昨夜の原油市場は、ギリシャ問題や中国株問題などによりマーケット全体がリスクオフの流れとなったことに圧迫されました。また、先進6カ国とイランとの核協議の最終期限を前にして警戒感が高まったようです。5月2日の暫定合意が7月7日に期限切れとなることから、7日までに核協議が最終合意となるのかが注目されております。イランの石油輸出量は、経済制裁により日量420万バレルから日量120万バレル付近まで減少しております。本日中に最終合意となれば、イランからの原油輸出が増加するとの思惑が原油市場を圧迫しているようです。イラン側は、最終合意により経済制裁の即時撤廃を求めておりますが、先進国側は、経済制裁の段階的撤廃を主張しており、その辺りがいまだ対立しているようです。

 ブレント原油が今朝3時過ぎに56.39ドルまで下落し、現在は57.28ドル付近で推移。これにより1月からの約25ドルの上昇に対する半値押し完了となるだけに、テクニカル的に注目されるところでしょう。先進国側は、最終合意後の経済制裁の段階的撤廃を頑なに主張していることから、たとえ最終合意に至っても、イランの原油輸出がすぐに回復するとは考えにくいものがあります。そして、本日中に最終合意に至らなければ、5月2日の暫定合意が期限切れで無効となることから、原油価格の急反発を招く可能性もあります。テクニカル的にもブレント原油が「半値押し完了」となっているだけに、ここからの東京バージガソリンの強気な見方も一考ではないでしょうか。


ブレント原油の日足
ブレント原油の日足

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