2月1日

原油市場

 NY原油の電子取引は、昨夜のNY市場で一時53.5ドルまで上昇しましたが、今朝4時頃に52.6ドル付近まで下落し、現在は52.8ドル付近で推移しております。NY原油の電子取引は、7営業日ほど52.3~54ドル付近での小動きを続けております。OPEC加盟国と非加盟国による協調減産が順調に進んでいることを好感して底堅い展開を続けている反面、米国の在庫増加や増産に圧迫されて上値が重い展開も続いており、かなり狭い範囲内での上下動を続けております。

今朝発表されたAPI週間石油在庫統計は、原油が330万バレル増予想に対して580万バレル増、ガソリンが100万バレル増予想に対して290万バレル増、ディスティレートが90万バレル減予想に対して230万バレル増、クッシング原油が90万バレル減となりました。製油所稼働率は、0.5%低下の87.8%でした。原油とガソリン在庫の増加傾向が続いております。そして、2~3月のエネルギー需要の不需要期に向けて製油所稼働率の低下も続いております。

 トランプ政権による環境規制の緩和により、米国内でシェールオイル開発が進むとの観測もあります。トランプ政権は、地球温暖化防止を目指すパリ協定からの脱退を目指しているとされております。環境規制の緩和を行って米シェールオイル開発を促進させれば、原油価格が急落する可能性もあります。その反面、トランプ政権が輸入原油に対する国境調整税を課せば、米国内の原油価格が上昇するとの見方もあります。しかし、そうなれば米シェールオイル開発が促進されるものの、世界的な原油価格の急落を招く可能性もあります。中東産原油の輸入に依存している日本にとっては、トランプ政権による米シェールオイル開発の促進は、「国内原油価格の下落要因」と考えるべきかもしれません。トランプ政権は、まだ環境規制の緩和も輸入原油に対する国境調整税も実施しておりませんが、いずれそれらの大統領令に調印すれば、原油価格が大きく動くことになるのかもしれません。そして、ブレント原油とNY原油の価格逆転を招く可能性も高まりそうです。

2月31日

金市場

 昨夜のNY市場では、トランプ政権に対する不透明感からリスクオフの流れが強まり、米国株安とドル安、円高が進みました。昨夜のNYダウは、107ドル安となりました。それにより、「リスクヘッジのNY金買い」や「ドルの代替銘柄としてのNY金買い」が進みました。現在のNY金の電子取引は、昨日15:15比で16ドル高です。しかし、ドル円は、昨日15:15比で40銭の円高です。

 現在の東京金は、NY金の電子取引の16ドル高とドル円の40銭の円高を受けて16円高の4382円付近で推移しており、小幅高に留まっております。NYダウが2日間で229ドル幅も下落しましたが、それでも東京金は、2日間で5円ほどしか上昇しておりません。東京金にとっては、「リスクヘッジのNY金買い」や「ドルの代替銘柄としてのNY金買い」が進んでも、それらを円高が相殺しております。

 IMM日本円におけるファンドポジションは、11カ月間ほど買い越しを続けましたが、昨年11月29日に売り越しに転じ、昨年12月27日には売り越し枚数が8万7009枚にまで膨れ上がりました。その後、売り方ファンドのポジション整理が少し進み、1月24日時点で売り越し枚数が6万6940枚です。売り方ファンドのポジション整理が更に大きく進む円高となれば、ポジション整理一巡により円高進行が止まる可能性もあります。現時点では、円高余地がまだあると考えるべきかもしれません。

IMM日本円のファンドポジション