昨夜のNY原油は、前日まで4営業日続いた32ドル台の上値抵抗線を突破して上げ足を速め、一時34.82ドルまで上昇し、現在の電子取引は33.55ドル付近で推移。ロシアとサウジアラビアの減産の可能性に昨夜の原油市場が反応した模様。

 ロシアのノバク・エネルギー相は28日、「前回のOPEC総会でサウジアラビアが原油価格の下落に歯止めをかけるために、産油国各国が生産量をそれぞれ最大5%削減することを提案した。その提案は今後討議していく必要がある。2月に開催されるOPECとの会合にロシアは出席し生産政策の協調を話し合うことにやぶさかではない。」と述べました。それを受けてサウジアラビアやロシアが減産に前向きな姿勢を示したと受け止められて昨夜の原油価格が大幅高となったようです。また、ノバク・エネルギー相が「2月にロシアとOPECとの会合が開催される。」と述べたことで、ロシアとOPECとの緊急会合の可能性が急浮上したことも原油価格の上げ足を速めました。

 複数のOPEC関係者からは、「今のところそうした協議が計画されているという情報は得ていない。」との発言も有り、「2月に開催されるロシアとOPECとの緊急会合」は、現時点では正式に決定していないようです。しかし、ロシアのノバク・エネルギー相が「2月に開催されるOPECとの会合にロシアは出席し生産政策の協調を話し合うことにやぶさかではない。」と述べているだけに、「ロシアとOPECとの緊急会合が2月に開催される可能性は高い。」と考えるべきかもしれません。

 減産案が2月に開催されるOPECとの会議でも有効なのかとの質問に対し、ノバク・エネルギー相は28日、「それこそまさに討議事項だ。」と述べております。ロシアとOPECが共に5%の減産を実施すれば、世界の原油生産が約2%減少し、世界の原油需給が供給過剰から需給逼迫に転じる計算となります。前回のOPEC総会でサウジアラビアが提示したとされる「5%の減産案」が合意されれば、米シェールオイル開発を促進するためにNY原油が60ドル以上にまで上昇する可能性も高まります。

 


NY原油の週足
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