5月2日に先進6カ国とイランとの核協議の暫定合意がなされましたが、その暫定合意が7月7日に期限切れとなることから、7日までに合意されるかどうかが原油市場の焦点とされております。しかし、イラン国営ファルス通信は、「最終合意は、暫定合意が期限切れとなる今月7日を1日ないし2日間超える可能性がある。」と伝えております。ケリー米国務長官は5日、「協議が引き続き進展しているが、われわれは最も難しい問題の幾つかで必要な所に達していない。」と述べております。イラン側は、最終合意後に経済制裁の即時撤廃を実施するように求めております。それに対して先進国側は、イランの最終合意後の動向を確認しながら、段階的な経済制裁の撤廃を求めております。現時点では、ケリー米国務長官のコメントからも協議が難航しているようです。

 イランのモアザミ石油省次官は、「経済制裁が解除されれば、イランの原油輸出量は現在の日量120万バレル前後から230万バレルに増えるだろう。」と述べております。イランは、石油埋蔵量世界4位であり、同国の石油生産能力は、経済制裁前に日量420万バレルに達しておりました。しかし現在は、経済制裁により日量120万バレル前後まで落ち込んでおります。EUは、2012年にイランへの経済制裁を課し、大半の大手企業がイランと協力するのを禁じました。今週の原油市場は、核協議の行方次第の展開となりそうです。