世界最大の白金鉱山会社である南アフリカのアングロ・プラチナ社が、7月24日に数千人規模のリストラを発表する可能性があることを、同社関係者からのコメントとして伝えられております。その記事は、現地紙の「ニュース24」や「南アフリカ労働党新聞」にも掲載されております。アングロ・プラチナ社は、15万1200人の従業員に対して5%~20%の人員削減を行う計画を表明しております。

世界最大の白金鉱山会社であるアングロ・プラチナ社のCEOは2月23日、「昨年の5ヶ月間に及ぶストライキの影響により、2014年の収益が40~55%減少、それにより一株利益が250~335セントとなる見通し。また、昨年のストライキの影響で53.2万オンスの生産障害が生じたことから、株主への利益確保のために、昨年ストライキが発生した南ア・ルステンバーグ地区の白金鉱山を売却する必要がある。」と述べております。また、アングロ・プラチナ社の親会社であり世界最大級の資源メジャーであるアングロ・アメリカ社のCEOは昨年12月、2017年までに大幅な人員削減を実施する計画を発表しました。それによると、人員数(約10万2000人)に対して2017年までに6万人にまで縮小するというものでした。そして同社CEOは、2016年までに少なくとも15%の資本収益率を高めることを目的に資産売却を進め、2015年からルステンバーグ地区の3つの白金鉱山の売却プロセスを始めることを述べております。アングロ・アメリカ社CEOが「2015年からルステンバーグ地区の3つの白金鉱山の売却プロセスを始める。」と述べておりますが、「ルステンバーグ地区の3つの白金鉱山」を所有しているのはアングロ・プラチナ社です。ただ、アングロ・アメリカ社がアングロ・プラチナ社の株式のほとんどを所有していることから、アングロ・アメリカ社の意向にアングロ・プラチナ社も従う必要があるようです。

 7月24日にアングロ・プラチナ社が数千人規模の人員削減策を発表することになれば、白金相場が高騰する可能性もあります。アングロ・プラチナ社では、2012年に発生した55日間のストライキの影響により大幅赤字転落となり、2013年1月に再生計画(40万オンスの生産削減、ルステンバーグを中心に最大1万4,000人の人員削減、4つの鉱山シャフトの停止、1つの鉱山売却)を発表し、それに伴い東京白金が1ヶ月間で1000円ほど急騰した経緯があります。昨年は、5ヶ月にも及ぶストライキが実施されただけに、ここで大規模人員削減策を発表する可能性もあります。そして、大規模人員削減に対する労働組合の反発も予想されることから、リストラ発表と同時にストライキに突入する可能性もあります。

 現在は、東京白金が東京金を228円ほど下回っており、NY白金が2009年3月以来の安値水準です。しかもNY白金は、この1年間で30%ほど下落しております。そろそろ東京白金の買い場探しではないでしょうか。

NY白金の月足
tNY白金の月足

NY白金の週足
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