海外市場では、年末年始で相場が急騰することもあります。この時期はよく「クリスマス・ラリー」とか「サンタクロース・ラリー」とも呼ばれるアノマリーもあります。欧米では、クリスマスの前後1~2週間でクリスマス休暇をとる習慣があります。投資家の多くがクリスマス休暇前に手仕舞いを進めることにより、クリスマス休暇明けとなる年末頃から新たなポジションを始めようとする投資家が増加し、年末頃から相場が急騰する傾向もあるようです。一方、日本では、投資家の多くが正月の前後1~2週間で長期休暇をとる習慣があり、正月休暇前に手仕舞いを進める投資家も多いようです。それにより、正月休暇明けから新たなポジションを始めようとする投資家により相場が急騰する「ご祝儀相場」という現象が発生する傾向もあります。欧米の一般的なクリスマス休暇明けあたりから日本の一般的な正月休暇が始まります。日本の「正月休暇明けからのご祝儀相場」に当たるのが欧米では「クリスマス休暇明けとなる年末からの値動き」といったところでしょうか。

リーマン・ショック時のNY原油は、2008年12月25日に32.40ドルの安値を記録しましたが、その安値から7営業日後となる1月6日に50.47ドルまで18ドルほど急騰した経緯があります。その間に東京ガソリンが1万円、東京ゴムが45円ほど急騰しました。

今年のNY原油は、チャイナ・ショックの影響を受けて12月21日に33.98ドルの安値を記録し、リーマン・ショック時の安値(32.40ドル)まであと1.58ドルに迫りました。そして、その安値から2営業日後となる昨日23日に37.95ドルまで上昇しており、ここまでの値動きを見ても、「2008~2009年の年末年始の値動き」を彷彿させます。今年は、「2008~2009年の年末年始のアノマリーの再現」となる可能性もあり、NY原油の動向に注目かもしれません。そして、原油市場が大きく動けば、資源銘柄も大きな影響を受けることになります。今年は、非鉄金属や天然ゴム、白金、原油などの資源銘柄の多くがチャイナ・ショックの影響で大幅下落した直後なだけに、「年末年始のアノマリー」を例年以上に注目する必要もあるのではないでしょうか。