3月30日(昨日配信しました記事です)

原油市場

 昨夜のNY原油は、EIA週間石油在庫統計を好感して上昇しました。昨夜発表されたEIA週間石油在庫統計は、原油90万バレル増、ガソリン370万バレル減、ディスティレート250万バレル減となり、製油所稼働率は1.9%上昇の89.3%でした。原油在庫の増加ペースがかなり鈍化したことや、ガソリンとディスティレートの減少傾向が続いていることが好感されました。そして、製油所稼働率が2週間で4.2%上昇したことも好感されました。しかし、米原油生産は、1万8000バレル増の日量914万7000バレルとなり、増産ペースが続いております。

これまでのNY原油は、米国の原油在庫が大幅増加を続け、下落基調を余儀なくされました。米国の製油所稼働率が年初から低下を続けたことで、原油在庫が増加を続けることになりました。米国では、2月はエネルギーの不需要期のピークですから、年初から原油在庫が増加を続けたことは、季節的にも仕方がなかったことです。しかし、今月になって製油所稼働率が上昇を始め、ようやく米国のエネルギー需要が増加傾向に転じてきたようです。それを受けて原油在庫の増加ペースがかなり鈍化し始めており、減少傾向に転じるのは時間の問題かもしれません。

米国のエネルギー需要のピークは8月と12月となり、製油所稼働率が95%付近まで上昇します。その反面、不需要期のピークが2月と10月となり、製油所稼働率が85%付近まで低下します。添付している製油所稼働率のグラフを見ると、米国のエネルギーの需要期と不需要期がよくわかります。これから8月に向けて製油所稼働率が上昇を続け、原油在庫も減少傾向を続けることが予想されます。そして、もうすぐ春のドライブシーズンを迎え、エネルギー需要が増加する時期を迎えることから、それに伴いNY原油も下値を切り上げることが予想されます。
製油所稼働率1
製油所稼働率2
原油在庫