テクニカル分析やファンダメンタルズ分析で見えないことが内部要因分析で見えてくることもあります。それだけに、シカゴコーンのファンドポジションの変化から内部要因を分析することも重要です。

 シカゴコーンのファンドの買い越し枚数が29~34万枚付近まで増加すると、シカゴコーンが天井圏となる傾向もあります。過去2年半でファンドの買い越し枚数が29~34万枚付近まで増加したことは4回あり、4回ともシカゴコーンが天井圏となりました。最近では、ファンドの買い越し枚数が6月14日に36万2525枚まで増加し、シカゴコーンが4.4ドル付近まで上昇して年初来高値を記録しました。

シカゴコーンのファンドの売り越し枚数が6~11万枚に達すると、シカゴコーンが底値圏となる傾向もあるようです。過去2年半でファンドの売り越し枚数が6~11万枚付近まで増加したことは4回あり、4回ともシカゴコーンが底値圏となりました。最近では、ファンドの売り越し枚数が9月6日に6万1230枚まで増加し、それと共にシカゴコーンが3ドル付近まで下落して年初来安値を記録しました。

 米農務省が9月12日に発表した需給報告では、米国産のトウモロコシと大豆が共に過去最高となる生産高見通しを発表しました。しかも米国産のトウモロコシと大豆は、昨年まで2年連続で豊作となっております。「過去最高の豊作見通し」&「3年連続で農作となる見通し」となれば、投資家心理が総弱気となり、ファンドの売り越し枚数が急増することになりましたが、それでもシカゴコーンは、9月12日の需給報告発表後からじり高基調を続けております。

 「千人が千人ながら弱き日には買え、万人強き日には売るべし」や「大衆は天井で強気し、底で弱気する」という相場格言もあり、投資家やファンドの大半が総弱気となるような場面では、ファンダメンタルズ的な材料に惑わされるよりも、内部要因を冷静に分析する方が良いのかもしれません。ここは、シカゴコーンのファンドポジションの変化に注目ではないでしょうか。
ファンドポジション