下記の記事は、先週末に制作した過去記事です。

4月14日

トルコリラの行方「主明けの国民投票を受けて乱高下の可能性」

 トルコリラ・円は、1トルコリラ=29.475円付近まで下落し、史上最安値付近にまで迫ってきました。トルコリラ・ドルも史上最安値付近まで下落しており、来週16日のトルコ国民投票に向けてトルコリラ売りが進んでおります。16日の国民投票では、大統領に実権を集中させる憲法改正の是非が問われます。

 トルコの政治は、首相を頂点とした政治体制です。そして、首相就任は最長で3期(12年間)までと定められております。それにより3期目を終える直前に当時のエルドアン首相がそれまでトルコになかった大統領職に就任しました。エルドアン大統領は、今回の国民投票で、大統領を頂点とした制体制を目指しております。問題は、昨年7月のクーデター未遂以降、兵士や判事、教師、政治家、記者に至るまで11万人以上の公務員がエルドアン大統領の命令により拘束され、停職や免職になったことです。そして、多くのメディアも廃業に追い込まれました。国民投票の結果次第では、「エルドアン大統領の2029年までの任期延長」が正式決定することになります。そうなると、「長期独裁政権」の様相を呈する可能性もあり、トルコの政治的不透明感から「トルコからの投資家放れ」が進み、トルコリラ売りが更に進むことも考えられます。

 今月8~9日に10県・1400人を対象に行われた国民投票に対する世論調査では、賛成51.3%、反対48.7%でした。今月5~10日に26県・4000人を対象に行われた世論調査では、賛成52%、反対48%でした。この流れでは、週明けの国民投票では、賛成が過半数を占める可能性があります。ここは、トルコリラの更なる下落に警戒するところかもしれません。下記の2つの記事は、トルコリラに対して昨年12月13日と今年の1月11日に制作した過去記事です。参考にどうぞ。

トルコリラの月足
トルコリラの週足


下記のコメントは、私が昨年12月13日に制作した過去記事です。参考にどうぞ。

12月13日

トルコリラ「トルコリラの長期下落の可能性に注意」

トルコリア・円は、英国国民選挙の結果を受けて、6月24日に1トルコリラ=32.69まで下落して最安値を記録しました。その後、米大統領選の結果を受けて11月9日に1トルコリラ=30.36円の最安値を記録しました。英国国民選挙と米大統領選の時に日本円が大きく円高に進んだことを受けて、トルコリラ・円が最安値を更新することになりました。これらは、「強烈な円高進行」が原因でした。トルコリラ自体の値動きを見極めるためには、対ドルでのトルコリラの値動きを分析することも一考でしょう。

トルコリラ・ドルは、2008年ごろから下落基調を続けており、この9年間で1トルコリラ=0.86ドル付近から0.288ドル付近まで下落しており、対ドルでのトルコリラの価値が3分の1ほどにまで低下しました。トルコリラ・ドルは、9年前からかなり安定した下落基調を続けております。最近では、エルドアン大統領の圧政が嫌気され、8月頃からトルコリラ・ドルの下げ足が速まっております。トルコリラ・ドルの週足では、10月9日から8週連続で最安値を更新しました。そして、12月2日が最安値となり、現在も最安値付近で推移しております。トルコリラ・ドルほど安定した下落トレンドを9年間も続けている通貨はかなり珍しいと言えそうです。

 トルコでは、7月のクーデター未遂以降、兵士や判事から教師、政治家、記者に至るまで11万人以上の公務員が拘束されたり、停職や免職になったりしました。エルドアン大統領は、クーデター未遂を機に、あらゆる反対派の取り締まりへと舵を切ったとされております。ルクセンブルクのアッセルボルン外相は、「トルコ政府が7月のクーデター未遂以降に公務員を解雇した対処法が、ナチスドイツによる戦術を想起させるとし、EUは遅かれ早かれ、トルコに制裁を科さければならなくなるだろう。」と述べており、EUのトルコに対する評価が最近特に厳しいものとなっております。

 トルコの与党・公正発展党(AKP)は12月10日、大統領の権限拡大を目的とした憲法改正法案を国会に提出したことを明らかにしました。AKPは来年5月までに国民投票を実施し、エルドアン大統領の2029年までの任期延長を目指しております。エルドアン大統領は、これまで敵対する多くの勢力を弾圧してきたことから、エルドアン大統領の2029年までの任期延長は、かなりの確率で承認されそうです。しかし、エルドアン大統領の2029年までの任期延長が承認されれば、EUによるトルコバッシングが更に強まり、トルコリラの下落基調が長期にわたり続く可能性も高まりそうです。

 トルコの警察当局は今月12日、少数派民族クルド人の武装組織の「クルド労働者党(PKK)」との関連が疑われるとして、クルド系有力野党の国民民主主義党(HDP)の幹部ら118人を拘束しました。AKPによる圧政が続いており、エルドアン大統領の2029年までの任期延長を反対する勢力が見当たらなくなってきました。エルドアン大統領の独裁政権が今後も長期にわたり続く可能性もあることから、トルコリラは、これから長期にわたり下落基調を続けると考えるべきかもしれません。

 トルコ中銀は、11月24日に2年10カ月ぶりとなる利上げを発表しました。主要な政策金利である翌日物貸出金利を0.25%引き上げて8.5%、1週間物レポ金利を0.5%引き上げて8%としました。しかし、トルコリラ・ドルは、利上げ発表の翌日に安値更新となり、12月2日まで安値更新は続きました。2年10カ月ぶりの利上げを発表しても、トルコリラ売りが止まらないことからも、トルコリラの地合いの悪さが浮き彫りとなりました。9年前から安定した下落基調を続けている対ドルでのトルコリラは、スワップポイントの高さより、トルコリラの下落に警戒する必要もありそうです。そして、対円でのトルコリラに対しても、最近の強烈な円安基調でも上昇基調に転じることが出来ないほど、トルコリラの地合いが悪化していると考えるべきかもしれません。エルドアン政権の独裁国家的な姿勢がトルコリラ売りの要因の1つとなっているだけに、ここにきてエルドラン大統領の2029年までの任期延長が濃厚となってきたことに警戒する必要もありそうです。

 


下記の記事は、1月11日に私が製作した過去記事です、参考にどうぞ。

1月11日

トルコリラの分析

 トルコリラ・円は、本日12時半ごろに30.33円まで下落し、昨年11月9日の瞬間安値(30.36円)を割り込んで最安値を更新しました。昨年11月9日のトルコリラ・円は、米大統領選の結果を受けて瞬間的に30.36円まで下落したものの、すぐに33円付近まで戻しました。しかし、今回は、1月5日からの続落により、30.33円まで下落しました。

ドル・トルコリラは、5営業日連続で最高値を更新し、「ドル高&トルコリラ安」の流が続いております。また、ドル・メキシコペソも最高値を更新し、「ドル高&メキシコペソ安」の流れが続いております。一方、豪ドル・円や南アランド・円は、昨年秋ごろから上昇基調を続けております。

メキシコペソが急落している理由は、トランプ次期政権により、メキシコの貿易に対して規制が強化されるとの思惑からのようです。トヨタのメキシコ工場建設計画に対してトランプ次期大統領は、自身のツイートで、「トヨタ自動車が、アメリカ向けのカローラを生産するためメキシコに新しい工場を作ると言った。とんでもないことだ。アメリカ国内に工場を作らないのならば、高い関税を払うべきだ。」と書き込みを行い話題となりました。そうしたトランプ次期大統領の行動により、今後のメキシコ投資を避けるメーカーが増加する可能性も高まっております。そうしたことが、メキシコペソ売りに繋がっております。

一方、トルコの国会は10日、大統領の権限拡大を目的とした憲法改正を可決しました。憲法改正には、550議席中330議席以上の賛成が必要ですが、336議席の賛成により可決されました。今後は、春ごろに国民投票が行われ、その結果次第では、大統領の権限拡大を目的とした憲法改正が実施されます。

トルコの与党・公正発展党(AKP)は昨年12月10日、大統領の権限拡大を目的とした憲法改正法案を国会に提出しました。AKPは、憲法改正によりエルドアン大統領の2029年までの任期延長を目指しております。そして、10日のトルコ国会で憲法改正が可決しました。これで、春ごろに予定されている国民投票の結果次第では、「エルドアン大統領の2029年までの任期延長」が正式決定することになります。

トルコでは、昨年7月のクーデター未遂以降、兵士や判事から教師、政治家、記者に至るまで11万人以上の公務員が拘束されたり、停職や免職になったりしました。こうしたことにより、EUのトルコに対する評価が最近特に厳しいものとなっております。こうしたエルドアン大統領の弾圧的な政策は、これまでのトルコリラ下落の要因でもあったようです。10日の国会で大統領の権限拡大を目的とした憲法改正が可決されたことを受けて、トルコリラ売りが加速したことは当然の反応かもしれません。こうしたトルコの背景を十分理解する必要もありそうです。



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