シカゴコーンの電子取引は、9時ごろに3セント高で始まり、現在は2セント高付近で推移。シカゴ小麦の電子取引が4セント高付近、シカゴ大豆の電子取引が5セント安付近で推移。12時50分時点での東京トウモロコシの外電換算値は60円安です。それに対して東京とうもろこしが240円安付近で推移しております。

北朝鮮や韓国では、過去100年で最悪といわれる干ばつ被害を被っており、国連人権高等弁務官事務所は27日、北朝鮮が非常に深刻な飢餓に直面しつつあるとして国際社会に対し支援を呼び掛けました。タイ中部の穀倉地帯では、30年ぶりとも50年ぶりとも言われる干ばつ被害に陥っており、中部穀倉地帯に農業・生活用水を供給する4つの主要ダムの貯水量がすでに30日分を割り込んでおります。それにより米の2期作中止を呼びかけており、農家に救援金を支給する措置を講じているものの、農家からの反発が続いております。パキスタンでは、20日からの熱波被害による死者が1100人を超えたことも報告されております。インドでは、5月下旬から6月上旬にかけての熱波被害による死者が2300人を超えたことも報告されております。オーストラリアでは、西オーストラリア州で猛暑、南オーストラリア州で干ばつ被害が発生しております。衛星写真では、10日ほど前から東南アジア周辺の熱帯収束帯(赤道海面上に帯状に広がる雲)がはっきりと確認されるようになり、赤道付近である程度の降水量を確保出来るようになりましたが、今週になり熱帯収束帯がかなり縮小しており、再びオーストラリアや東南アジア周辺の干ばつ警戒が高まってきました。

エルニーニョ現象は、東南アジア側で干ばつ被害を招き、南米側で洪水被害を招くとされております。気象庁が今月10日に発表したエルニーニョ監視速報は、「5月の太平洋赤道域の海面水温は、日付変更線付近から南米沿岸にかけて平年よりかなり高かった。エルニーニョ現象時の特徴を前月より明瞭に示しており、エルニーニョ現象が強まりつつある。今後、冬にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い。東南アジアの高温・少雨と米国西部の低温がエルニーニョ現象時の天候の特徴と一致していた。」と指摘しております。最近のシカゴ穀物市場では、米中西部穀倉地帯の天気ばかりが注目されておりますが、今後は、東南アジアやオセアニアの穀倉地帯の天候が材料視される可能性も高そうです。世界的な異常気象の広がりにより、2011~2012年の再来で「世界の食糧危機」が騒がれる可能性もあります。