CFTCから先週末に発表されたNY原油におけるファンドの買い越し枚数は、4万8151枚増の55万6607枚となり、またも過去最高を更新しました。ベーカーヒューズから先週末に発表された米オイルリグ数は、5基増の602基となり、昨年5月下旬から増加傾向を続けております。

 NY原油におけるファンドの買い越し枚数は、昨年11月29日時点で28万7881枚でしたが、今年の2月21日時点で55万6607枚にまで増加しました。しかも、昨年11月29日から12週中11週でリグ数が増加しております。

 NY原油におけるファンドの買い越し枚数は、昨年11月の米大統領選後からかなりハイペースで増加傾向を続けており、トランプ・ラリーの影響を強く受けてきたようです。トランプ大統領は、輸入原油に対する国境税導入などで米国シェール業界を支援するとの思惑がファンドの大量買いを誘っているようです。一方、OPEC加盟国と非加盟国による協調減産に注目が集まっているものの、リビアやナイジェリアの大幅増産も無視できなくなってきました。そして、最近の米オイルリグ数の増加傾向を考えれば、今後も米原油生産の増加傾向が続きそうです。明日28日のトランプ大統領の議会演説で、法人税に対する発表が行われると、これまでのトランプ・ラリーにとって、相場格言でいうところの「噂で買って、事実で売れ」となる可能性もあるだけに、トランプ・ラリーと共に上昇を続けてきた原油市場の急落に注意する必要もありそうです。
NY原油のファンドポジション
米オイルリグ数