金需要の内訳は、宝飾品52%、小売り投資27% 公的部門の購入12% 工業用9%です。それに対して白金需要は、工業用56% 宝飾品33% その他11%です(2014年、WGCデータ)。それにより白金相場は、金相場の影響も受けますが、同じ工業原料となる資源銘柄の影響も受けます。それにより、中国の資源銘柄の動向は参考になります。

 中国の商品先物市場でトップクラスの売買高を誇る上海鉄筋は、2月27日に年初来高値を付け、NY白金も2月27日に年初来高値を付けました。その翌日から上海鉄筋とNY白金が下落基調に転じております。中国の資源銘柄の多くは、前月末頃に年初来高値付近まで上昇し、その後は、下落基調に転じております。

 NY金とNY白金は、2月27日に年初来高値を記録し、その後は下落基調に転じております。こうしてみると、NY白金は、NY金の値動きをトレースしているように感じられます。しかし、NY金が40ドルほど下落する間にNY白金は、67ドルほど下落しております。これは、NY白金が、「NY金の下落」と「資源銘柄全体の下落」を受けて下げ幅が大きくなったと考えるべきかもしれません。

 NY金に関しては、3月15日のFOMCで利上げが確実視され始めているだけに、「3月15日のFOMCに向けて下落する」を考えるべきかもしれません。そして、中国の資源銘柄の多くがこの3年間の最高値付近まで上昇してきたことから、資源銘柄全体が本格的な下落となる可能性もあります。白金の「貴金属としての特徴」と「工業製品の原材料としての特徴」を考えれば、3月27日頃からNY金と資源銘柄の多くが下落基調に転じているだけに、白金の更なる下落に注目するところかもしれません。
NY金の日足
NY白金の日足

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