産地ゴム価格と産地ゴム在庫との関係は、「在庫減少傾向=プラス要因」となります。しかし、東京ゴム価格と国内在庫のような「消費国価格と消費国在庫」の関係は、「在庫減少傾向=マイナス要因」となり、「在庫増加傾向=プラス要因となる傾向もあります。国内在庫と東京ゴムのグラフを添付しております。これを見ると、東京ゴムが昨年1月から9月にかけて100円ほど急落する間、国内在庫が大幅減少を続けております。また、東京ゴムの昨年10月頃からの上昇トレンドでは、国内在庫が安定した増加傾向を続けております。その理由は意外と単純です。天然ゴムの価格上昇が予想される時や東京ゴムの上昇トレンド中は、国内商社が産地での買い付けを活発に前倒しして行うことから、国内在庫が増加傾向を続けます。そして、価格下落が予想される時や東京ゴムの下落トレンド中は、国内商社が産地での買い付けを嫌気して先送りする傾向も顕著となり、国内在庫が減少傾向を続けます。このことを勘違いすると、国内在庫と東京ゴムとの関係を間違えてしまいます。国内の営業倉庫在庫や指定倉庫在庫が昨年末から比較的安定した増加傾向を示しており、昨年5月の高水準在庫から比べてまだ低水準在庫であることから、東京ゴムが当面、上昇基調を続けると考えるべきかもしれません。


国内在庫と東京ゴム価格
国際在庫と東京ゴム