昨夜のNYダウは、269ドル高の1万7409ドルとなり、3営業日ぶりの上昇となりました。原油価格が上昇したことや、英国離脱問題が幾分和らいだとの見方からリスクオンの流れを強めた模様。それでも昨夜のNY金が1ドル高となったことは注目でしょう。

昨夜のEU首脳会談では、各首脳が英国に対して離脱に向けた計画を明らかにするよう求めました。各首脳は、不透明感を一刻も早く払しょくさせたいようです。ドイツのメルケル首相は、英国が今後のEU離脱交渉で、移動の自由などを許容することなくEU単一市場へアクセスすることは許されないとの見解を示しました。ノルウェーは、EUに加盟していないものの、EUからの移民を受け入れるという条件でEU単一市場へのアクセスが許されております。英国がEU離脱を決定した主な理由は、「EUからの移民問題」とされております。EUから離脱することで移民流入を食い止め、EUへの拠出金を減額させる反面、これまで通りにEU単一市場へのアクセスを求めるという英国の思惑に対してドイツのメルケル首相が反発したことは当然のことでしょう。EUとしては、英国に対してEU離脱に対する厳しい取り決めを行い、英国に続く更なる離脱国を防止する必要もあり、今後の英国とのEU離脱交渉は相当難航しそうです。

昨夜のEU首脳会議でドラギECB総裁は、英国のEU離脱決定を受けてユーロ圏の成長率が向こう3年に従来予想(2016年が+1.6%、2017年が+1.7%)より0.3~0.5%程度押し下げられる可能性があるとの見方を示しました。今回の英国国民投票の結果を受けてEUと英国とのわだかまりが深まり、双方の経済にとってマイナスとなりそうです。多くのEU諸国は、低迷を続ける経済成長によりマイナス金利まで導入しており、未だEUソブリンショックから立ち直っておりません。それに加えて今回の英国のEU離脱問題がEU経済を更に圧迫することにより、どこでEUソブリンリスクが再燃してもおかしくないような状態です。くすぶり続けるEUリスクを背景として金相場は、今後も堅調地合いを続けそうです。