚から12万枚付近の範囲で増減を繰り返しておりました。これは、日本と米国との金融政策の違いにより、「ドル買い&日本円売り」人気が高まったからです。米国は、年末までに利上げに動く可能性が高まっております。しかし、日本は緩和策を継続することから、日米金利差により、今後も円安基調が続くとの見方が多いようです。しかし、4月28日時点で大口投資家による買い越し枚数が5493枚にまで激減し、ファンドの多くが「ドル買い&日本円売り」のポジションを手仕舞いました。その後、ファンドが再び「ドル買い&日本円売り」のポジションを積み上げ始めたことを受けて、ドル円が1ドル122円を突破して一時125円付近まで上昇するなど、強烈な円安進行となりました。それと同じようにシカゴコーンでファンドが1年3ヶ月ぶりに売り越しに転じただけに、今後、ファンドが再び買い越しに転じれば、シカゴコーンが急騰する可能性もあります。


IMM日本円のファンドポジション
日本円のポジション

シカゴコーンのファンドポジション
シカゴコーンのファンドポジション