下記の記事は、先週末26日に掲載したコメントです。

8月26日

天然ゴム市場「主要3カ国による天然ゴム輸出削減策の4カ月延長が決定」

今週の東京ゴム市場は、25日の8月限納会に向けて期近限月が急落しました。8月限が6営業日で30円ほど急落し、東京ゴムの当限と先限との価格差が一気に縮まりました。主生産国による輸出削減策の期限切れが迫っていることで、天然ゴム市場への売り人気が高まった模様。国際天然ゴム協議会(ITRC)加盟3ヵ国のタイ、インドネシア、マレーシアは、3月から8月までの6ヵ月間で61万5000トンの天然ゴム輸出を削減することで合意しました。そうした主生産国による価格テコ入れ策を背景として主産地の天然ゴム現物価格が強含みを続けたものの、価格テコ入れ策の期限切れとなる8月末を前にして東京ゴムの下げ足が速まったようです。

3月から開始されている輸出削減策の期限切れが迫る中、ジャカルタで開催されていたタイとインドネシア、マレーシアによる3カ国会合では、9月から12月にかけて計8万5000トンの追加輸出削減策が決定したことをインドネシアのゴム工業当局者が伝えております。3~8月の輸出削減策が6か月間で計61万5000トン規模であり、9~12月の追加輸出削減策が4カ月で8万5000トン規模ですから、追加輸出削減策の規模がいささか小さいようにも感じられます。しかし、12月までの追加輸出削減策を決定したことにより、主要3カ国による12月までの天然ゴム輸出が制限されることになります。

3月から実施されている61万5000トン規模の輸出削減策が予定通りに8月末に終了すれば、それまで輸出量を制限していた主要3カ国による天然ゴム輸出が9月から急増するとの思惑により8月中旬ごろから東京ゴムの期近限月が急落したようです。しかし、ここで4か月間の追加輸出削減策が決定されたことで、東京ゴムが再び上昇基調に転じる可能性も高まってきました。ここは、東京ゴムへの強気な見方も一考ではないでしょうか。