今朝7時頃のドル円は、1ドル=104.6円付近で推移しておりました。しかし、12時半ごろに一時1ドル=106.5円付近まで円安に進み、14時ごろに1ドル=105.2円付近まで円高に進みました。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、「日本政府が景気対策で50年債の発行を検討している。」という記事を掲載したことを受けて大型経済対策観測が高まり、円安が加速しました。その後、財務省理財局が、「50年債発行の検討の事実はない。」との見解を明らかにし、円高が加速しました。そうした一連の報道を受けてドル円は、今朝から1.8円ほど円安に進み、その後、12時半ごろから1.2円ほど円高に進みました。

 今回の参議院選後にバーナンキ元FRB総裁が来日して安倍首相や黒田日銀総裁と会談を行い、それを受けてヘリコプター・マネー期待が高まり、円安が加速しました。しかし、「現時点ではヘリコプター・マネー実施の必要性も、実施する可能性もない。」と述べた6月中旬の黒田日銀総裁発言の公開でヘリコプター・マネー期待が後退して円高が加速しました。そして今回は、「日本政府が景気対策で50年債の発行を検討している。」との報道により円安が加速し、その直後に財務省理財局が、「50年債発行の検討の事実はない。」との見解を明らかにすると円高が加速しました。経済対策についての噂が先行し、その後、噂が否定されるようなパターンが続いております。しかし、「火の無いところに煙はたたない」ということわざもあり、今後も経済対策の噂が続出すると考えるべきかもしれません。
ドル円の5分足
ドル円の5分足

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