NY天然ガスの状況を分析すれば、今のNY原油のヒントとなりそうです。今年の米国は、近年まれに見るほどの暖冬となり、暖房用燃料需要がこの時期としては異例なほど低下しており、米ディスティレート在庫が11月13日終了週から5週連続で増加しました。そうした低調な暖房用燃料需要により米製油所稼働率も伸び悩んでいることが米原油在庫の増加要因の1つとなっております。

NY天然ガスは、記録的な暖冬を受けてリーマン・ショック時の安値を30%ほど下回っております。特に今月になって3割ほど下落したことが目立ちます。そして、低調な暖房用燃料需要を受けて米ガスリグがこの1ヶ月間で約13%も減少しており、天然ガス業界の苦悩が感じられます。

 ウエザーニュースの予報によれば、米国の気温が今週末頃から低下し、来週は平年並みの気温となる見通しです。また、年明けの第1週も平年並みの気温となる見通しです。今週末頃からの米国の気温低下と共にこの1ヶ月間で3割ほど大幅下落したNY天然ガスが上昇に転じ、NY原油も上昇に転じる可能性もあります。この1ヶ月間で米ガスリグが大幅減少したことにより天然ガスの供給量もかなり絞られていることから、ここで米国の気温が平年並みにまで低下して暖房用燃料需要が平年並みに回復すれば、エネルギー市場全体が大きく反発する可能性もあります。

 NY天然ガスは、18日に1.684ドルまで下落して年初来安値を記録しましたが、翌21日に大幅高となったことは気になります。NY天然ガスは、先週より2001年の安値を割り込んで1999年以来の安値を記録していることから、いつ反発してもおかしくはないのかもしれません。また相場では、多くの投資家の「一歩先」を考えることも必要であることから、米国の気温が平年並みにまで低下する前に買い場を探す必要があるのであれば、今週前半は、「買いの急所」となる可能性もあります。ウエザーニュースの予報によれば、ニューヨークの最高気温は、24日に22℃まで上昇する予報ですが、28日には10度まで低下し、1月1~4日は最高気温が8℃まで低下する見通しです。今週24日までのニューヨークであれば、Tシャツでもいけそうな気温です。しかし、来週明けにはコートが必要となりそうです。だからこそニューヨークがTシャツでもいけそうな気温の間に買い場を探すことも一考ではないでしょうか。

NY天然ガスの日足
NY天然ガス

米オイルリグ&ガスリグ1
米オイル&ガスリグ数

米オイルリグ&ガスリグ2
米オイル&ガスリグ

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