東京白金は、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス試験不正問題を受けて、ディーゼル車に対する欧州の需要が冷え込むとの懸念が高まり、9月24日からの4営業日で300円ほど急落しました。しかし、VWの排ガス試験不正問題を受けて排ガス規制の強化が進むとの思惑から、東京白金が10月5日から19日にかけて安値から470円ほど上昇しました。また、VWの排ガス試験不正問題を受けて暴落した欧州の自動車触媒製造企業の株価は、9月下旬から15~27%ほど上昇しております。金融大手のHSBCは、大手白金精製メーカーであるジョンソン・マッセイの投資判断を「買い」としており、その理由を、「VWの排ガス試験不正問題や実走行による排ガス試験(RDE)導入の動きは、触媒製造企業にとって概ねプラスの材料だ。排ガスの規制強化で自動車メーカーは新型で強力な触媒装置をこれまで以上に多く使わざるお得なくなる。」と指摘しております。欧州委員会は今月、排ガス規制の強化を目指して、窒素酸化物(NOx)を対象とした実走行による排ガス試験(RDE)導入計画をめぐる行き詰まりを打開すべく会合を行っており、欧州で新たなNOx試験は、来年初めに導入される見通しとなっていることも伝わっております。それにより、触媒コンバーターの主要材料である白金の需要が増加するとの観測が最近の白金価格を押し上げているようです。

 VWの排ガス試験不正問題が発覚した直後は、ほとんどのアナリストが、白金価格に対する悲観的な記事を配信しており、その時に「VWの排ガス試験不正問題」を強材料と判断したアナリストがどれだけいるのでしょうか。


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