先週末14日に発行しました週間レポートの一部です。参考にどうぞ。

原油市場の総括(4月14日発行の週間レポートの一部です)

 NY原油は、エネルギー需要の不需要期を脱したことを受けて堅調地合いとなってきました。米製油所稼働率は、2月17日時点で84.3%まで低下して今年最低を記録しました。その後、3月10日時点でも85.1%に留まって低迷を続けていたことを受けて、「製油所稼働率が低調=米エネルギーの不需要期=米原油在庫が増加傾向」という流れがNY原油を圧迫し続けました。しかし、ここにきて製油所稼働率が4週連続で上昇し、4月7日時点で91%となりました。こうなると、「不需要期からの脱出」となり、昨年末ごろから増加傾向を続けた米原油在庫もようやくここにきて減少傾向に転じました。それによりNY原油が堅調地合いへと変化してきたようです。しかしながら、米原油生産に関しては、昨年10月ごろから安定した増加傾向を続けております。これまでの米エネルギー需給は、「在庫増傾向&生産増傾向」という弱材料のダブルパンチでしたが、ここにきて「在庫減傾向対、生産増傾向」という強弱材料の対峙とへと変化してきたようです。

原油市場においては、4月17日に予定されている産油国会合か5月のOPEC総会で、協調減産の半年間延長が決定するとの見方が有力視されているようです。「噂で買って、事実で売れ」という相場格言もあり、「協調減産の延長合意」となれば、その材料で買われたところが目先の高値となる可能性もあります。もし、現在の「協調減産による日量175万バレルの減産」の規模が拡大されて延長合意となれば、NY原油が一段高となりそうです。しかし、減産量は据え置きで「協調減産の延長合意」だけであれば、原油市場に与える影響は一時的となる可能性もあります。NY原油は、この半月間で7ドルほど上昇していることから、「協調減産の延長合意」の大部分をこれまでの上昇で織り込んでいると考えるべきかもしれません。

米軍がシリア空軍施設をミサイル攻撃したことにより、中東の地政学的リスクが高まり、それに原油価格が反応して上昇しました。シリアが生物化学兵器を使ったとされており、それに対して人道的立場からの米軍によるミサイル攻撃でした。シリアがこれから生物化学兵器を使用しなければ、米軍のシリア軍施設への更なる空爆はなさそうです。それにより、米軍がシリア空軍施設をミサイル攻撃したことで上昇した中東の地政学的リスクは、時間経過とともに低下することも予想されます。北朝鮮に関する地政学的リスクの上昇は、原油市場にはあまり関係なさそうです。それよりも、5月になればイスラエルの米大使館のエルサレム移転問題を受けて、中東の地政学的リスクが急上昇する可能性があります。これまでのトランプ大統領発言からは、イスラエルの米大使館がエルサレムに移転される可能性は高そうです。

米議会が21年前に「イスラエルの米大使館のエルサレム移転」を決定しました。しかし、それを実施すると中東情勢が緊迫することから、オバマ大統領までの米大統領が3代にわたって「イスラエルの米大使館のエルサレム移転決定に対する半年間の凍結」という大統領令に半年ごとに署名し続けました。しかし、トランプ大統領が5月24日までに半年間の凍結という大統領令に署名しなければ、自動的にイスラエルの米大使館が現在のテルアビブからエルサレムに移転する計画が始まることになります。米国が大使館をエルサレムに移すと、「米国は、エルサレムはイスラエル(ユダヤ教国家)の領土」と認めたことになり、周りのイスラム教国家からの反発が高まります。大使館は、その国の首都に設置することになっております。5月になれば、この問題による中東の地政学的リスクの上昇に警戒する必要がありそうです。

NYダウが12日と13日に下落し、「保合い下放れ」となる可能性も高まってきました。トランプ大統領の39の公約の大半が実施されていないことや、トランプ政権が政策実現に難航していることから、これまでのトランプ・ラリーで上昇を続けた銘柄に対する利益確定の売りが出始めております。NYダウは、昨年11月からのトランプ・ラリーにより3000ドル強も上昇してリスクオンの流れを強めてきただけに、ここでNYダウが下落基調に転じてリスクオフの流れが強まると、原油市場も影響を受ける可能性があります。こうしたことを考えると、来週は原油市場の売り場探しとなる可能性もあります。

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