本日の上海総合株価指数は、2.6%安で前場の取引を終えました。先週27~28日の2連騰により、26日に記録した年初来安値から13.4%も大幅上昇しているだけに、本日の前場での小幅下落はスピード修正といったところでしょうか。今週4日に米雇用統計の発表が控えており、雇用統計が良好な内容となれば、マーケット全体がリスクオンに大きく動きそうです。しかし、雇用統計が予想外に悪化すれば、「中国経済成長の鈍化が影響を及ぼした。」と受け止められて、マーケット全体がリスクオフの流れになることも予想されます。現時点での雇用統計に対する市場予想平均は、失業率が前月比0.1%改善の5.2%。非農業部門雇用者数は、前月の21.5万人増に対して今回は22万人増です。現時点では、失業率と非農業部門雇用者数が共に前月発表値より改善される見通しとなっており、市場予想通りとなれば、投資家しんり心理がリスクオンの流れとなりそうです。

上海証券報は31日、中国上場企業の上半期利益(1~6月期利益)が前年比8.66%増加したことを発表。増加率は、2014年上半期の10%増加から少し低下しました。上海証券報によると、利益の伸びは大手優良企業より中小企業の方が高く、深セン証券取引所の新興企業向け市場となるチャイナネクストに上場する企業の増加率が20.5%になったそうです。昨年までの中国企業の成長が大手優良企業を中心としたものであったことから、今年上半期で中小企業を中心に利益率が伸びたことは好感されそうです。また、中国経済成長の鈍化が騒がれて上海総合株価指数がこの2ヶ月間で半値近くまで急落しましたが、その割に中国上場企業の上半期利益が前年比8.66%増加に留まっていることは好感が持てそうです。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は29日、2015年の中国の経済成長率は、従来のIMF予想(6.8%)に近い水準を維持するとの見通しを明らかにしました。同専務理事は、「中国経済の減速は予想可能で、実際に予想されていた上、避けられるものでもなかった。」と述べ、中国の経済成長率を6.6~6.8%前後となる見通しを示しました。IMFが2015年の中国の経済成長率を6.8%に近い水準と予想していることは、「IMFが中国の経済成長に対して意外と堅調な見方をしている。」と感じられるのではないでしょうか。

今週の中国の主な経済指標発表は、明日1日に中国当局から8月の製造業PMIが発表されます。また、同日に財新&マークイットから8月の財新製造業PMI改定値(旧名:HSBC製造業PMI改定値)の発表も控えております。中国当局から発表される8月の製造業PMIは、前回発表値の50ポイントに対して49.7ポイント予想です。財新&マークイットから発表される財新製造業PMI改定値は、速報値の47.1ポイントに対して改定値の市場予想平均が47.2%となっております。これらの発表は、中国当局からの発表が明日10:00、財新&マークイットからの発表が明日10:45となっております。目先的には明日の午前中に発表される中国の両製造業PMIの発表に注目といったところでしょうか。